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キャリアアップ助成金の賃金規定等改定コースは、パート・契約社員など有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上引き上げると、中小企業なら対象者1人あたり4万〜7万円(令和7年度)が受けられる制度です。この記事では支給額・申請の流れ・注意点を2026年時点の情報でわかりやすく整理します。
- ✓ 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定すると助成対象
- ✓ 中小企業は引上げ率に応じ対象者1人あたり4万〜7万円(令和7年度)
- ✓ 1年度1事業所100人まで。職務評価加算・昇給制度導入加算あり
- ✓ 正社員化コースとは別コース。先にキャリアアップ計画の届出が必要
本記事は2026年7月20日時点(令和7年度)の公表情報にもとづきます。助成額・要件は年度ごとに変わるため、申請前に必ず厚生労働省の公式ページで最新のパンフレット・支給要領を確認してください。
賃金規定等改定コースとは
有期雇用労働者等に適用される基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、実際に適用した事業主に助成されるコースです。制度の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容(令和7年度・中小企業) |
|---|---|
| 対象の取り組み | 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し適用 |
| 支給額(1人あたり) | 4万〜7万円(引上げ率による4区分) |
| 上限人数 | 1年度1事業所あたり100人まで |
| 主な加算 | 職務評価加算20万円/昇給制度の新設加算20万円(大企業は各15万円) |
| 対象事業主 | 雇用保険適用事業所の事業主(キャリアアップ計画の届出が必要) |
賃上げ率でいくらもらえる?
令和7年度は支給区分が4段階に細分化され、賃上げ率が高いほど1人あたりの助成額が増えます(下図は中小企業の場合)。
大企業の場合は金額が中小企業と異なります。正確な額は最新年度のパンフレットで確認してください。
助成金の入金は「雑収入」|先に帳簿の形を決めておく
受給した助成金は課税対象の雑収入として処理します。賃金規定の改定にあわせて賃金台帳・出勤簿も整えることになるため、給与と帳簿を同じ場所で管理できるようにしておくと、支給申請と決算の両方が楽になります。
▶ 補助金・助成金の会計処理と圧縮記帳のやり方
▶ 記帳代行の費用相場と依頼先の選び方
申請の流れ
ポイントは、賃金規定を改定する前にキャリアアップ計画を届け出ておくことです。
- キャリアアップ計画を作成し、管轄の労働局へ届け出る。
- 賃金規定等を3%以上増額改定し、対象労働者に適用する。
- 改定後の賃金を6か月分支給する。
- 6か月経過後、支給申請書を提出する。
- 審査を経て助成金を受給する。
賃上げの証明は「改定前後の賃金台帳」で決まる
賃金規定等改定コースの支給申請では、改定前と改定後の賃金台帳・就業規則(賃金規定)・出勤簿がセットで確認されます。毎月の給与計算がそのまま台帳として残っていれば、申請時に過去数か月分をさかのぼって作り直す作業そのものが不要になります。
▶ 最低賃金はいつから上がる?【2026年10月改定】
▶ 補助金の会計処理と圧縮記帳【2026年版】
申請前に確認したい注意点
- 賃金規定等の改定前にキャリアアップ計画を届け出ておく必要があります。改定後では対象外になることがあります。
- 助成額・要件は年度ごとに見直されます。必ず最新年度のパンフレット・支給要領で確認してください。
- 他の賃上げ系助成金(業務改善助成金など)とは併給調整がある場合があります。同一の賃上げで重複受給できるとは限らないため、管轄労働局に確認しましょう。
図|申請前セルフチェック(5項目すべて「はい」なら申請準備が整っています)
- 賃金規定等を改定する前に、キャリアアップ計画を管轄労働局へ届け出た
- 対象は有期雇用労働者等で、基本給の賃金規定等を3%以上増額改定した
- 改定後の賃金を6か月分、実際に支給した
- 助成額・要件を最新年度のパンフレット・支給要領で確認した
- 業務改善助成金など他の賃上げ系助成金との併給調整を管轄労働局に確認した
1つでも「いいえ」がある場合は、支給申請の前に管轄労働局へ確認してください。とくに1番目の順序を誤ると、要件を満たしていても対象外になることがあります。
助成金の税務処理を相談する前に確認
助成金の申告や税務相談は税理士にしか依頼できません。無資格の代行業者へ丸投げするとリスクがあります。依頼先が正規の税理士かは公式サイトで検索・確認できます。
助成金は「入金がいつになるか」まで見て資金繰りを組む
助成金も補助金と同じく後払いです。賃上げを実施してから支給申請、審査を経て入金されるため、増えた人件費は先に自社が負担します。月次の数字がすぐ出る状態にしておくと、支給までの立替期間を資金繰り表に落とし込みやすくなります。
▶ 補助金はいつもらえる?申請から入金までの流れ【2026年版】
▶ 経営力向上計画とは?メリットと申請方法【2026年版】
よくある質問
何%賃上げすると、いくらもらえますか?
令和7年度の中小企業は、対象労働者1人あたり、引上げ率3%以上4%未満で4万円、4%以上5%未満で5万円、5%以上6%未満で6.5万円、6%以上で7万円です。1年度1事業所あたり100人までが上限です。
パートやアルバイトも対象になりますか?
有期雇用労働者等(有期・無期のうち正社員以外の労働者)が対象です。これらの労働者に適用される基本給の賃金規定等を3%以上増額改定して適用することが要件です。
業務改善助成金と併用できますか?
目的の異なる別制度ですが、同一の賃上げを対象に両方を重複して受給できるとは限らず、併給調整がある場合があります。詳細は管轄の労働局に確認してください。
受給後のキャッシュフローを整える次の一手
助成金は賃上げを実施したあとの後払いです。支給までの立て替え期間をどうつなぐかを、経費管理と資金繰りの両面であらかじめ決めておくと安全です。
