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インフルエンザ予防接種の費用と助成【2026年版】65歳以上は2,500円、8月流行入りの年に「いつ打つか」を決める

診療所の受付カウンターに置かれた無地の予診票とボールペン、封筒、数枚の硬貨。奥の窓から秋の自然光が差し込む

65歳以上は定期接種で自己負担2,500円前後、64歳以下は任意接種で1回3,000〜5,000円が目安です。接種期間は多くの自治体が2026年10月1日〜2027年1月31日。無料の自治体と1,500円前後かかる自治体があり、全国一律ではありません。情報基準日: 2026-09-06。

この記事の結論(2026年9月6日時点)

  • 65歳以上は「定期接種」。市区町村が費用の大半を負担し、自己負担は0円〜2,500円程度。八王子市・世田谷区はいずれも2,500円で、期間内1回だけ。
  • それ以外の年代は「任意接種」で全額自己負担。医療機関ごとの自由価格で、1回3,000円〜5,000円前後が中心。自治体の上乗せ助成があるかどうかで実負担が変わる。
  • 2026年は流行入りが異常に早い。厚生労働省の発表で第34週(8月17〜23日)に全国の定点あたり報告数が1.11となり、1999年以降で2番目に早い流行入りとなった。
  • 打つ日は「10月上旬〜12月中旬」が基本。効果が出るのは接種の約2週間後で、持続はおよそ5か月とされる。
  • 予診票は待つのではなく確認する。65歳以上には自治体から予診票が郵送されるが、転入時期によって発送が遅れる。届かない場合は申し込みが必要な自治体がある。
目次

2026年度は何が違うのか — 8月の流行入りと、見送られた高用量ワクチン

厚生労働省は2026年8月28日、第34週(8月17〜23日)のインフルエンザ定点あたり報告数が1.11となり、全国が流行入りしたと発表しました。1999年以降で2番目に早い流行入りです。

75歳以上向けの高用量ワクチンは、2026年度の定期接種化が見送りに

75歳以上を対象に高用量ワクチンを定期接種へ組み込む案は検討されたものの、令和8年度の定期接種化は見送られました。2026年度も従来どおりの標準量ワクチンで実施されます。

費用はいくらか — 「定期接種」と「任意接種」で入り口が違う

インフルエンザの予防接種の値段が人によってばらばらなのは、制度の入り口が2本あるからです。ここを取り違えると「近所のクリニックは4,000円なのに、親は1,500円だった」という差の理由が分からなくなります。

定期接種(65歳以上など)— 予防接種法にもとづく市区町村の事業

インフルエンザは予防接種法のB類疾病で、65歳以上の方と、60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・免疫の機能に障害がある方(身体障害者手帳1級相当)が定期接種の対象です。実施主体は市区町村で、費用の大半を公費が負担します。

任意接種(それ以外の全年代)— 医療機関ごとの自由価格

それ以外の年代は任意接種となり、公的医療保険は使えず全額自己負担です。価格は医療機関が自由に決めるため、1回3,000〜5,000円程度と幅があります。

実額でみる — 2026年度の定期接種の設定例

自治体自己負担額接種期間(令和8年度)無料になる人
八王子市2,500円(期間内1回のみ)2026年10月1日〜2027年1月31日生活保護受給証明書、中国残留邦人等支援給付受給証明書を接種前に提出した方
世田谷区2,500円(1回のみ)2026年10月1日〜2027年1月31日生活保護、中国残留邦人等支援給付を受給中の方
静岡市市の案内で確認(金額は公表を待つ段階)2026年10月1日〜2027年1月31日市の案内で確認
各自治体の公式ページ(2026年9月1日〜3日更新分)を2026年9月6日に確認。金額・期間は年度ごとに変わるため、接種前に必ずお住まいの自治体のページで確認してください。

65歳以上は全国どこでも無料なのか — 答えは「無料の自治体と有料の自治体がある」

結論から言うと、65歳以上のインフルエンザ定期接種が全国一律で無料ということはありません。無料の自治体も、1,500円前後の自己負担がある自治体も実際にあります。2026年9月19日時点で各市区町村の公式サイトを確認した3例が下の表です。

