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両立支援等助成金は、仕事と育児・介護等を両立できる職場環境づくりを行う事業主を支援する制度です。2026年(令和8年)4月から4つのコースで制度改正があり、対象事業主の範囲が広がり、新しい助成メニューと加算が追加されました。とくに大きいのは、介護休暇の有給化が独立した助成金になり1回限り30万円が支給される点と、育休中等業務代替支援コースに「1年以上」の区分ができて81万円(プラチナくるみん認定事業主は99万円)が支給される点です。
この記事のポイント
- ✓ 令和8年4月から4コースが改正(出生時両立支援/介護離職防止支援/育休中等業務代替支援/柔軟な働き方選択制度等支援)
- ✓ 「特定事業主」の枠が拡大。業種を問わず常時雇用する労働者300人以下が対象に
- ✓ 介護休暇の有給化が独立し、要件を満たせば1回限り30万円
- ✓ 要件を満たした日によっては令和7年度以前の支給要領が適用される点に注意
本記事は2026年7月18日時点で、厚生労働省および都道府県労働局の公式ページを確認して作成しています。金額・要件は改正されることがあるため、申請前に必ず厚生労働省の公式ページと最新の支給要領をご確認のうえ、管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)へお問い合わせください。
まず注意:制度名の表記が混在しています
厚生労働省の案内ページは、2026年7月18日時点で見出しが「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」となっています。一方で、同じページのタイトル表記や各都道府県労働局のページ、令和8年度の支給申請の手引きでは「両立支援等助成金」という名称が使われており、表記が混在している状態です。
検索する際は「両立支援等助成金」で探せば公式情報にたどり着けます。コース名(出生時両立支援コースなど)は変わっていないため、コース名で検索するのが確実です。
令和8年度改正で追加・変更された金額
今回の改正で公式に金額が示されたものを並べると、次のようになります。金額の大きさより「自社が該当するか」で判断してください。
※上記は改正で新設・変更された部分の金額です。各コースには従来からの支給額・加算が別途あります。コース全体の支給額は、必ず最新の支給要領・リーフレットでご確認ください。
※改正で新設・変更された部分の金額です。コース全体の支給額は別途あります。
助成金の入金は「雑収入」で計上する
両立支援等助成金は、原則として支給が決定した事業年度の雑収入として計上します。会計ソフトで勘定科目と計上時期を先に決めておくと、決算期をまたぐ入金でも処理がぶれません。
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コース別の改正点
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 「男性育休取得率の上昇等(旧第2種)」の支給対象事業主が、業種にかかわらず常時雇用する労働者が300人以下の事業主(特定事業主)に拡充されました。これまで対象外だった業種の企業も使える可能性があります。
- 男性育休取得率の算定にあたり、事実婚状態の男性労働者の育児休業も対象になりました。
介護離職防止支援コース
- 介護両立支援制度のうち「①所定外労働の制限制度」「②深夜業の制限制度」が制度メニューから削除されました。これらを前提に計画していた場合は組み立て直しが必要です。
- 介護休暇制度の有給化が独立した助成金になりました。有給の介護休暇制度を導入し、制度の利用等の要件を満たした事業主に1回限り30万円が支給されます。
- 介護休業および介護両立支援制度について、休業取得者・制度利用者が有期雇用労働者の場合は10万円が加算されます。
育休中等業務代替支援コース
- 手当支給等(育児休業中・短時間勤務)に係る支給対象事業主の労働者数要件が撤廃されました。
- 新規雇用(育児休業)の支給対象事業主が、業種にかかわらず常時雇用する労働者が300人以下の事業主(特定事業主)に拡充されました。
- 手当支給等(育児休業)の業務代替手当について、助成金の算定対象となる手当支給期間が2年間に延長されました。
- 新規雇用(育児休業)において、業務を代替した期間に「1年以上」の区分が新設され、該当する事業主に81万円(プラチナくるみん認定事業主には99万円)が支給されます。
柔軟な働き方選択制度等支援コース
- 障害児等要配慮支援加算が新設されました。障害児や医療的ケア児を養育する労働者が、柔軟な働き方選択制度または子の看護等休暇制度を利用できる期間を18歳になる年度末まで引き上げた場合に20万円が加算されます。
- 子の看護等休暇制度の有給化について、対象労働者が実際に制度を利用したことが支給要件に追加されました。制度を作っただけでは支給されません。
増えた・広がった(申請の余地が生まれた)
- 介護休暇の有給化が独立した助成金に(30万円)
- 新規雇用に「1年以上」区分を新設(81万円/99万円)
- 男性育休取得率の枠が全業種300人以下へ拡充
- 手当支給等の労働者数要件を撤廃
- 障害児等要配慮支援加算を新設(20万円)
消えた・厳しくなった(計画の作り直しが必要)
- 介護の「所定外労働の制限制度」を削除
- 介護の「深夜業の制限制度」を削除
- 子の看護等休暇の有給化は「実際に利用した」ことが要件に追加
編集部の見方:削除された2制度を前提に組んでいた計画は、金額を確認する前に組み立て直しが必要です。
両立支援等助成金のコース一覧
| コース | 対象となる取り組み | 令和8年度改正 |
|---|---|---|
| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) | 男性労働者の育児休業取得の促進 | あり |
| 介護離職防止支援コース | 仕事と介護の両立支援、介護離職の防止 | あり |
| 育児休業等支援コース | 育児休業の円滑な取得・職場復帰の支援 | ― |
| 育休中等業務代替支援コース | 育休中・短時間勤務中の業務代替体制の整備 | あり |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 柔軟な働き方を選べる制度の導入・利用促進 | あり |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療・女性の健康課題と仕事の両立支援 | ― |
