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補助金の会計処理と圧縮記帳をわかりやすく解説【2026年版】|仕訳例・消費税の返還・個人事業主の取り扱いまで

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結論:補助金・助成金は原則「雑収入」として計上し、法人税・所得税の課税対象になります(消費税は不課税)。ただし機械や設備など固定資産の取得に充てた補助金は、法人なら「圧縮記帳」、個人事業主なら「国庫補助金等の総収入金額不算入」を使うことで、受給した年の税負担を将来に繰り延べられます。本記事では、仕訳例・消費税分の返還ルール・圧縮記帳の数値例・会計ソフトでの処理まで、2026年7月17日時点の法令・公式情報に基づいてわかりやすく解説します。補助金制度そのものの全体像は補助金・助成金の完全ガイドをご覧ください。

この記事のポイント

  • 補助金・助成金は原則「雑収入」で課税対象(消費税は不課税)
  • 設備投資に充てたなら圧縮記帳(法人)/総収入金額不算入(個人)で税負担を繰り延べ
  • 課税事業者は消費税分の返還が必要になる場合がある(報告漏れに注意)
  • 会計ソフトを使えば補助金対象経費の集計・実績報告がぐっと楽になる
目次

補助金・助成金の会計処理の基本

補助金・助成金を受け取ったときの勘定科目は、原則として「雑収入」(営業外収益)です。金額が大きい場合や毎期継続して受給する場合は「補助金収入」「助成金収入」といった独立科目を設けると、決算書の透明性が高まります。

計上のタイミングは「入金日」ではなく支給決定(交付額の確定)日が原則です。決定から入金までズレがある場合は、いったん未収入金で計上します。

タイミング借方貸方ポイント
支給決定時未収入金 500万円雑収入 500万円税区分は「不課税」
入金時普通預金 500万円未収入金 500万円決定と入金が同時期なら直接「普通預金/雑収入」でも可
圧縮記帳(直接減額方式)固定資産圧縮損 500万円機械装置 500万円法人のみ。詳細は後述
補助金500万円を受給した場合の基本仕訳例

消費税は「不課税」— ただし消費税分の返還に注意

返還を忘れると交付規程違反になるおそれ:消費税の課税事業者が補助対象経費を税込で申請していた場合、仕入税額控除で戻ってくる消費税分は「もらいすぎ」となり、事務局への報告・返還が必要です。実績報告や消費税額確定後の報告書提出を忘れないようにしましょう。

補助金・助成金は商品やサービスの対価ではないため、消費税の課税対象外(不課税取引)です。会計ソフトでは税区分を「不課税」(対象外)に設定します。

注意したいのが「消費税分の返還(仕入控除税額の報告)」です。税込経費を基準に補助金を受け取り、かつその経費の消費税を仕入税額控除した場合、補助金に含まれる消費税相当分は二重取りになるため、返還を求められることがあります。

  • 返還の対象になり得る人:一般課税(本則課税)の課税事業者で、課税仕入れ(設備費・委託費など)に充てる補助金を税込額ベースで受給した場合
  • 原則対象外:免税事業者・簡易課税事業者、および人件費など不課税取引に充てる雇用関係助成金(キャリアアップ助成金等)
  • 手続きは補助金ごとに「消費税仕入控除税額報告書」等の提出が定められています。交付要綱を必ず確認しましょう

圧縮記帳とは — 法人が使える「課税の繰り延べ」制度

圧縮記帳は、国等の補助金で固定資産を取得した場合に、補助金相当額を「固定資産圧縮損」として損金にし、受給年度の課税を将来に繰り延べる制度です(法人税法42条)。補助金が一度に課税されて「せっかくの補助金が税金で目減りする」のを防げます。

主な適用要件は次の4つです。

  1. 国または地方公共団体等の補助金(国庫補助金等)の交付を受けること
  2. その事業年度末までに返還不要が確定していること
  3. 交付目的に適合した固定資産の取得・改良に充てること
  4. 損金経理(または積立金経理)を行い、確定申告書に明細書を添付すること

