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退職後の住民税と保険料の減免【2026年版】国民年金は失業特例で所得を問わず免除・国保は前年給与所得を3割とみなす軽減|住民税だけは請求が続く

自宅のダイニングで封筒を見る50代の日本人男性

退職後は、退職日の翌日から14日以内に国民健康保険の加入と国民年金(第1号)への切替を届け出ます。失業を証明できれば国民年金は特例免除の審査を受けられ、住民税は前年の所得に対してかかるため退職後も納付が残ります。以下、期限と減免の条件を順に整理します。

結論の要点|まず何を・いつまでに・いくら

  • いつまでに:退職日の翌日から14日以内に、市区町村の窓口で国民健康保険の加入と国民年金(第1号)への切替を届け出る。
  • 国民年金:失業を証明できれば「失業等による特例免除」で本人の前年所得を問わず免除・猶予の審査が受けられる。令和8年度の保険料は月17,920円(年215,040円)。
  • 国民健康保険:会社都合・雇止めなどで離職した65歳未満の人は前年の給与所得を100分の30とみなす軽減。届出をしないと適用されない。
  • 住民税:減らす制度は国の一律ではない。前年の所得に対する課税なので、無職でも請求は続く。払えないときは市区町村の納税相談へ。
  • 取り返せる期限:国民年金の免除申請は納付期限から2年(申請時点の2年1か月前まで)さかのぼれる。

基準日:2026年7月31日/出典は記事末尾に記載しています。

退職して収入が止まったあと、追いかけてくるように届くのが住民税の納付書と国民健康保険料・国民年金保険料の請求です。「働いていないのに、なぜこの金額なのか」と驚く人は少なくありません。理由は単純で、住民税と国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるからです。

ただし、3つのうち国民年金と国民健康保険には「申請すれば負担が下がる制度」があります。どちらも自動では適用されず、自分で申請・届出をした人だけが対象です。この記事では、退職後にやってくる3つの負担を整理し、どれをいつ・どこで手続きすれば下げられるのかを時系列でまとめます。健康保険そのものの選び方(任意継続・国保・家族の扶養)は退職後の健康保険3択の選び方で、失業給付の手続きは失業給付のもらい方で扱っています。

目次

退職後に届く3つの請求と、下げられる/下げられないの違い

項目 国民年金保険料 国民健康保険料 住民税
負担を下げる制度 あり(免除・納付猶予) あり(非自発的失業者軽減) 国の一律制度はなし
離職理由の条件 問わない(失業の事実が確認できればよい) 会社都合・雇止め等に限る(離職理由コードで判定) —
下がり方 全額/4分の3/半額/4分の1免除、または納付猶予 前年の給与所得を100分の30とみなして再計算 減免は自治体の条例次第。徴収猶予・分割は相談可
窓口 市区町村の国民年金担当/年金事務所/電子申請 市区町村の国民健康保険担当(郵送可の自治体も) 市区町村の税務担当・納税相談窓口
やらないと 未納扱い。障害・遺族基礎年金が受けられない場合がある 軽減前の保険料のまま請求される 延滞金・滞納処分の対象になりうる

※制度の詳細・呼び方は自治体によって異なります。金額や条件は必ずお住まいの市区町村・年金事務所でご確認ください。

退職後の手続きタイムライン|期限×やること

順番を間違えると詰まります。とくに「離職票が届く→ハローワーク→受給資格者証→国保の軽減届出」という依存関係があるため、国保の軽減だけは書類がそろうまで手続きできません。先に14日以内の切替だけ済ませておくのが正解です。

退職日

健康保険証を会社に返却。この日から会社の健康保険・厚生年金の資格を失います。翌日からが「14日以内」のカウント開始日です。

退職日の翌日から14日以内【最優先】

市区町村の窓口で国民健康保険の加入届と国民年金の第1号被保険者への種別変更を行います。任意継続や家族の扶養に入る場合は国保の加入は不要ですが、国民年金の切替は必要です(配偶者の扶養に入る場合を除く)。

退職後およそ10日〜2週間

会社から雇用保険被保険者離職票-1・離職票-2が届きます。これが失業給付・年金免除・国保軽減のすべての起点です。2週間を過ぎても届かないときは会社に督促し、それでも出ない場合はハローワークに相談できます。

