東京都の創業助成事業(令和8年度)第2回の申請受付は、2026年9月29日(火)10時00分から10月8日(木)23時59分までです。上限400万円・助成率3分の2という条件は創業期の事業者にとって大きいのですが、この制度でつまずく人の多くは「事業計画の中身」ではなく事前準備の段取りで落ちています。この記事は、受付開始までの残り時間から逆算して、いま何に着手すべきかを一覧にした直前チェックリストです。
(本記事の基準日:2026年9月11日(TOKYO創業ステーション公式で再確認)。制度の全体像は東京都の創業助成事業2026 完全ガイドにまとめています)
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結論|いま最優先で動くべきはこの3つ
最優先
申請要件2(指定の創業支援事業の利用)。公社は「満たすには概ね3か月以上かかる」と明記しています。未着手なら、まずここ。
同時並行
GビズIDプライムの取得。申請はJグランツのみ。発行の審査に1か月程度かかる場合があります。
すぐ着手できる
申請書の作成。第2回の申請書は2026年6月16日にすでに公開済みです。待つ理由はありません。
助成限度額:上限400万円・下限100万円/助成率:3分の2以内/助成対象期間:交付決定日から6か月以上・最長2年(公益財団法人東京都中小企業振興公社)
受付開始(9月29日10時)までの逆算カレンダー
左の色は着手の緊急度です(赤=いま動かないと間に合わない)。
いますぐ(7月下旬〜8月上旬)
申請要件2に着手する
指定された創業支援事業のいずれかを利用していることが申請の必須要件です。公社は「【申請要件2】を満たすには概ね3か月以上かかります」と案内しています。7月末に着手すると受付開始の9月29日にはぎりぎり、あるいは間に合わない可能性があります。まずどの支援を使うかを決め、申込みだけでも今週中に済ませてください。
8月上旬
GビズIDプライムを申請する
申請方法はJグランツ(電子申請)のみで、窓口持参・郵送・メールは受け付けられません。Jグランツを使うにはGビズIDプライムのアカウントが必要で、発行に審査で1か月程度かかる場合があります。創業前の個人でも取得できるので、迷ったら公社に相談してください。
8月中〜9月上旬
申請書を作り込む
令和8年度第2回の申請書(ZIP)は2026年6月16日に公開済みです。募集要項の説明動画も7月22日に公開されています。締切直前に着手すると、後述する「書類の不備」で機械的に落ちます。
9月中旬
電子マニュアルを確認し、PDF化を済ませる
第2回の申請者用電子マニュアルは9月中旬ごろ公開予定とされています。提出データはPDF形式に変換する必要があり、Word・Excelのまま出して文字化けしても、受理したデータで審査されます。
9月29日(火)10:00
申請受付開始。早めに出す
締切日はJグランツへのアクセス集中が予想されると公社が明記しています。初日から数日以内の提出を目標にしてください。
10月8日(木)23:59
締切。1分でも過ぎたら受理されない
申請期間内に提出を完了する必要があります。締切を過ぎた書類は受理されません。
創業期こそ記帳を後回しにしない
創業助成事業は交付決定後に、経費の証憑と帳簿の提出を求められます。開業直後から会計ソフトで記録しておくと、実績報告にかかる手間が大きく変わります。
▶ 確定申告のやり方 完全ガイド【2026年版】
▶ 消費税の確定申告のやり方(インボイス登録者向け)
準備にかかる期間の目安
「間に合うか」を日数で見る(2026年9月11日時点)
要件2にかかる期間(概ね3か月以上)が、受付開始までの残り日数を上回っています。今から要件2に着手する場合、第2回に間に合わない可能性が高いという前提で動いてください。
2026年9月11日時点の注意点(公社サイトで確認)
- 第2回の申請者用電子マニュアルは「9月中旬ごろ公開予定」。公開時点では第1回のマニュアルしか出ていないため、様式や入力項目は公開後に必ず読み直す。
- 申請書(令和8年度第2回)は6月16日に公開済み。受付開始を待たずにダウンロードして書き始められる。
- 申請要件2(指定の創業支援事業の利用)は概ね3か月以上かかる。9月時点で未着手なら第2回は要件を満たせない可能性が高く、次回募集を前提に動くほうが確実。
出典:TOKYO創業ステーション「創業助成事業」(2026年9月11日確認)
書類審査で落ちる6つの不備|提出前チェックリスト
公社は「下記のような不備に該当する場合、原則として書類審査で不通過となります」として、不備が多いポイントを公表しています。事業計画の出来以前の問題でここに落ちるのは、あまりにもったいない部分です。提出前に1つずつ確認してください。
申請書(Excel)の一部しかPDF化していない
シートの漏れやページの見切れが起きやすい箇所です。PDF化したあと、全シート・全ページが入っているかを必ず開いて確認します。
確定申告書の添付書類が足りない
