創業時にまとまった資金を低コスト・長期返済で調達したいなら、第一候補は日本政策金融公庫(日本公庫)の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内で、元金返済を待ってもらえる据置期間は最長5年。創業期(税務申告2期未了)の方は原則として無担保・無保証人で利用でき、契約時の金利が完済まで変わらない固定金利です。この記事では、対象者・金利・自己資金の目安・審査期間・申請の流れ・補助金との併用のコツまで、公庫の公式情報にもとづいてわかりやすく解説します(基準日:2026年7月24日)。
この記事のポイント
- ✓ 限度額7,200万円・設備20年/運転10年・据置最長5年。創業融資では国内最有力の選択肢
- ✓ 対象はこれから創業する方〜開業後おおむね7年以内。個人・法人どちらも申込み可
- ✓ 制度上の自己資金要件はないが、創業資金総額の自己資金割合は平均2割程度(公庫調査)
- ✓ 審査は平均3週間程度。補助金は後払いなので「先に融資で確保→補助金を併用」が定石
創業資金の調達を検討中の方へ
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新規開業・スタートアップ支援資金とは?
新規開業・スタートアップ支援資金は、日本政策金融公庫(国民生活事業)が扱う創業者向けの融資制度です。「新たに事業を始める方」または「事業開始後おおむね7年以内の方」が対象で、店舗・機械などの設備資金と、仕入・人件費などの運転資金に使えます。かつての「新創業融資制度」や「新規開業資金」は廃止・整理され、現在はこの制度に統合されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方 |
| 資金使途 | 創業のため/創業後に必要な設備資金・運転資金(資本金の払込みには使えません) |
| 融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
| 返済期間 | 設備資金20年以内/運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内) |
| 金利 | 固定金利。基準利率(要件を満たすと特別利率A〜C)。最新の利率は公庫「金利情報」ページで要確認 |
| 担保・保証人 | 希望を聞きながら相談。創業期(税務申告2期未了)は原則無担保・無保証人 |
| 併用できる特例 | 経営者保証免除特例制度/創業支援貸付利率特例制度/賃上げ貸付利率特例制度 |
金利はどのくらい?特別利率が適用される条件
金利は契約時の利率が完済まで適用される固定金利で、原則は基準利率です。ただし次のような要件に当てはまると、土地取得資金を除いて低い「特別利率」が適用されます。利率の実数値は金融情勢により毎月見直されるため、申込前に必ず公庫の金利情報ページで最新値を確認してください。
- 女性の方、35歳未満または55歳以上の方:特別利率A
- 認定特定創業支援等事業(創業塾・創業セミナー等)の証明書を取得した方:特別利率A(女性・35歳未満・55歳以上なら特別利率B)
- 中小会計を適用し、認定経営革新等支援機関(税理士・公認会計士等)の指導・助言を受けている方:特別利率A
- Uターン等により地方で創業する方:特別利率A(過疎地域は特別利率B)
- VC等から出資を受けている方や、技術・ノウハウに新規性がある方:特別利率B〜C など
さらに創業期の方は、利率が引き下げられる「創業支援貸付利率特例制度」を併用できます。認定支援機関の関与で特別利率を狙う方法は補助金に強い税理士・専門家の探し方も参考にしてください。
他の創業向け資金調達との比較
創業時の主な借入手段は、公庫のほかに制度融資(信用保証協会の保証付き融資)、マル経融資、民間のビジネスローンがあります。結論として、これから創業する方・開業まもない方は公庫が第一候補です。
| 制度 | 限度額 | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 | 7,200万円(うち運転4,800万円) | 固定金利・設備20年/運転10年・据置5年。創業期は原則無担保無保証。審査は平均3週間程度 | これから創業〜開業7年以内の方全般 |
| 制度融資(保証協会付き) | 創業関連保証3,500万円 | 自治体・金融機関・保証協会の三者連携。自治体による利子補給・保証料補助がある場合も | 自治体の優遇がある地域で創業する方 |