離職票が届いたらすぐ

ハローワークで求職の申込みと雇用保険の受給手続き。ここで離職理由コードが確定します。国保の軽減が使えるかどうかはこのコードで決まるため、会社の記載内容に納得できないときはこの時点で申し出てください。

離職票のコピーが用意できたら

国民年金保険料の免除・納付猶予を申請。離職票または雇用保険受給資格者証のコピーを添えれば「失業等による特例免除」として、本人の前年所得を問わず審査してもらえます。市区町村の国民年金窓口・年金事務所・郵送・電子申請のいずれでも可能です。

雇用保険受給資格者証(受給資格通知)が出たら

市区町村に非自発的失業者の国民健康保険料軽減を届け出。離職理由コードが対象(特定受給資格者11・12・21・22・31・32/特定理由離職者23・33・34)で、離職日時点65歳未満であることが条件です。

毎年6月ごろ

住民税の納付書が自宅に届きます。普通徴収は原則として年4期(6月・8月・10月・翌年1月)。前年の所得に対する課税なので、退職した年の翌年がいちばん重くなります。払えないときは放置せず、納期限前に市区町村の納税相談窓口へ。

再就職して収入が戻ったら(10年以内)

免除・猶予を受けた期間の保険料は10年以内なら追納できます。ただし承認された期間の翌年度から起算して3年度目以降は加算額が上乗せされるため、早いほど有利です。

損しないポイント|申請しないと1円も戻らないもの

⚠ ここを外すと、あとから取り返せません

  1. 「払えないから放置」は未納。免除申請とはまったく別物です。免除が承認された期間は老齢基礎年金の受給資格期間に算入され、全額免除でも満額納付した場合の2分の1が年金額に反映されます。一方、未納期間は受給資格期間にも年金額にも入りません。
  2. 未納のままだと、障害基礎年金・遺族基礎年金が受けられないことがあります。病気やけがをしてから、さかのぼって免除申請をしても、障害基礎年金の保険料納付要件には算入されません。
  3. 国保の非自発的失業者軽減は「届出制」です。ハローワークで受給手続きをしても、市区町村へ届け出なければ保険料は下がりません。軽減は保険料の計算だけでなく、高額療養費の所得区分判定にも適用されます。
  4. 国民年金の免除は2年1か月前までさかのぼれます。「もう何か月も未納にしてしまった」という場合でも、納付期限から2年を過ぎていない期間なら申請できます。気づいた時点ですぐ窓口へ。
  5. 住民税だけは自動では下がりません。減免制度は自治体の条例によるもので、全国一律ではありません。ただし納付が困難な事情がある場合の徴収猶予や分割納付は相談できます。督促を無視すると延滞金が積み上がります。

数字で見る|免除区分ごとに実際に納める国民年金保険料(令和8年度・月額)

納める保険料(月額)/満額は17,920円 免除なし17,920円 4分の1免除13,440円 半額免除8,960円 4分の3免除4,480円 全額免除0円 出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」/令和8年度

全額免除なら月17,920円・年215,040円の支出がゼロになります。ただし年金額への反映は満額納付の2分の1です。「免除=丸ごと得」ではなく、将来の年金を半分残しながら、いまの支出を止める制度と理解しておくと判断を誤りません。なお納付猶予(20歳以上50歳未満が対象)は受給資格期間にはカウントされますが、年金額には一切反映されません。この差は小さくないので、承認通知が届いたら「免除」か「猶予」かを必ず確認してください。

あなたの場合はこう|パターン別の分岐

会社都合・雇止めで辞めた場合

3つとも手を打てる、いちばん有利なパターンです。国民年金は失業等による特例免除、国民健康保険は非自発的失業者軽減(前年の給与所得を100分の30とみなす)を両方申請できます。軽減期間は離職日の翌日が属する月から、その月が属する年度の翌年度末までなので、最大で約2年間続きます。離職日が3月なら年度末が直後に来るため実質1年強、4月なら約2年と、離職月によって恩恵の長さがかなり変わります。