確定申告書の提出が必要な場合、貸借対照表や損益計算書などの一部が抜けているケースが多いと案内されています。
登記情報サービスの出力を出してしまっている
法人の場合、インターネットで取得した登記情報ではなく、国内の法務局で発行した、発行後3か月以内の履歴事項全部証明書が必要です。
納税証明書の種類・年度を間違えている
領収証書を出してしまう例、税金の種類や年度を誤る例が多いとされています。法人税や所得税など、国税の納税証明書を求められるケースが多くなっています。
創業支援事業の利用を証明する書類が所定のものと違う
指定された支援を実際に利用していても、証明書類が募集要項の指定と異なると原則として不通過になります。
指定様式以外の添付資料を使っている
「反社会的勢力排除に関する誓約事項(申請書別紙)」など、公社指定の様式を使う必要があります。
そもそも申請できない5つのケース
| 該当すると申請できないケース | 確認しておくこと |
|---|---|
| 指定された創業支援事業を利用していない | 助成金の申請にあたり、指定されたいずれかの創業支援事業の利用が必要です。支援の一覧は募集要項と公社サイトで確認できます。 |
| 代表者の経営経験が通算5年未満でない | 登記や開業届から5年未満というだけでは足りません。個人事業主・法人の登記上の代表者としての経営経験が通算5年未満である必要があります。雇われ社長や子会社の社長の期間も経営経験に含まれます。 |
| 他の事業者の事業の承継や譲渡にあたる | 他の個人事業主または他の法人の実施事業の承継・譲渡に該当する場合は対象外です。 |
| 法人の本店登記が都内でない | 法人の場合、本店の登記が東京都内にある必要があります。 |
| 個人事業主の納税地が都内でない | 個人事業主の場合、個人事業税の納税地が都内である必要があります。 |
法人の種類にも制限があります。一般社団法人・一般財団法人、事業協同組合、商工組合、有限責任事業組合(LLP)、学校法人、宗教法人、医療法人、社会福祉法人、農事組合法人、特定目的会社、任意のグループは対象外で、申請できるのは中小企業基本法上の「会社」に該当する法人です。個人開業医、風俗関連業・ギャンブル業なども対象外とされています。
税理士に依頼する前に確認
税務相談や申告書の作成は税理士にしかできません。創業期の相談先を探すときも、依頼先が正規の税理士かは公式サイトで検索・確認できます。
▶ 税理士情報検索サイト(日本税理士会連合会・公式)
▶ 経費を一元管理する|法人カードおすすめ比較
損しないポイント|お金の面で見落としやすい4つ
ポイント1 交付決定前に使ったお金は対象にならない
採択決定前に使用した創業時の経費は助成対象外です。助成対象になるのは、交付決定以降、助成対象期間に契約・履行・支払いをしたもの。ただし賃借料・従業員人件費は、助成対象期間前に契約した内容も対象とされています。「先に発注して後から申請」は通りません。
ポイント2 下限100万円がある
助成限度額は上限400万円・下限100万円です。小さすぎる計画だと制度そのものに乗りません。
ポイント3 内訳にも上限がある
事業費および人件費を対象とする助成金は上限300万円、委託費(市場調査・分析費)を対象とする助成金は上限100万円です。しかも事業費を助成対象経費として申請する必要があります。委託費だけを積んだ計画は成立しません。
ポイント4 個人で申請して途中で法人化すると受給できなくなる
創業予定の個人・個人事業主として申請すると、交付決定は個人に対して行われます。助成対象期間中に法人を設立すると、交付決定に付される条件により助成金を受給できなくなります。法人化の予定があるなら、公社が設けている基準日までに設立し所定の書類を出す段取りが必要です。
あなたの場合はこう|状況別の動き方
| あなたの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 創業支援事業をすでに利用済み・GビズIDプライムも取得済み | 第2回の本命です。申請書は6月16日に公開済みなので、いま作り込みに入ってください。9月29日の受付開始から数日以内の提出を目標に。 |
| 創業支援事業は利用中だが、GビズIDがまだ | 8月上旬までにGビズIDプライムを申請してください。発行審査に1か月程度かかる場合があります。創業前の個人でも取得可能です。 |
| 創業支援事業にこれから申し込む | 要件2は概ね3か月以上かかるとされています。9月29日の受付開始まで約2か月なので、第2回は厳しいと見たほうが安全です。ただし利用する支援の種類によって所要期間は変わるため、まず公社に「第2回に間に合うか」を直接確認してください。 |
| 都外に住んでいるが、都内で創業する予定 | 法人なら本店登記が都内、個人事業主なら個人事業税の納税地が都内であることが要件です。居住地ではなく事業の拠点で判断されます。 |
| 都内のバーチャルオフィスだけを使っている | バーチャルオフィス以外に都内で実質的に事業を行っている拠点があれば要件を満たすとされています。バーチャルオフィスのみでは足りません。 |
