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定年後・再雇用で給料が下がったとき【2026年版】高年齢雇用継続給付は最大10%|2025年4月に15%から縮小、64%以下で満額

給与明細を見る60代の男性

60歳で定年を迎え、再雇用で働き続ける。給与は下がる。そのときに雇用保険から出るのが高年齢雇用継続給付です。ただし2025年4月に制度が縮小され、最大支給率は15%から10%になりました。ネット上には旧制度のままの解説が多く残っているため、まず「自分はどちらの世代か」を確かめるところから始めてください。

結論の要点

まず何を
勤務先の担当者に「高年齢雇用継続給付の申請をしたい」と伝える。申請は原則として事業主が行う手続きです。
いつまでに
初回の申請は、最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から4か月以内。以後は原則2か月に一度。
いくら
60歳時点の賃金の64%以下に下がった月は、その月の賃金の10%。64%超75%未満なら10%未満で逓減します。
見落としやすい点
2025年4月以降に60歳になった人は最大支給率が15%から10%に縮小されています。ネット上には旧15%のままの解説が多く残っています。
最大のリスク
会社が申請を失念すると受け取れません。60歳になる前に自分から確認するのが確実です。
目次

2025年4月に何が変わったか

項目2025年3月31日以前に60歳到達2025年4月1日以後に60歳到達
最大の支給率賃金の15%賃金の10%
最大支給率が適用される低下率61%以下64%以下
支給の対象になる低下率75%未満75%未満(変更なし)
老齢厚生年金の支給停止率標準報酬月額の最大6%標準報酬月額の最大4%
出典:ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」(2026年8月7日閲覧)。年金の支給停止率は雇用保険法等の一部を改正する法律(2025年4月1日施行)による。
2025年4月に何がどれだけ縮んだか最大支給率15%(改正前)10%(改正後)満額になる低下率61%以下(改正前)64%以下(改正後)年金の支給停止率最大6%(改正前)最大4%(改正後)
給付そのものは減りましたが、年金の支給停止も同時に緩和されています。手取り全体では単純な15%→10%の目減りにはなりません。

もらえる人の条件|4つすべてを満たすか

  • 60歳以上65歳未満であること
  • 雇用保険の一般被保険者として働いていること
  • 雇用保険の被保険者であった期間が通算5年以上あること
  • 60歳以降の各月の賃金が、60歳時点に比べて75%未満に低下していること

4つすべてを満たす月が支給の対象になります。たとえばハローワークの例では、60歳時点の賃金が月30万円の人が18万円(60%)に下がった場合、18万円の10%にあたる1万8,000円が支給されます。

損しないポイント

申請しないともらえないお金・過ぎると損する期限

  1. 初回申請は「支給対象月の初日から4か月以内」。この期限を過ぎると、その分は受け取れなくなります。給付は自動では始まりません。
  2. 六十歳到達時等賃金証明書を出さないと始まらない。60歳時点の賃金額を登録するための書類で、これがないと低下率を計算できません。会社が出し忘れているケースがあります。
  3. 賃金が一定額を超える月は支給されない。ハローワークは、各月の賃金が397,369円を超える場合は支給されないとしています(この額は毎年8月1日に改定されます。申請時点の額を必ず確認してください)。
  4. 雇用保険の加入期間が5年に満たない場合は、5年に達した月から対象になります。60歳時点で足りなくても、あきらめて申請しないのは損です。

あなたの場合はどうなるか|状況別の分岐

60歳以降も同じ会社で継続雇用され、賃金が下がった

もっとも典型的なケースです。高年齢雇用継続基本給付金の対象。会社経由で申請します。60歳到達時の賃金と、各月の賃金を比べて低下率を判定します。

いったん退職して基本手当(失業給付)をもらい、60歳以降に再就職した

高年齢再就職給付金のほうです。就職日の属する月から1年または2年を経過する日の属する月まで(65歳に達する月が上限)。基本手当の支給残日数によって期間が変わります。

昭和40年(1965年)4月1日以前に生まれた

2025年3月31日以前に60歳に達しているため、従来の15%の支給率が続きます。縮小の影響を受けません。

老齢厚生年金も同時に受け取っている

年金の一部が支給停止されます。ただし2025年4月以降の新規受給者は停止率が標準報酬月額の最大6%から最大4%へ緩和されました(改正時点ですでに受給していた人は6%のまま)。