| マル経融資 | 2,000万円 | 無担保・無保証人・低利。ただし商工会議所等の経営指導(原則6ヵ月以上)と1年以上の事業実績が必要 | 開業1年以上で商工会議所の指導を受けている方 |
| 民間ビジネスローン | 商品により異なる | 審査スピードが速い一方、金利は公的融資より高め。創業直後は利用できない商品も多い | 急ぎのつなぎ資金が必要な方 |
比較の結論:創業期は公庫が第一候補
限度額・返済期間・金利のバランスで、公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が最も使いやすい選択肢です。公式サイトで申込条件をチェックしましょう。
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どれを選ぶべき?30秒判断チャート
補助金と創業融資は併用できる?(後払い対策の定石)
補助金と創業融資の併用は可能で、むしろ王道の組み合わせです。補助金は「採択→事業実施→実績報告→入金」という流れのため、お金が入るのは経費を自分で立て替えた数ヵ月後。手元資金が薄い創業期こそ、先に融資で資金を確保しておき、補助金で後から回収する設計が安全です。融資と補助金の性質の違いは融資と補助金の違いと併用のしかたで詳しく解説しています。
なお、公庫の融資は事業資金(設備資金・運転資金)が対象で、法人設立時の資本金の払込みには使えません。会社設立にかかる初期費用は会社設立の費用まとめを参考に自己資金で準備しましょう。自分が使える補助金・助成金は補助金・助成金 完全ガイドから探せます。
申請の流れと必要書類(審査は平均3週間程度)
メリット・デメリットを正直に
✅ メリット
- 限度額7,200万円・返済最長20年と条件が手厚い
- 固定金利で返済計画が立てやすい
- 創業期は原則無担保・無保証人
- 据置期間最長5年で開業直後の資金繰りが楽
- 女性・若者・シニア等は特別利率で更に低利
⚠ デメリット・注意点
- 審査があり、希望額どおり借りられるとは限らない
- 創業計画書の作り込みが必須(実現性を厳しく見られる)
- 入金まで平均3週間程度かかり、即日調達には不向き
- 資本金の払込みなど事業資金以外には使えない
- あくまで借入。返済不要の補助金とは役割が異なる
⚠ 審査でつまずきやすいポイント:創業予定地が未定のままでは申込みできません(売上・経費の予測が立たないため)。また、自己資金がまったくないケースや、創業計画の数字に根拠がないケースは厳しく見られます。公庫の調査では創業資金総額に占める自己資金の割合は平均2割程度。計画書づくりに不安があれば認定支援機関(税理士等)のサポートを検討しましょう。
よくある質問
自己資金はいくら必要ですか?
制度上の自己資金要件はありません。ただし公庫は「自己資金は重要な要素のひとつだが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要」としています。公庫の新規開業実態調査では、創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度です。
審査にはどのくらい時間がかかりますか?
公庫によると、申込みから融資決定までは平均3週間程度です。融資条件によってはさらに時間がかかる場合もあるため、開業予定日から逆算して1〜2ヵ月の余裕をもって申し込むのが安全です。
補助金と創業融資は併用できますか?
併用できます。補助金は原則後払いのため、先に融資で開業資金を確保し、採択された補助金で後から資金を回収する組み合わせが一般的です。ただし公庫融資は資本金の払込みには使えない点に注意してください。
個人事業主でも法人でも利用できますか?
どちらも利用できます。公庫は「融資申込について個人と法人とで大きな違いは特にない」としており、どちらが有利ということもありません。法人の場合は履歴事項全部証明書(登記簿謄本)が追加で必要になる程度です。
まずは無料相談から始めましょう
創業計画書のひな型や記入例も公式サイトで無料公開されています。審査は平均3週間程度なので、開業スケジュールが決まったら早めの相談がおすすめです。
相談・申込みは無料/固定金利/創業期は原則無担保・無保証人。オンライン申込みにも対応しています。
出典・参考情報
※本記事の内容は2026年7月24日時点の公表情報にもとづきます。制度・利率は変更される場合があるため、申込前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。関連記事:補助金・助成金 完全ガイド/制度融資とは/マル経融資とは