「65歳以上は無料」は全国共通のルールではありません

予防接種法でインフルエンザはB類疾病に分類され、定期接種の実施主体は国ではなく市区町村です。対象者(65歳以上、および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・HIVによる免疫の機能に障害がある方)は法律で全国共通ですが、いくら自己負担するかは市区町村がそれぞれ条例や要綱で決めます。そのため「無料の自治体」と「1,500〜1,650円かかる自治体」が同時に存在します。引っ越した先で金額が変わるのはこのためです。

65歳以上の定期接種の自己負担額(3市区の例・各自治体公式サイトで2026年9月19日に確認)
自治体自己負担額接種期間(2026年度)条件・備考
品川区(東京都)無料(0円)2026年9月24日〜2027年1月31日区の助成上限は1回5,463円。9月中は区内契約医療機関のみ
前橋市(群馬県)1,500円2026年10月1日〜12月31日1人1回のみ。1961年12月20〜31日生まれは2027年1月15日まで
新潟市(新潟県)1,650円2026年10月1日〜2027年3月31日市の委託医療機関で接種した場合の額

同じ「65歳以上の定期接種」でも、自己負担額は0円〜1,650円に分かれる

※上の3市区は各自治体の公式サイトで2026年9月19日に確認した額。いちばん下は比較用に置いた任意接種(全額自己負担)の相場。

品川区(東京都) 無料(0円) 前橋市(群馬県) 1,500円 新潟市(新潟県) 1,650円 (参考)任意接種 65歳未満など 3,000〜5,000円 0円 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 定期接種の自己負担額は市区町村が条例・要綱で決めるため、引っ越すと金額が変わる。

同じ「65歳以上の定期接種」でも、品川区は0円、新潟市は1,650円と1,650円の差が出ます。接種できる期間も自治体ごとに違い、品川区は2027年1月31日まで、新潟市は2027年3月31日までと2か月の開きがあります。自分がいくら払うかを知る唯一の確実な方法は、お住まいの市区町村の「高齢者インフルエンザ定期予防接種」のページを見ることです。「(市区町村名) 高齢者インフルエンザ 定期接種」で検索すると該当ページにたどり着けます。金額は毎年度の予算で変わるため、去年の記憶や他市の情報で判断しないでください。

なお、生活保護を受けている方や市民税非課税世帯の方は、自己負担がある自治体でも申請により免除される制度を設けていることが多くあります。免除には接種前の手続きが必要な場合がほとんどなので、該当しそうな方は接種を予約する前に窓口へ確認してください。

自分はどのパターンか — 4つに分かれる

図1|あなたはどのパターンか

A|65歳以上

定期接種。自治体から予診票が届く。自己負担は0〜2,500円程度で、助成は年度内1回だけ。2回目は全額自己負担。

B|60〜64歳+障害

心臓・腎臓・呼吸器・免疫の機能障害(手帳1級相当)なら定期接種の対象。予診票は自動では届かず申し込みが必要な自治体が多い。

C|子ども(13歳未満)

任意接種。2〜4週の間隔で2回接種が基本のため費用も2回分。自治体独自の助成があるかは年度ごとに決まる。

D|13歳以上64歳以下

任意接種で1回。全額自己負担が原則だが、勤務先の健康保険組合の補助が使えることがある。まず健保のサイトを確認。

A・Bの人が見落としやすい「誕生日前」の落とし穴

定期接種を受けられるのは65歳の誕生日の前日からで、それより前に接種すると全額自己負担です。誕生日が11月・12月にある方は「予診票が届いてから予約する」ではなく「誕生日の翌日以降で予約を取る」と考えるほうが安全です。

Cの人が見落としやすい「2回分の総額」

生後6か月から13歳未満は2〜4週の間隔をあけて2回接種するのが基本です。1回3,500円の医療機関なら1人7,000円、子どもが2人なら14,000円。「1回の値段」ではなく「家族の総額」で予算を見るほうが実態に合います。

いつ打つか — 9月にやること、10月にやること

図2|2026年度の時系列

9月上旬〜中旬|予約開始

多くの医療機関が9月1日前後から10月分の予約を受け付ける。人気の小児科・かかりつけ医は早い時期に埋まる。この時期にやることは「予約」であって「接種」ではない。

9月下旬|予診票が届く(65歳以上)

