この記事の結論
- 特別障害者手当は月額30,450円(令和8年4月分から)。年4回、2月・5月・8月・11月に前3か月分がまとめて振り込まれます。1年で365,400円です。
- 決め手は障害者手帳の等級ではありません。「日常生活において常時特別の介護を必要とする状態」かどうかで判断されます。手帳を持っていなくても認定されることがあり、逆に1級でも外れることがあります。
- 受け取れないのは3つのケース。①施設に入所している②病院に3か月を超えて入院している③所得が限度額を超えている、です。通所(デイサービスなど)は対象外になりません。
- 所得制限は毎年8月分で切り替わります。令和8年8月以降は、本人・扶養親族0人なら所得3,758,000円(収入の目安5,372,000円)が上限です。
- 支給は申請した月の翌月分から。さかのぼりません。気づいた月に出すかどうかで、そのまま金額が変わります。
在宅で重い障害のある家族を介護していると、費用は静かに増えていきます。紙おむつ、通院の付き添い、訪問介護の自己負担、住宅の細かな改修。介護保険や医療の制度は調べれば出てきますが、「現金がそのまま毎月入る」制度となると、意外に知られていないものがあります。
それが特別障害者手当です。国の制度で、全国どこでも同じ金額。令和8年度は月額30,450円です。それでも受給者は全国で約13万人規模にとどまります。理由ははっきりしていて、この手当は役所から案内が来ないからです。障害者手帳を取っても、要介護認定を受けても、自動では結びつきません。自分か、周りの誰かが名前を出して聞くまで、話題にすら上がらないことがあります。
そしてもう一つ。8月は、この手当にとって1年でいちばん動きのある月です。所得制限が8月分から切り替わり、受給中の人は現況調査の書類を出す時期にあたります。この記事では、厚生労働省と自治体の公式資料をもとに、誰が対象で、いくらで、いつ、どういう順番で申請するのかを最後まで通しで整理します。
特別障害者手当とは|手帳の等級ではなく「常時の介護」で決まる
厚生労働省は支給対象をこう定めています。「精神又は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の者」。ここに障害者手帳という言葉は出てきません。
実際の判定は、国の「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準」(昭和60年12月28日社更第162号厚生省社会局長通知・令和3年12月改正)にもとづいて行われます。この基準では、視覚・聴覚・肢体・内部障害・精神/知的障害それぞれに重度の目安が置かれ、おおむね「重度の障害が2つ以上ある」または「重度の障害が1つあり、日常生活動作にきわめて強い制限がある」という組み立てで判断されます。
知的障害の場合、札幌市は「障害者手帳の等級や知能指数のみではなく、日常のさまざまな場面における援助の必要性を勘案して判断される」と説明しています。手帳の等級と手当の認定は、そもそも別の物差しです。ここを取り違えて「うちは2級だから無理だろう」と自己判断してしまうのが、いちばんもったいないパターンです。
逆の誤解もあります。介護保険の要介護度が高ければ通る、というものです。要介護認定は介護サービスの必要量をはかる制度で、認定基準そのものが違います。要介護5でも認定されないことはありますし、要介護認定を受けていなくても認定されることはあります。要介護認定の仕組みは要介護認定の申請と流れにまとめています。
受け取れない3つのケース|通所は除外されない
要件を満たしていても、次のいずれかに当てはまると手当は出ません。ここは自治体の裁量ではなく、法令で決まっている部分です。
損しないポイント|「入所」と「通所」は別物
- ①施設への入所:障害者支援施設、特別養護老人ホームなどに入所しているときは対象外です。ただし通所している場合は除きます。デイサービスや生活介護に毎日通っていても、住まいが自宅なら「在宅」です。
- ②3か月を超える入院:病院・診療所(介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院を含む)に継続して3か月を超えて入院すると資格を失います。3か月以内の入院なら止まりません。
- ③所得が限度額を超えている:本人だけでなく、配偶者と扶養義務者の所得も見られます。これは資格が消えるのではなく「支給停止」で、翌年に所得が下がれば復活します。
- このほか、日本国内に住所がないときも対象外です。
- グループホームは自治体の判断が分かれます。共同生活援助を「入所」と扱うかは実務上の整理が必要なので、窓口で必ず名指しで確認してください。