自己都合で辞めた場合

国保の軽減は原則使えませんが、国民年金の免除は検討できます。日本年金機構が示す失業等による特例免除の要件は「失業・倒産・事業の廃止などの事実が確認できること」であり、離職理由コードによる線引きは示されていません。離職票のコピーを持って窓口で相談してみる価値はあります。国保のほうは、軽減が使えなくても自治体独自の減免制度がある場合があるので、あわせて確認してください。

配偶者や親と同じ世帯に住んでいる場合

ここが最大の落とし穴です。国民年金の免除審査は、本人だけでなく世帯主と配偶者の前年所得も見ます(納付猶予は本人と配偶者)。失業特例で本人の所得が外れても、同居している親(世帯主)や配偶者の所得が基準を超えていれば承認されません。「失業したのだから当然通る」と思って申請し、不承認通知が届いて驚くケースはここに集中します。世帯を分けているかどうかで結論が変わるため、事前に窓口で見込みを聞いておくと無駄がありません。

1月〜5月に退職した場合/6月〜12月に退職した場合(住民税)

1月〜5月退職は、その年度の5月分までの住民税を最後の給与や退職金からまとめて差し引かれるのが原則です。手取りが想定より大きく減るため、退職前に「いくら引かれるか」を給与担当に確認しておくと資金繰りを崩しません。6月〜12月退職は、残りを自分で納める普通徴収に切り替わるのが基本で、納付書が届きます。普通徴収の納期は原則として年4期(6月・8月・10月・翌年1月)ですが、年度の途中で切り替わると期の数が減り、1回あたりの金額が大きくなります。本人の希望で残額の一括徴収を選べる場合もあるため、退職時に会社へ確認しておきましょう。

すぐ次の会社に入る場合

ブランクが1日もなければ、健康保険・厚生年金は新しい会社で切り替わるため、国保・国民年金の手続きは基本的に不要です。ただし退職日と入社日の間に空白の月があると、その月は自分で国民年金を納める必要があります。住民税は、新しい会社に「特別徴収への切替」を依頼すれば給与天引きに戻せます。

現場でつまずくポイントと回避法

制度の条文だけ読んでいてもわからない、実際の窓口・書類まわりのつまずきどころです。以下は自治体・日本年金機構が公表している運用と、体験談として多く語られている内容を編集部で整理したものです(体験談は個人の状況によって異なります)。

  • 離職票が届かないと、ほとんどの手続きが止まります。離職票は会社がハローワークに届け出てから発行されるため、退職日当日にはもらえません。体験談では「退職後10日〜2週間」という声が多く、月をまたぐこともあります。14日以内の国保・国民年金の切替は離職票がなくてもできるので、先に済ませておくのが賢い順番です。
  • 免除の結果は、その場ではわかりません。申請から結果通知(ハガキ)が届くまでおおむね2〜3か月かかります。この間に納付書が届くこともありますが、審査中の分を慌てて納めてしまうと免除の意味がなくなります。窓口で「審査中の扱い」を確認しておきましょう。
  • 失業特例で外れるのは「本人の所得」だけです。申請者本人が退職した場合、特例が適用されるのは本人分のみで、配偶者や世帯主は通常どおり所得審査の対象になります。同居の親が働いている、配偶者に収入があるといったケースで不承認になるのは、ここが理由です。
  • 離職理由コードは自分で確認できます。雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)の「離職理由」欄に記載されています。国保の軽減が使えるかはこの数字次第なので、受け取ったらまず確認を。会社が記載した離職理由に納得できない場合は、ハローワークで自分の主張を申し出ることができます。
  • コピーは表裏・全ページが基本です。受給資格者証は裏面にも情報があり、郵送で届け出る自治体では表裏両面のコピーを求めるのが一般的です。片面だけ送って差し戻される、というのは体験談でよく見かける失敗です。
  • マイナンバーカードがないと、本人確認書類が増えます。カードがない場合は「マイナンバーが確認できる書類」+「運転免許証などの身元確認書類」の2点が必要です。窓口に行く前に手元をそろえておくと出直しを防げます。
  • 前年の税の申告をしていないと、審査が進みません。本人・配偶者・世帯主のうち確定申告も年末調整もしていない人がいる場合は、先に市区町村で住民税の申告をしてから免除申請を出す必要があります。