世田谷区の例では、2026年8月19日以前の転入者へ9月下旬に発送。8月20日〜9月30日の転入者は10月中旬、10月1日以降の転入者は申し込みが必要。封筒の色が変わる年もあるので、DMと間違えて捨てない。

10月1日|定期接種スタート

八王子市・世田谷区とも2026年10月1日開始。ただしワクチンの流通状況により、医療機関ごとに開始日が遅れることがある。

10月〜12月中旬|接種の推奨期間

効果は接種の約2週間後から現れ、約5か月持続するとされる。1〜3月のピークに効果を乗せるなら、この期間内に済ませるのが理にかなう。子どもの2回目まで含めると、1回目は11月末までに。

2027年1月31日|定期接種の期限

八王子市・世田谷区とも1月31日で終了。この日を過ぎると助成は使えず全額自己負担になる。医療機関によっては在庫の都合でこれより早く終了する。

手続きの手順 — 定期接種を最短で受けるまで

図3|定期接種を受けるまでの6ステップ
1
対象か確認
接種日時点で65歳以上、または60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・免疫の障害
2
予診票を用意
65歳以上は自治体から郵送。届かない場合・60〜64歳は申し込みが必要
3
実施医療機関へ予約
自治体の契約医療機関から選ぶ。在庫・持ち物・キャンセル料を同時に確認
4
持ち物をそろえる
予診票・本人確認書類・自己負担金。対象確認の書類が要る自治体もある
5
予診票を記入し接種
当日の体調を記入。発熱時は延期の判断になる
6
接種の記録を残す
接種済証や領収書を保管。2回接種の人は次回の間隔の起点になる
※対象年齢・予診票の配布方法・自己負担額は市区町村ごとに異なります。必ずお住まいの自治体の案内をご確認ください(2026年9月6日時点の各自治体公式)。

ステップ1:自分が定期接種の対象かを確認する

接種日時点で65歳以上か、60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・免疫の機能に障害があるかを確認します。基準は年度末の年齢ではなく接種日の年齢で、誕生日の前日から受けられます。

ステップ2:予診票を用意する

65歳以上には自治体から予診票が郵送されます(世田谷区は9月下旬発送予定)。届かない場合や60〜64歳で対象になる方は申し込みが必要で、当日に医療機関で受け取る方式の自治体もあります。

ステップ3:実施医療機関に予約する

自治体と契約している実施医療機関の一覧から予約します。予約時に接種日・ワクチンの在庫状況・当日の持ち物・キャンセル料をまとめて確認しておくと二度手間になりません。

ステップ4:当日の持ち物をそろえる

共通の持ち物は予診票・本人確認書類・自己負担額の現金の3点です。60〜64歳で対象になる方は身体障害者手帳または診断書の写し、無料になる方は生活保護受給証明書などを接種前に提出します。

ステップ5:予診票を記入して接種を受ける

当日の体調、アレルギー歴、けいれんの既往、鶏卵アレルギーなどを正確に記入します。接種後30分は院内などで様子を見るよう指示されることが多く、これはアナフィラキシーの多くが接種後30分以内に起こるためです。

ステップ6:接種済みの記録を残す

接種後に渡される済証や領収書は保管します。健康保険組合の補助を申請するときに領収書の原本が必要になることがあり、健康被害救済制度の申請でも接種の事実を示す資料になります。

イレギュラー・現場でよく起きること

住んでいる市区町村の外で打ちたい

「近隣なら手続き不要、遠方は事前申請」の二段構えが一般的です。八王子市は町田市・日野市・多摩市・稲城市の実施医療機関なら手続き不要、世田谷区の予診票は都内22区と狛江市・調布市・三鷹市で使えます。それ以外の地域で受けるなら、接種予定日の2〜3週間前までに予防接種依頼書の申請が必要です(世田谷区の場合)。

予診票が届かない/捨ててしまった

転入時期によって発送が後ろへずれる設計のため、「近所の人には届いたのに自分には届かない」は必ずしも異常ではありません。世田谷区は2026年10月1日以降の転入者を「要申込」と明記しています。12月に入っても届かないなら、待たずにコールセンターへ問い合わせるのが実務的です。