③の「支給停止」は誤解されやすい仕組みです。停止された年も受給資格そのものは残っています。だから、いったん止まったからといって放置せず、所得が下がった年に届出を出せば、また8月分から受け取れます。
金額は月30,450円|年4回、前3か月分がまとめて入る
令和8年4月分から、特別障害者手当の月額は30,450円です。令和7年度は29,590円でしたから、860円の引き上げになります。この金額は「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」にもとづき、前年の全国消費者物価指数の変動に応じて毎年改定されます。自治体ごとに違う金額ではありません。
振り込みは年4回。2月・5月・8月・11月に、それぞれ前3か月分がまとめて入ります。1回あたり91,350円、1年で365,400円です。毎月入るわけではないので、家計に組み込むときは3か月まとめて来る前提で考えたほうがいいでしょう。
1年間の支給スケジュール(令和8年度)
2月払い ― 前年11月・12月・1月分
91,350円(30,450円×3か月)。年度をまたぐため、4月改定の前後で単価が変わる回があります。
5月払い ― 2月・3月・4月分
4月分から新しい月額が適用されます。令和8年は4月分から30,450円です。
8月払い ― 5月・6月・7月分
この直後、8月分から所得制限が切り替わります。受給中の人は現況調査(現況届)の提出時期でもあります。1年でいちばん動きの大きい月です。
11月払い ― 8月・9月・10月分
現況調査の結果が反映される最初の支給です。ここで金額が0になっていたら、所得超過か書類の未提出を疑ってください。
出典:厚生労働省「特別障害者手当について」。支給日は自治体により月内で異なります。
所得制限の見方|見るのは本人・配偶者・扶養義務者の3人分
特別障害者手当の所得制限は、本人の所得と、配偶者および扶養義務者(同居する父母・子・きょうだいなど)の所得を別々の表で見ます。どちらか一方でも超えていれば、その年の8月分から翌年7月分まで支給が停止されます。
所得制限限度額(令和8年8月以降適用・単位:円)
| 扶養親族等の数 | 本人の所得額 | 本人の収入の目安 | 配偶者・扶養義務者の所得額 | 同・収入の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 0人 | 3,758,000 | 5,372,000 | 6,287,000 | 8,319,000 |
| 1人 | 4,138,000 | 5,848,000 | 6,536,000 | 8,586,000 |
| 2人 | 4,518,000 | 6,324,000 | 6,749,000 | 8,799,000 |
| 3人 | 4,898,000 | 6,776,000 | 6,962,000 | 9,012,000 |
| 4人 | 5,278,000 | 7,198,000 | 7,175,000 | 9,225,000 |
| 5人 | 5,658,000 | 7,620,000 | 7,388,000 | 9,438,000 |
出典:厚生労働省「特別障害者手当について」。所得額は、地方税法の都道府県民税についての非課税所得以外の所得から、医療費控除・障害者控除・寡婦控除等の額を差し引いた額です。収入の目安は給与所得者として給与所得控除額を加えて表示した参考値です。
表だけだと差が掴みにくいので、扶養親族等が0人のときの限度額を並べてみます。本人と扶養義務者では、見られる水準がこれだけ違います。
扶養親族等0人の場合の限度額(令和8年8月以降)
出典:厚生労働省「特別障害者手当について」より編集部作成。棒の長さは金額に比例。
ここで実務上いちばん効くのが、「扶養義務者と同居しているかどうか」です。所得の高い子と同居していると扶養義務者の欄で引っかかりますが、別居していれば見られません。世帯を分けるだけでは足りず、実際に別居しているかどうかが基準である点は押さえておいてください。世帯分離で介護費用が下がるかどうかは世帯分離で介護費用は本当に下がるのかで別途整理しています。
制度の正式な説明と最新の限度額は、厚生労働省「特別障害者手当について」で確認できます。申請の窓口はお住まいの市区町村の障害福祉担当課です。
申請の順番|先に窓口へ相談、次に診断書
この手当の申請で失敗しやすいのは、いきなり診断書を取りに行ってしまうことです。診断書は指定様式で、市区町村の窓口かホームページで配布されています。一般的な診断書を自費で書いてもらっても使えません。順番を守れば、無駄な費用はかかりません。
申請から初回入金までの流れ
STEP1 市区町村の障害福祉担当に事前相談する
札幌市は必要書類が状況で変わるため「事前に相談を」と明記しています。ここで指定様式の診断書を受け取ります。「特別障害者手当の申請をしたい」と制度名で伝えるのが確実です。