60歳時点で雇用保険の加入が5年未満

5年に達した月から支給対象期間が始まります。転職が多かった人は、加入期間の通算を先にハローワークで確認してください。

手続きの流れ|60歳前から65歳まで

60歳になる3か月前

会社に給付の予定を確認する

就業規則の再雇用後の賃金水準を確認し、担当者に「高年齢雇用継続給付の手続きをお願いしたい」と伝えておきます。ここが実質の起点です。

60歳到達時

六十歳到達時等賃金証明書を提出

60歳時点の賃金月額を登録する書類。初回申請時に受給資格を確認するために必要です。先に受給資格確認票だけ出しておくこともできます。

賃金が75%未満に下がった月

ここが「支給対象月」の1か月目

この月から給付の対象になります。賃金が戻れば対象外の月が出るなど、月ごとの判定です。

支給対象月の初日から4か月以内

初回の支給申請(期限)

最大の期限です。過ぎると受け取れません。提出先は事業所の所在地を管轄するハローワーク。電子申請も可能です。

以後2か月に一度

指定された支給申請月に申請

ハローワークから交付される「次回支給申請日指定通知書」に日付が印字されています。

65歳に達する月

支給終了

高年齢雇用継続基本給付金の支給対象期間は、60歳に達した月から65歳に達する月までです。

現場で詰まりやすいところ

制度の条文には書かれていない、実務でつまずきやすい点を整理します。

  • 申請するのは原則として会社です。本人が希望すれば自分でも申請できますが、賃金台帳や出勤簿の写しが必要になるため、結局は会社の協力が要ります。小規模な事業所ほど「そんな制度があるのを知らなかった」という取りこぼしが起きます。
  • 賞与は「賃金」に含まれません。低下率の判定に使うのは各月の賃金です。年収ベースで考えると判定を誤ります。
  • 月ごとの判定なので、支給される月とされない月が混在します。残業が多かった月だけ75%以上に戻り、その月は不支給というのはよくあることです。
  • 上限額は毎年8月1日に改定されます。前年の記事や社内資料の数字がそのまま残っていることがあるため、申請の年の額を確認してください。
  • 年金の支給停止は自動で行われます。給付を申請したあとで年金額の通知が変わり、驚くケースがあります。先に併給の影響を把握しておくと安心です。

相場観と編集部の価値判断

編集部の見方:この給付を前提に賃金交渉をしないほうがいい

再雇用の条件提示で「給付金が出るので手取りはそこまで下がりません」と説明されることがあります。数字としては間違いではありませんが、判断材料としては弱いと考えています。理由は3つです。

  • 給付は賃金の10%が上限で、賃金が4割下がった分を埋めるものではありません。
  • 年金を受け取り始めると、年金側が一部止まります。給付と年金は足し算になりません。
  • 支給は65歳に達する月まで。その後は給付なしの賃金水準がそのまま続きます。

堅実に済ませたい人は、給付を「下がった分の一部が戻る保険」と位置づけ、賃金そのものの水準で再雇用条件を判断する。収入を最大化したい人は、賃金を64%以下に設定して給付を満額取りにいく設計もありえますが、賃金が下がれば将来の年金額も下がります。目先の10%と、その後20年以上続く年金額のどちらを取るかという話になります。ここは価値観の問題で、正解は一つではありません。

よくある質問

高年齢雇用継続給付は廃止されるのですか?

2025年4月1日から支給率が15%から10%に引き下げられました。将来的な取り扱いについては、申請時点でハローワークまたは厚生労働省の公表内容をご確認ください。本記事は2026年8月7日時点で公表されている内容にもとづいています。

自分で申請することはできますか?

できます。ハローワークは、原則として事業主が提出するとしたうえで、被保険者本人が自ら申請手続を行うことを希望する場合は本人が申請することも可能としています。ただし賃金台帳や出勤簿など、会社が保管する書類の添付が必要です。

年金と両方もらえますか?

両方受け取れますが、老齢厚生年金の一部が支給停止されます。2025年4月1日以後に高年齢雇用継続給付を受け始めた人の停止率は標準報酬月額の最大4%です(それ以前から受給している人は最大6%のまま)。

65歳を過ぎても受け取れますか?

受け取れません。高年齢雇用継続基本給付金の支給対象期間は、60歳に達した月から65歳に達する月までです。

賃金が下がった月と下がらない月がある場合はどうなりますか?

月ごとに判定します。75%未満に低下した月だけが支給の対象になり、そうでない月は支給されません。

あなたの体験を聞かせてください

この手続きで「実際はこうだった」「ここでつまずいた」という経験があれば、体験談募集フォームから教えてください。許諾をいただいたものだけ、出所を明示して記事に反映します。

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出典・基準日

基準日:2026年8月7日。支給率・上限額・支給停止率は法改正や毎年8月1日の改定で変わります。申請の前に必ず公式情報でご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の支給可否を保証するものではありません。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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