| 創業から5年を超えている | 対象外です。日本政策金融公庫の創業融資など、別の資金調達手段を検討してください。 |
現場でつまずくのはここ
締切日にJグランツが重くなる
公社自身が「締切日はJグランツへのアクセス集中が予想され、書類の提出に時間がかかる可能性があります」と注意喚起しています。電子申請では、アップロードの途中で時間切れになると提出そのものが成立しません。10月8日の23時59分をゴールに設定するのは危険です。
PDF化を最後に回して事故を起こす
Excelの申請書をPDFにする作業は単純に見えて、シートの取りこぼしとページの見切れが頻発します。しかも「PDF以外で提出して文字化けやデータ破損で内容が確認できない場合であっても、受理したデータ等で審査を行います」と明記されています。つまり、こちらのミスは救済されません。提出の3日前にはPDF一式を完成させ、別の端末で開いて目視確認してください。
証明書類の「発行から3か月以内」で切れる
履歴事項全部証明書は発行後3か月以内のものが必要です。早く準備しすぎて、提出時点で期限切れになるという逆パターンの失敗があります。取得は8月下旬から9月上旬が目安です。
電子申請のサポートは受けられない
公社は「申請フォームの入力、申請書類のPDF化、アップロード等、電子申請に必要な作業についてのサポートは行っておりません」としています。JグランツやGビズIDの操作に不安がある場合は、GビズIDヘルプデスクに早めに問い合わせておくのが現実的です。
創業期の資金繰りを整える
創業助成事業は原則として精算払いで、経費の支払いが先に立ちます。経費管理と資金繰りの手段をあわせて見直しておくと、立ち上がり期の資金ショートを防げます。
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間に合わないと判断したときの動き方(編集部の見方)
この制度は要件を整えるのに時間がかかる設計になっています。無理に第2回へ突っ込んで、要件不足や書類不備で不通過になるより、次の募集を本命に据えたほうが期待値は高いと考えています。判断材料として2つの型を置きます。
堅実に狙うなら
第2回は見送り、いまから創業支援事業の利用とGビズIDプライムの取得を済ませて、次回募集を本命にする。空いた時間で事業計画を練り込めるので、書類の完成度は確実に上がります。創業助成は毎年度2回程度の募集が続いているため、待つコストは大きくありません(次回の日程は公社の発表を確認してください)。
それでも第2回を狙うなら
まず公社の創業支援課(03-5220-1142/平日10〜17時)に電話し、自分が使う予定の創業支援事業で9月29日までに要件2を満たせるかを確認する。ここが「可能」なら走る価値があります。同時に、資金の手当てを助成金だけに賭けないこと。助成金は後払いなので、つなぎの資金計画は別に用意しておいてください。
助成金が後払いであることの意味は補助金はいつもらえる?申請から入金までの流れで、事業計画書の書き方は事業計画書の書き方で詳しく解説しています。
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よくある質問(FAQ)
令和8年度第2回の申請受付はいつですか?
2026年(令和8年)9月29日(火)10時00分から10月8日(木)23時59分までです。申請方法は電子申請(Jグランツ)のみで、窓口への持参・郵送・電子メールでの提出は受け付けられません。
いくらもらえますか?助成率は?
助成限度額は上限400万円・下限100万円、助成率は3分の2以内です。内訳として、事業費および人件費を対象とする助成金は上限300万円、委託費を対象とする助成金は上限100万円で、事業費を助成対象経費として申請する必要があります。
いまから準備して第2回に間に合いますか?
申請要件のひとつである指定の創業支援事業の利用については、公社が「満たすには概ね3か月以上かかります」と案内しています。2026年7月下旬時点で未着手の場合、第2回は厳しい可能性があります。利用する支援によって期間が異なるため、公社の創業支援課に直接確認してください。
GビズIDはいつまでに取ればいいですか?
Jグランツの利用にはGビズIDプライムのアカウントが必要で、発行に審査で1か月程度かかる場合があります。9月29日の受付開始に間に合わせるには、8月上旬までの申請が安全圏です。創業前の個人でも取得できます。
申請前に使った創業費用も対象になりますか?
なりません。採択決定前に使用した創業時の経費は助成対象外で、交付決定以降に助成対象期間内で契約・履行・支払いをしたものが対象です。ただし賃借料と従業員人件費については、助成対象期間前に契約した内容も対象とされています。
出典・参考(公式情報)
補助金・助成金の全体像は補助金・助成金ガイドで確認できます。制度の詳細や最新情報は必ず公社の公式ページと募集要項をご確認ください。
