マイナンバーカードには「カード本体の有効期限」と「電子証明書の有効期限」という2つの期限があり、切れる時期も更新の方法も別物です。この記事では、どちらが先に切れるのか、いつから手続きできるのか、窓口に行かずに済むのはどちらかを、公式情報にもとづいて整理します。
基準日:2026年8月9日/出典は各章に明記しています。
結論の要点
- 電子証明書は「発行日から5回目の誕生日」まで。年齢を問わず5年で切れるので、たいていはカード本体より先に期限が来ます。
- カード本体は「発行日から10回目の誕生日」まで(18歳未満は5回目)。
- 更新できるのは満了日までの期間が3か月未満になった日から。2〜3か月前を目途に「有効期限通知書」が届きます。
- 手数料は無料。ただし電子証明書の更新は市区町村の窓口へ行くことが必須で、予約制の自治体もあります。
- 通知書が手元になくても手続きはできます。
出典:マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「更新手続きについて」/公的個人認証サービス ポータルサイト「電子証明書の有効期間と失効」
2つの期限のしくみ|先に切れるのはほぼ電子証明書
マイナンバーカードの有効期間は発行日から10回目の誕生日まで(18歳未満は5回目の誕生日まで)。一方、カードに搭載されている電子証明書の有効期間は年齢を問わず発行日から5回目の誕生日までです。つまり18歳以上の人は、おおむね5年ごとに電子証明書だけの更新が1回入り、10年ごとにカードごとの更新が来るという2段構えになります。
期限のイメージ(18歳以上・2016年に取得した場合)
取得
カードを受け取る(電子証明書も同時に発行)
5回目の誕生日
電子証明書が満了/カードは有効なまま → 窓口で書き込み直す
10回目の誕生日
カード本体が満了 → カードを作り直す(顔写真が必要)
更新後
期間内に更新すれば、カードは11回目・電子証明書は6回目の誕生日まで(18歳未満のカードは6回目)
出典:マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「更新手続きについて」
いつから手続きできる?通知書の届き方
更新できるのは有効期間の満了する日までの期間が3か月未満になった日からです。それより早く窓口に行っても受け付けてもらえないため、「気づいたときに早めに」ではなく通知が来てから動くのが正解です。J-LISは、更新開始前に誤って来庁することを防ぐため、更新手続きが始まる日以降に届くよう有効期限通知書を発送しているとしています。
通知書は有効期限の2〜3か月前を目途に送られ、「有効期限が到来するもの」の欄に、カード本体・電子証明書のどちらが期限を迎えるのかが書かれています。通知書が手元になくても手続きは可能です。届かなかった場合は市区町村へ返戻されている可能性があるため、役所窓口に確認してみてください。
手順①カード本体の更新|申請書IDがあればオンラインで完結
カード本体の更新は、通知書に申請書IDが載っているかどうかで分かれます。
| 通知書の状態 | 申請の方法 |
|---|---|
| 申請書IDの記載がある | IDの右側にある交付申請用QRコードから、スマートフォンでのオンライン申請、またはまちなかの証明写真機で申請できます。 |
| 申請書IDの記載がない | 必要書類を持って市区町村窓口へ。持ち物は「有効期限通知書」+「有効期間内のマイナンバーカード」、またはカードがない場合は本人確認書類(内容は自治体に確認)。 |
手順②電子証明書の更新|窓口へ行くのは避けられない
電子証明書の更新は、いま持っているカードのICチップに新しい電子証明書を書き込む作業です。そのためカードを窓口に持ち込む必要があり、オンラインでは完結しません。
本人が更新する場合の3ステップ
ステップ1
自治体のサイトで予約の有無と受付時間を確認する(予約制の市区町村があります)。
ステップ2
有効期間内のマイナンバーカードを持って、住民登録のある市区町村の窓口へ行く(有効期限通知はなくても手続き可)。
ステップ3
窓口で暗証番号を入力し、カードに新しい電子証明書を書き込んでもらう(手数料は無料)。
出典:マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「更新手続きについて」
損しないためのポイント
- 手数料は無料。有料の代行サービスは不要です。
- 暗証番号を忘れていても窓口で再設定できます。思い出せないことを理由に先延ばしにする必要はありません。
- 通知書が来たらその週に予約を取る。更新可能期間は3か月しかなく、窓口が混み合う自治体では希望日が取れないことがあります。
- カード本体の更新は顔写真が必要です。申請書IDがあるならオンライン申請のほうが、写真代と窓口の待ち時間を節約できます。
パターン別の分岐|自分はどれに当てはまるか
| あなたの状況 | やること |
|---|---|
| 本人が窓口に行ける | カードを持参して住民登録のある市区町村へ。暗証番号は窓口で再設定も可能。 |
| 入院・仕事などで本人が行けない | 代理人が手続き可能。本人が「照会書兼回答書」に記入し封入・封かんして代理人に渡す。代理人は本人のカード、封かんした回答書、代理人の顔写真付き本人確認書類を持参。 |
| 通知書が届いていない | 通知書なしでも手続き可能。返戻されていないか市区町村に確認。代理人手続きに必要な照会書兼回答書は郵送を依頼できる。 |
| すでに期限が過ぎた | 電子証明書は有効期間の満了で失効します。改めて発行の手続きが必要になるため、必要書類と手数料の扱いを市区町村窓口に確認してください。 |