STEP2 主治医に指定様式の認定診断書を書いてもらう
診断書は保険が効かず自費です。作成には数週間かかることもあります。札幌市は医師に対し「治療経過・養育歴・現在の障害の状況をできるだけ詳しく」と依頼しています。日常生活で何ができないかを伝えておくと、記載が具体的になります。
STEP3 認定請求書と所得状況届をそろえて提出する
認定請求書、所得状況届、認定診断書、障害者手帳(あれば)、振込先口座がわかるもの、マイナンバーがひとそろいです。振込口座は本人名義に限られ、配偶者や扶養義務者の口座は指定できません。公金受取口座を使う場合は通帳の写しが不要になります。
STEP4 審査を待つ(標準処理期間の例:45日)
札幌市は標準処理期間を45日としています。書類不備や医療機関への確認があると延びます。2か月近く経っても通知が来なければ窓口に確認を。
STEP5 認定されれば「請求した月の翌月分」から支給
審査に時間がかかっても、支給の起算は請求した月です。だから診断書が仕上がる前でも、書類がそろい次第すぐ出す意味があります。1か月遅れれば30,450円が消えます。
出典:厚生労働省「特別障害者手当について」、札幌市「特別障害者手当、障害児福祉手当、(経過的)福祉手当」(2026年8月7日更新)。標準処理期間や提出期間は自治体により異なります。
認定されたあとに待っている2つの手続き
この手当は「一度通れば終わり」ではありません。受給が始まってからのほうが、止まるリスクは高いくらいです。落とし穴は2つあります。
①有期認定と「有期期限」
精神疾患(知的障害を含む)や慢性疾患など、障害の状態が変わりうるものはおおむね1〜5年ごとに再認定されます。診断書の提出期限が「有期期限」で、1月・4月・7月・10月の末日のいずれかに設定され、2か月前に通知が届きます。
間に合わないときは期限が来る前に窓口へ連絡してください。過ぎてから出す場合は「遅延理由書」が要ります。正当な理由がないと判断されると、有期期限の翌月分から提出月の前月分まで支給が止まります。なお、身体障害者手帳1級・2級の一部や、障害基礎年金・特別児童扶養手当が1級の人は、診断書の提出を省略できる場合があります。
②毎年8月の現況調査(現況届)
毎年8月1日現在の状況で、所得・施設入所・入院の要件を満たしているかを確認します。札幌市の場合、提出期間は原則8月12日から9月11日まで。出さないと、その年の8月分以降が受け取れなくなります。
もうひとつ、届出漏れも重い結果を招きます。施設に入所した、入院が3か月を超えた、といった変化を届け出ないまま受け取り続けていた場合、その期間の手当は全額返還になります。再認定で障害が軽減したと判断されたときの資格喪失日は診断書を作成した日で、すでに払われた分に過払いがあれば返還を求められます。
つまり、この制度で本当にお金を失うのは「申請しなかったとき」と「届け出なかったとき」の2つです。どちらも書類1枚の話です。
パターン別の分岐|あなたはどこに当てはまるか
「そもそも自分は見に行くべきか」を先に切り分けます。次のチェックリストで上3つに当てはまるなら、窓口に相談する価値があります。
窓口に相談する価値があるかのチェック
- □ 20歳以上で、自宅(または家族の家)で暮らしている
- □ 食事・排せつ・入浴・移動のうち、複数で常時の手助けが必要
- □ 病院に入院しているとしても、3か月以内におさまる見込み
- □ 本人の前年所得が375万円台以下、同居する扶養義務者も628万円台以下
- □ 障害者手帳がない/等級が中程度でも、あきらめずに相談する
最終的な判断は国の障害程度認定基準にもとづく審査で決まります。上記は相談に行くかどうかの目安です。
そのうえで、立場ごとの分岐を整理します。
20歳未満のときは、特別障害者手当ではなく障害児福祉手当(令和8年度は月額16,560円)の対象です。ただしこちらは、障害を事由とする年金を受けられるときは支給されません。特別障害者手当にはこの制限がなく、障害基礎年金と併給できます。20歳の誕生日で切り替わるので、障害児福祉手当を受けていた人は20歳になったら特別障害者手当を改めて請求する必要があります。
特別障害者手当(20歳以上)
月額30,450円/在宅で常時特別の介護が必要/障害年金と併給できる/施設入所・3か月超の入院で不可/所得制限あり(本人・配偶者・扶養義務者)
障害児福祉手当(20歳未満)
月額16,560円/在宅で常時の介護が必要/障害を事由とする年金を受けられるときは不可/障害児入所施設への入所で不可/所得制限あり
障害基礎年金を受けている人は、特別障害者手当と両方受け取れます。障害年金1級は令和8年度で年額1,059,125円ですから、手当の365,400円を足すと年間142万円台になります。障害年金の請求そのものがまだなら、障害年金のもらい方を先に読んでください。