数値例:機械1,000万円を補助金500万円で購入した場合

耐用年数10年・定額法(償却率0.100)で試算した、初年度の課税所得への影響の比較です(当サイト試算)。

圧縮記帳なし圧縮記帳あり(直接減額)
補助金の益金算入+500万円+500万円
固定資産圧縮損▲500万円
機械の帳簿価額1,000万円500万円
初年度の減価償却費▲100万円▲50万円
初年度の課税所得への影響+400万円▲50万円
初年度だけで課税所得に450万円の差。ただし2年目以降は償却費が少なくなるため、10年間の合計では同じになります(=繰り延べ)
補助金500万円が益金(課税対象)になるタイミング 圧縮記帳なし:初年度に一括 500万円 圧縮記帳あり:初年度 0円(圧縮損と相殺) 圧縮記帳あり:毎年の償却費減少を通じて(50万円×10年) 毎年50万円ずつ実質課税

直接減額方式と積立金方式の違い

直接減額方式積立金方式
処理方法「固定資産圧縮損」で資産の簿価を直接減額純資産の部に「圧縮積立金」を計上し、償却に応じて取り崩す
資産の帳簿価額圧縮後の金額になる本来の取得価額のまま
事務負担シンプル。中小企業向き申告調整が毎期必要だが、決算書上の資産額を維持できる

個人事業主は「国庫補助金等の総収入金額不算入」を使う

圧縮記帳は法人税法上の制度のため、個人事業主はそのまま使えません。代わりに所得税法42条の「国庫補助金等の総収入金額不算入」で同等の効果が得られます。固定資産の取得・改良に充てた補助金を総収入金額に算入せず、その分だけ資産の取得価額を減額して減価償却する仕組みです。

適用には、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」の添付が必要です。忘れると補助金全額がその年の事業所得等に上乗せされるため、申告前に必ず確認しましょう。

会計ソフトを使えば補助金の経理はぐっと楽になる

補助金の経理は「不課税の税区分設定」「未収入金の管理」「固定資産台帳と連動した圧縮記帳」など、手作業ではミスが起きやすい処理が続きます。クラウド会計ソフトなら税区分の設定と固定資産台帳の連動で、これらを大幅に省力化できます。主要3ソフトの料金や機能の違いは会計ソフト3社比較とデジタル化・AI導入補助金での導入方法で詳しく解説しています。

デメリット・注意点

  • 圧縮記帳は「免税」ではなく「繰り延べ」:2年目以降の償却費が減るため、その分将来の課税所得は増えます。トータルの税額は原則同じです
  • 返還不要が確定するまでは適用できない:確定前に決算を迎える場合は仮受金等での処理を検討し、税理士に相談を
  • 経費補填型の補助金は圧縮記帳の対象外:対象は固定資産の取得・改良に充てた部分のみ。広告費や人件費への補助は通常どおり収入計上します
  • 償却資産税(固定資産税)は圧縮前の取得価額で評価されるのが原則で、圧縮記帳しても安くなりません
  • 申告書への明細書添付が要件です。添付漏れは適用不可につながるため、税理士など専門家への依頼も選択肢です

よくある質問

補助金に消費税はかかりますか?

かかりません(不課税)。ただし一般課税の課税事業者が課税仕入れに充てる補助金を受給した場合、仕入税額控除との二重取りを防ぐため、消費税相当分の返還(仕入控除税額の報告)を求められることがあります。

個人事業主でも圧縮記帳はできますか?

圧縮記帳そのものは法人税法上の制度のため使えませんが、所得税法42条の「国庫補助金等の総収入金額不算入」で同様に課税を繰り延べられます。確定申告書への明細書添付が必要です。

ものづくり補助金や持続化補助金も圧縮記帳の対象になりますか?

国等の補助金のうち固定資産の取得・改良に充てた部分は対象になり得ます。一方、広告宣伝費など経費の補填に充てた部分は対象外です。個々の補助金の交付要綱と充当先で判断します。

圧縮記帳をすれば税金はゼロになりますか?

なりません。受給年度の課税を将来に分散させる「繰り延べ」であり、免除ではありません。2年目以降は減価償却費が減る分、課税所得が増えます。

出典・参考(2026年7月17日時点)

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