| 引っ越し・結婚で氏名や住所が変わった | 住民票の基本4情報(氏名・生年月日・性別・住所)が修正されると署名用電子証明書は失効します(利用者証明用は失効しません)。転入・婚姻の届出とあわせて窓口で相談を。 |
出典:公的個人認証サービス ポータルサイト「電子証明書の有効期間と失効」、マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「更新手続きについて」。手数料や必要書類の細目は市区町村ごとに運用が異なるため、最終確認は窓口でお願いします。
イレギュラーと現場対応|窓口で足止めされやすい5つの場面
制度上は「無料・書類も少ない」手続きですが、実際につまずくのはほぼ窓口の運用側です。自治体が公開している案内を読み比べると、次のような対応が広く行われていることが分かります(編集部が各市区町村の公表情報をもとに整理)。
現場で起きていること
- 予約が必須の自治体がある。横浜市はカードの受取と電子証明書の更新をいずれも予約制とし、40日前から受付を開始しています。思い立って行っても受け付けてもらえない前提で調べるのが安全です。
- 窓口が慢性的に混む。混雑状況をリアルタイムで公開している自治体(姫路市、さいたま市、海老名市など)があるほどで、待ち時間は日と時間帯で大きく変わります。
- 電子証明書の更新・暗証番号再設定の専用窓口が別にある。交付の列と分けている自治体では、専用窓口のほうが待ち時間が短い傾向があります。
- 商業施設内の臨時窓口が使える場合がある。千葉市のようにショッピングセンター等に臨時窓口を設け、そこで申請してカードを自宅へ郵送する運用を採る自治体もあります。
- 代理人手続きは暗証番号の書き間違いで即日終わらない。照会書兼回答書に本人が書いた暗証番号に誤りがあると、その日には更新できません。
※各自治体の公表ページより編集部が整理(2026年8月時点)。運用は変わるため、必ずご自身の市区町村の最新案内を確認してください。
かかる時間とお金の相場観、そして編集部の判断
更新の手数料は無料です。実質的なコストは「窓口へ行く手間」と「待ち時間」に集約されます。予約が取れていれば窓口での作業自体は暗証番号の入力と書き込みだけで、長くはかかりません。逆に予約なしで混雑時間帯に行けば、待ち時間のほうが手続き時間を大きく上回ります。
編集部としては、この手続きの本質は「更新可能期間が3か月しかない」という一点だと考えています。マイナンバーカードの交付が始まったのは2016年ですから、2026年は初期に取得した人のカード本体が10年目を迎える時期にあたり、電子証明書の5年更新と重なる人も出てきます。窓口が混みやすい条件がそろっているため、通知書が届いた日を「予約を取る日」として扱うのが、もっとも損の少ない動き方です。
なお、電子証明書はオンラインでの本人確認に使われる仕組みです。期限切れのまま放置すると、それを前提としたオンラインの手続きに影響が出る可能性があります。医療機関での健康保険証としての利用など、個別のサービスへの影響は加入している保険者や自治体の案内で確認してください。
よくある質問
マイナンバーカードの更新に手数料はかかりますか?
更新にかかる手数料は無料です(マイナンバーカード総合サイト)。カード本体・電子証明書のいずれも同様です。なお紛失などによる再発行は扱いが異なるため、市区町村窓口に確認してください。
有効期限通知書が届かない場合はどうすればいいですか?
通知書が手元になくても手続きは可能です。届かなかった場合は住民登録のある市区町村へ返戻されている可能性があるため、役所窓口へ返戻の有無を確認してください。代理人手続きに使う照会書兼回答書は、市区町村へ郵送を依頼できます。
電子証明書の更新はオンラインでできますか?
できません。カードのICチップに新しい電子証明書を書き込む必要があるため、住民登録のある市区町村の窓口へカードを持って行く必要があります。一方でカード本体の更新は、有効期限通知書に申請書IDの記載があれば、QRコードからのオンライン申請や証明写真機での申請が使えます。
暗証番号を忘れていても更新できますか?
本人が窓口へ行く場合は、暗証番号を忘れていても窓口で再設定できます。ただし代理人が手続きする場合、本人が照会書兼回答書に記入した暗証番号に誤りがあると即日の更新はできません。
いつから更新の手続きができますか?
有効期間の満了する日までの期間が3か月未満になった日からです。それ以前は手続きできません。有効期限通知書は、更新手続きの開始日以降に届くように発送されています。
関連する暮らしの手続き
公式情報で最終確認する
手数料・必要書類・予約の要否は市区町村ごとに運用が異なります。手続きの前に、マイナンバーカード総合サイト「更新手続きについて」と、お住まいの市区町村の公式ページをあわせてご確認ください。
引越しでカードを使うなら、次はこの順で進めます
マイナンバーカードは転出・転入の手続きでも使います。カードの更新と引越しが重なる年は、住所変更の期限とライフラインの手配をあわせて組み立てると、窓口へ行く回数を減らせます。
出典:マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「更新手続きについて」/公的個人認証サービス ポータルサイト「電子証明書の有効期間と失効」/政府広報オンライン「マイナンバーカードと電子証明書の有効期限をご確認ください」。本記事は制度の一般的な説明であり、個別の手続きの可否は住民登録のある市区町村の判断によります。基準日:2026年8月9日。