昭和61年3月31日以前から福祉手当を受けていた人には、経過的福祉手当という枠が今も残っています。特別障害者手当にも障害基礎年金にも移れなかった人が対象で、新規の受付はありません。心当たりがあれば窓口で確認してください。
本人が判断しづらい状態のときは、申請そのものを誰が行うかが問題になります。成年後見人が選任されていれば後見人が手続きできます。制度の使い方は成年後見制度の使い方にまとめました。
イレギュラー・現場対応|「10年近く受け取れなかった」が実際に起きている
この手当をめぐる相談は、公開されている場に相当量たまっています。弁護士ドットコムの法律相談には「特別障害者手当」を扱うスレッドが118件蓄積しており(2026年8月時点)、内容を編集部で確認すると、次の2つの型に集中していました。出所は公開されている相談投稿であり、個別の事案の真偽を当編集部が検証したものではありません。
ひとつは「誰も教えてくれなかった」型です。介護にあたっていた側が制度を知らず、本人への説明も役所への申請もしないまま、10年近く受給できなかったという趣旨の相談が投稿されています。支給は請求した月の翌月分からで遡及がありませんから、この場合に失われた額は制度上取り戻せません。月30,450円で10年なら、単純計算で365万円規模になります。
もうひとつは「却下されたあとどうするか」型です。認定却下処分に対して審査請求を行ったという相談や、Yahoo!知恵袋には「以前却下されたが再申請は無謀か」という質問が見られます。却下は一度きりの結論ではありません。障害の状態が重くなっていれば再度請求できますし、行政の決定に不服があるときは審査請求という手続きがあります。期限と宛先は決定通知書に書かれているので、通知書は捨てずに保管してください。
編集部から|制度名を出して聞くのがいちばん速い
- ケアマネジャー、相談支援専門員、病院の医療ソーシャルワーカーに「特別障害者手当の対象になりますか」と制度名で聞く。「使える制度はありますか」という聞き方では、介護保険の枠内の話で終わることがあります。
- 介護保険の担当者と障害福祉の担当者は、自治体内でも部署が分かれています。高齢の親を介護していると、障害福祉側の窓口に一度も行かないまま年月が過ぎます。これが取り逃しの構造的な原因です。
- 診断書代(自費)は先払いになります。認定されれば1か月分の手当でほぼ回収できる水準ですが、通らなかったときは戻りません。だからこそSTEP1の事前相談で見込みを聞いておく価値があります。
- 却下の通知が来たら、まず理由の記載を読むこと。診断書の記載が不十分だったのか、基準に届かなかったのかで、次に取る手が変わります。
相場観と編集部の価値判断|13万人という数字をどう読むか
厚生労働省の「福祉行政報告例」で特別障害者手当の受給者数を追うと、おおむね12万〜13万人台で推移しています。日本の身体障害者手帳の1級・2級所持者だけでも100万人を大きく超えることを踏まえると、この制度に到達している人は限られていると見るのが自然です。もっとも、認定基準は手帳の等級とは別物ですから、この差をそのまま「取り逃し」とは断定できません。あくまで規模感の話です。
金額の重さも確認しておきます。年間365,400円という額は、在宅介護の実費と比べると次のような位置づけになります。
年間365,400円で何がまかなえるか(編集部の目安)
| 使いみち | 月30,450円との関係 |
|---|---|
| 紙おむつ・パッド代 | 常時使用でも月1万円前後が一般的。手当だけで足りる水準です。 |
| 介護保険サービスの自己負担 | 1割負担で区分支給限度基準額いっぱいまで使った場合の自己負担に近い規模です。 |
| 指定様式の認定診断書代 | 自費で数千円程度が目安(医療機関により異なる)。認定されれば初月で回収できます。 |
| 住宅改修の自己負担 | 介護保険の上限20万円・1割負担なら2万円。手当1か月分で足ります。 |
金額は編集部が公表制度の枠組みから示した目安で、実際の負担は状況により異なります。
編集部の判断は明快です。迷っている時間そのものにコストがある制度です。支給が請求月の翌月起算である以上、「もう少し調べてから」の1か月は30,450円と同じ意味を持ちます。診断書代が先払いになる点は確かに負担ですが、まず窓口で見込みを聞く段階には費用がかかりません。順番としては、相談が先、支出は後です。
あわせて、在宅介護の費用を下げる制度は他にもあります。施設利用時の食費・居住費なら負担限度額認定、医療費が高額になったときは高額療養費制度、住まいの改修は介護保険の住宅改修費が使えます。手続き全体の見取り図は暮らしの手続きナビにまとめています。
よくある質問
障害者手帳がなくても申請できますか?