このほかに事業所内保育施設コースがありますが、平成27年度末までに計画認定を受けた事業主が支給対象のため、これから新規に申請することはできません。
⚠ 申請前に必ず確認したい注意点
- 令和7年度以前の支給要領が適用される場合があります。各コースごとに定める支給要件を満たした日等によって、どの年度の要領が適用されるかが変わります。「令和8年度の金額でもらえる」と思い込まないでください。
- 制度を導入しただけでは支給されません。子の看護等休暇制度の有給化のように、対象労働者が実際に制度を利用したことが要件に含まれるものがあります。
- 介護の「所定外労働の制限制度」「深夜業の制限制度」は制度メニューから削除されました。これらを想定した計画は見直しが必要です。
- 就業規則等への制度の規定と周知が前提になるコースが多く、申請直前に慌てて整えることはできません。
- 雇用関係助成金共通の要件(不正受給歴、労働保険料の納付、解雇の有無など)も満たす必要があります。
支給申請の添付書類は賃金台帳と出勤簿から作る
支給対象者の賃金額や休業・休暇の期間は、賃金台帳と出勤簿から転記します。給与データを会計ソフト側でも参照できるようにしておくと、転記ミスによる差し戻しを防げます。
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自社が使えるか、どう確かめるか
両立支援等助成金はコースが多く、加算の条件も細かいため、「どのコースに当たりそうか」だけを自分で絞り込み、金額と要件の確定は労働局に確認するのが最短です。相談窓口は各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で、ハローワークではありません。
雇用まわりでは、採用の入口にトライアル雇用助成金、非正規から正社員への転換にキャリアアップ助成金 正社員化コース2026、人材育成に人材開発支援助成金(リスキリング支援コース)があり、両立支援等助成金は「採用した人に辞めてもらわないための制度」という位置づけになります。
補助金と助成金の性質の違いは補助金と助成金の違い【2026年版】、制度全体の探し方は補助金・助成金 完全ガイド【2026年版】にまとめています。
- ☑どのコースに当たりそうか(育児か介護か、代替体制か柔軟な働き方か)
- ☑就業規則等に制度が規定され、労働者へ周知されているか
- ☑対象労働者が実際に制度を利用した実績があるか(制度の導入だけでは不支給)
- ☑支給要件を満たした日がいつか(令和7年度以前の要領が適用される場合がある)
相談先は各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です(ハローワークではありません)。
受給後に備えて証憑の保存先を決めておく
助成金は支給後も関係書類の保存が求められます。会計ソフトに証憑を紐づけて保存しておけば、後から提出を求められても短時間で対応できます。
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よくある質問
両立支援等助成金は名称が変わったのですか?
厚生労働省の案内ページの見出しは、2026年7月18日時点で「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」となっています。ただし同じページのタイトル表記や各都道府県労働局のページ、令和8年度の支給申請の手引きでは「両立支援等助成金」が使われており、表記が混在しています。コース名は変わっていないため、検索する際は「両立支援等助成金」またはコース名(出生時両立支援コースなど)で探すのが確実です。
令和8年度の改正で一番大きい変更は何ですか?
大きく2つあります。1つは介護休暇制度の有給化が独立した助成金になり、要件を満たす事業主に1回限り30万円が支給されることです。もう1つは育休中等業務代替支援コースの新規雇用(育児休業)に「1年以上」の区分が新設され、81万円(プラチナくるみん認定事業主は99万円)が支給されることです。あわせて、対象事業主の範囲が「業種にかかわらず常時雇用する労働者300人以下」へ広がった点も影響が大きい改正です。
「特定事業主」とは何ですか?
令和8年度の改正で拡充された区分で、業種にかかわらず常時雇用する労働者が300人以下の事業主を指します。出生時両立支援コースの「男性育休取得率の上昇等(旧第2種)」と、育休中等業務代替支援コースの「新規雇用(育児休業)」で、この特定事業主が支給対象に拡充されました。従来は業種ごとの規模要件で対象外だった企業も、対象になる可能性があります。
令和8年度の金額が必ず適用されますか?
いいえ。各コースごとに定める支給要件を満たした日等によっては、令和7年度以前の支給要領等が適用されます。改正前に要件を満たしていた場合は旧要領の金額になることがあるため、「令和8年度の金額でもらえる」と決めつけず、必ず管轄の都道府県労働局に確認してください。
申請の相談先はハローワークですか?
いいえ。両立支援等助成金の問い合わせ・申請先は各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。トライアル雇用助成金などハローワークが窓口の助成金とは異なります。なお両立支援等助成金は令和5年6月26日から電子申請の対象になっています。
制度を就業規則に入れるだけで助成金はもらえますか?
もらえません。多くのコースで対象労働者が実際に制度を利用したことが支給要件になっています。令和8年度の改正でも、子の看護等休暇制度の有給化について「対象労働者が実際に制度を利用したこと」が支給要件に追加されました。制度の規定・周知に加えて、実際の利用実績が必要だと考えてください。
出典・参考
- 厚生労働省|子ども・子育て両立支援等助成金のご案内(2026年7月18日確認)
- 愛媛労働局|令和8年度 両立支援等助成金改正内容について(2026年7月18日確認)
- 厚生労働省|両立支援等助成金 支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)(PDF)
- 厚生労働省|都道府県労働局所在地一覧