損しないポイント

図4|お金の面で押さえておく5点

  1. 予防接種の費用は医療費控除の対象外。医療費控除は治療のための支出が対象で、病気の予防や健康増進のための支出は含まれない。1年分をまとめても控除には使えない。
  2. ただしセルフメディケーション税制の「一定の取組」には該当する。インフルエンザの予防接種を受けていれば、対象のOTC医薬品の購入額について同税制を使える条件を満たす。領収書は取っておく価値がある。
  3. 勤務先の健康保険組合の補助を先に調べる。組合によっては数千円の補助や、指定医療機関での無料接種を用意している。任意接種のDパターンで最も効きやすい一手。
  4. 助成は年度内1回だけ。2回目以降は全額自己負担になる。高齢者は一冬に1回の接種で効果があるとされているため、通常は1回で足りる。
  5. 子どもは「2回分」で予算を立てる。1回の表示価格に惑わされない。自治体助成が1回目のみか2回とも対象かで、家族の総額が数千円変わる。

相場観と編集部の価値判断

65歳以上の2,500円は、迷う金額ではないと考えています。八王子市は厚生労働省資料をもとに「高齢者では34から55パーセントの発病を阻止し、82パーセントの死亡を阻止する効果があったと報告されています」と示しています。発病を完全に防ぐ手段ではありませんが、重症化と死亡を減らす方向にはたらく支出です。

迷いが生じやすいのは働き世代の任意接種です。1回4,000円前後、家族4人なら1万5千円前後になります。見るべきは自分が発症する確率よりも、同居する高齢者や乳児にうつす経路をどれだけ減らせるかという観点です。健保の補助の有無も先に確認する価値があります。

よくある質問

インフルエンザの予防接種に健康保険は使えますか?

使えません。予防接種は病気の治療ではないため公的医療保険の適用外で、任意接種は全額自己負担です。65歳以上などの定期接種は保険ではなく、予防接種法にもとづく市区町村の事業として費用の大半が公費でまかなわれています。別のしくみだと理解しておくと混乱しません。

2026年度の高齢者の自己負担額はいくらですか?

自治体ごとに異なります。2026年9月6日時点で確認できた例では、八王子市が2,500円(期間内1回のみ)、世田谷区が2,500円(1回のみ)です。いずれも生活保護受給中の方などは無料になります。金額は年度ごとに見直されるため、お住まいの市区町村の公式ページで確認してください。

2026年度の接種期間はいつからいつまでですか?

八王子市・世田谷区・静岡市はいずれも2026年10月1日から2027年1月31日までを定期接種の期間としています。この期間を過ぎると助成は使えません。ただしワクチンの流通状況により、医療機関によっては開始が遅れたり終了が早まったりすることがあります。

65歳の誕生日前に打っても助成は受けられますか?

受けられません。定期接種の対象になるのは65歳の誕生日の前日からで、それより前に接種した場合は全額自己負担になります。世田谷区はこの点を明記して注意喚起しています。誕生日が接種シーズンの途中にある方は、予約の日付を誕生日の前日以降に設定してください。

2026年は流行が早いので、9月中に打ったほうがよいですか?

一律に前倒しをおすすめできる状況ではありません。ワクチンの効果は接種の約2週間後から現れ、約5か月持続するとされているため、9月に接種すると患者数が増える1〜3月の後半で効果が弱まる可能性があります。八王子市・世田谷区とも10月から12月中旬までの接種を推奨しています。ただし基礎疾患がある方や、秋に外せない予定がある方は、かかりつけ医に個別に相談してください。

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あわせて読みたい

お住まいの自治体の金額を確認するには

自己負担額・接種期間・実施医療機関は市区町村ごとに決まります。「(市区町村名)+高齢者インフルエンザ予防接種」で検索し、公式サイトの令和8年度(2026年度)のページを開いてください。制度の全体像は厚生労働省の解説ページが基準になります。

厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」を見る

出典(2026年9月6日確認/自治体の自己負担額は2026年9月19日に再確認)

本記事は2026年9月6日時点の公表情報にもとづく一般的な解説です。金額・期間・対象者の要件は市区町村ごとに異なり、年度途中で変わることがあります。接種の可否や体調に関する判断は医師にご相談ください。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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