できます。厚生労働省が定める支給要件は「精神又は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の者」で、手帳の所持は要件になっていません。判定は指定様式の認定診断書と国の障害程度認定基準で行われます。ただし手帳を持っている場合は写しの提出を求められます。
要介護5なら必ず認定されますか?
必ずではありません。介護保険の要介護認定と特別障害者手当の認定は、別の基準にもとづく別の審査です。要介護度が高くても認定されないことはありますし、要介護認定を受けていなくても認定されることはあります。実際の可否は指定様式の診断書をもとに市区町村が判断します。
障害基礎年金と両方受け取れますか?
特別障害者手当は障害基礎年金と併給できます。年金を受けていることを理由に支給されないという制限は置かれていません。一方、20歳未満が対象の障害児福祉手当は、障害を事由とする年金を受けることができるときは支給されない点が異なります。
入院したら手当は止まりますか?
病院・診療所(介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院を含む)への入院が継続して3か月を超えたときに資格を失います。3か月以内であれば止まりません。3か月を超えた場合は資格喪失届の提出が必要で、届け出ないまま受給を続けるとその期間分を全額返還することになります。
所得制限で止まったあと、また受け取れますか?
受け取れます。所得超過による停止は資格の喪失ではなく支給停止で、その年の8月分から翌年7月分までが対象です。翌年の所得が限度額を下回れば、8月分から再び支給されます。所得の更正があったときや、所得の高い扶養義務者と別居したときなどは「所得状況届」を提出してください。
申請が遅れた分をさかのぼって受け取れますか?
さかのぼれません。支給は認定請求をした月の翌月分からです。対象になる状態が何年も続いていたとしても、請求前の期間について手当が支払われることはありません。だからこそ、条件に当てはまりそうなら早めに窓口へ相談することが金額に直結します。
出典と基準日
本記事の金額・要件は2026年8月21日時点の公表情報にもとづきます。所得制限限度額は令和8年8月以降に適用されるものです。手当額は毎年度改定され、提出期間や標準処理期間は市区町村ごとに異なります。実際の申請にあたっては、必ずお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。本記事は制度の解説であり、個別の認定可否を判断するものではありません。
主な出典
- 厚生労働省「特別障害者手当について」(支給要件・支給月額30,450円・支給時期・所得制限限度額)
- 札幌市「特別障害者手当、障害児福祉手当、(経過的)福祉手当」(2026年8月7日更新/必要書類・標準処理期間45日・有期認定・現況調査8月12日〜9月11日)
- 厚生労働省「福祉行政報告例」(障害児福祉手当等受給者の状況)
- 昭和60年12月28日社更第162号厚生省社会局長通知「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準について」(令和3年12月改正)
読み終えたら、次に手を動かすこと
手当の申請と並行して、在宅で介護を続けるための出費も見えてきます。手当は月額が決まっていて増やせないので、手を動かして下げられるのは毎月の固定費のほうです。
- 電気・ガスの乗り換え完全ガイド在宅介護は冷暖房と給湯の使用が増えます。切替は最短4日・工事不要で、手続きの手順と注意点を整理しています。
- 介護がはじまったら最初に買うもの手すりや介護用品は、買う前に貸与・給付で賄えるものがあります。買い足す順番と失敗しやすい品目をまとめています。