編集部の価値判断|免除にするか、無理して納めるか

ここからは制度の説明ではなく、判断材料としての整理です。窓口では「とりあえず出しておけば」と言われがちですが、選択肢によって将来の年金額が変わります。押し付けるつもりはありませんので、ご自身の状況に当てはめて読んでください。

考え方 やること 向いている人
堅実に済ませたい まず全額免除を申請して支出を止める。再就職して所得が戻ったら、承認期間の翌年度から2年度以内に追納して満額に近づける(3年度目以降は加算額がつくため)。 数か月〜1年程度で再就職の見込みがある人
生活を優先する 全額免除のまま追納しない。老齢基礎年金は満額の2分の1が確保され、障害・遺族基礎年金の保障も維持される。 再就職の時期が読めない人、生活費を最優先したい人
できるだけ減らしたくない 一部免除(4分の3・半額・4分の1)を選び、減額後の保険料を納める。減額後の保険料を納めないと未納扱いになる点に注意。 退職金などで一定の余裕があり、年金額を落としたくない人

編集部として一点だけはっきり言えるのは、「未納のまま放置する」という選択肢だけは、どの価値観から見ても不利だということです。支出を止めたいなら免除申請、年金を落としたくないなら一部免除、どちらにしても申請するという行動は共通しています。また、追納した保険料は社会保険料控除の対象になるため、所得が戻った年にまとめて追納すると税負担の面でも意味を持ちます(控除の効果は所得によって変わるため、金額は税務署や国税庁の資料でご確認ください)。

住民税については、正直なところ「劇的に下げる方法」はありません。国の一律の減免制度がなく、自治体の条例による減免があるかどうかは地域差が大きいためです。だからこそ退職前に「翌年ぶんの住民税をいくら払うことになるか」を計算して、その分を確保しておくのが最も確実な対処になります。すでに払えない状況なら、督促を待たずに納税相談へ行くほうが結果的に負担は軽く済みます。

よくある質問

自己都合で退職した場合も、国民年金の免除は使えますか?

日本年金機構が示す「失業等による特例免除」の要件は、失業・倒産・事業の廃止などの事実が書類で確認できることであり、自己都合か会社都合かによる線引きは示されていません。雇用保険被保険者離職票のコピーなどを添えて申請できます。ただし国民健康保険料の非自発的失業者軽減のほうは離職理由コードで対象が限られるため、2つの制度で条件が違う点に注意してください。最終的な可否は市区町村の窓口・年金事務所でご確認ください。

退職して収入がなくなれば、住民税も減りますか?

減りません。住民税は前年1年間の所得に対して課税され、翌年6月から納める仕組みだからです。退職した年の翌年がいちばん重くなります。減免は自治体の条例による制度で全国一律ではありませんが、納付が困難な事情がある場合の徴収猶予や分割納付は市区町村の納税相談窓口で相談できます。

国民年金の免除は、どこまでさかのぼって申請できますか?

保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1か月前までの期間)について申請できます。すでに未納になっている期間でも、この範囲内なら救済できる可能性があります。

全額免除にすると、将来の年金はどれくらい減りますか?

全額免除を受けた期間は、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1が反映されます(平成21年3月分までは3分の1)。一方、納付猶予の期間は受給資格期間にはカウントされますが、年金額には反映されません。未納の場合は受給資格期間にも年金額にも算入されません。

国民健康保険の軽減は、いつまで続きますか?

離職日の翌日が属する月から、その月が属する年度の翌年度末までです。軽減されるのは本人の前年の給与所得のみで、営業所得や不動産所得などは対象外です。届出をしないと適用されないため、雇用保険受給資格者証(受給資格通知)を受け取ったら早めに市区町村へ届け出てください。

あなたの体験を聞かせてください

この手続きで「実際はこうだった」「ここでつまずいた」という経験があれば、体験談募集フォームから教えてください。許諾をいただいたものだけ、出所を明示して記事に反映します。

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出典・参考

基準日:2026年7月31日。金額・要件は制度改正や自治体の条例によって変わります。実際の手続きの前に、お住まいの市区町村・年金事務所・ハローワークの公式情報で必ずご確認ください。本記事は編集部が公的機関の公表情報をもとに整理したものであり、専門家による監修は受けていません。個別の判断については、市区町村の窓口や社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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