専門実践・特定一般の教育訓練給付には、受講前の面談が要ります。訓練前キャリアコンサルティングと受給資格確認を、受講開始日の2週間前までに終えます。面談は無料で、所要時間は60〜90分。2026年9月29日時点の厚生労働省・ハローワークの公表資料による。
情報基準日: 2026-09-29
資格の講座を申し込んだあとで「給付金には面談が要る」と知り、あわてて調べ始める人は多いです。この面談が訓練前キャリアコンサルティングで、受けないまま受講を始めると給付は1円も出ません。しかも予約制で、受講開始が集中する時期には枠が埋まります。
ここでは、いつまでに何を終えればよいのかを、公的機関の一次情報にあたって整理しました。ジョブ・カードの様式と、予約が取れないときの動き方も順番どおりに並べています。
訓練前キャリアコンサルティングは3種類のうち2種類で必要
教育訓練給付は講座のレベルで3種類に分かれ、面談が要るのは上の2種類だけです。まず自分がねらう給付がどれかを確かめます。
| 給付の種類 | 給付率(%) | 年間上限(万円) | 面談 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20 | 10 | 不要 |
| 特定一般教育訓練 | 40〜50 | 20〜25 | 必要 |
| 専門実践教育訓練 | 50〜80 | 40〜64 | 必要 |
- 出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(2026年9月29日取得)
- 専門実践の80%と年間64万円は、修了して資格を取り就職し、さらに受講前より賃金が5%以上上がった場合の率です。令和6年10月1日以降に受講を開始した人が対象になります
- 専門実践は最大3年で上限192万円。特定一般の50%・25万円も、資格を取って就職した場合の率です
一般教育訓練給付金だけをねらうなら面談は要りません。ただし講座が特定一般の指定も受けている場合は、面談を受けたほうが給付率が上がります。申し込む前に講座の指定区分を確認しておくと損をしません。
受講開始日から逆算すると、動き出す時期が決まる
期限は「受講開始日の2週間前まで」ですが、これは面談を受ける期限ではなく、受給資格確認まで終える期限です。面談は予約制で、ジョブ・カードの作成にも時間がかかります。受講開始の2週間前に予約を取ろうとすると、ほぼ間に合いません。
この逆算表は、面談の予約が1〜2週間先になることを見込んだ目安です。秋から年度末にかけては予約が埋まりやすく、余裕はもう少し必要になります。
予約から面談までの5ステップ
厚生労働省の委託事業「キャリア形成・リスキリング推進事業」が示している流れに沿って進めます。
ステップ1 ハローワークの訓練窓口で要件を確かめる
受講したい講座が給付の対象かどうか、自分の雇用保険の加入期間が足りているかを先に確認します。ここでジョブ・カードの様式か活用ガイドを受け取れます。
ステップ2 面談を予約する
予約は電話か申込フォームです。申し込みのときに訓練校名・訓練コース名・訓練開講日を聞かれるので、講座のパンフレットを手元に置いてから連絡します。対面かオンラインかを選べます。
ステップ3 ジョブ・カードを書いて印刷する
面談当日までに自分で書き上げます。空欄が多いと予約時間内に終わらないことがあります。対面のときは必ず印刷して持参します。
ステップ4 面談を受ける
当日はハローワークの総合受付に寄り、予約している旨と名前を伝えます。記入済みのジョブ・カードを担当のキャリアコンサルタントに渡し、記載内容をもとに聞き取りが進みます。所要は60〜90分です。
ステップ5 ハローワークで受給資格確認をする
面談でジョブ・カードの交付を受けたら、受給資格確認票を添えてハローワークへ提出します。ここまでを受講開始日の2週間前までに終えます。
損しないポイント:当日の持ち物
- ジョブ・カード4様式(様式1-1/様式2/様式3-1/様式3-2)を記入して印刷したもの
- 印鑑と朱肉。シャチハタは使えません
- 黒のボールペン。消せるボールペンは不可で、訂正は二重線と訂正印
- 就業経験がない人は様式1-1ではなく様式1-2を使います
出典:キャリア形成・リスキリング推進事業(厚生労働省委託事業)「訓練前キャリアコンサルティング」2026年9月29日取得
ジョブ・カードは4枚。どこでつまずくかは決まっている
ジョブ・カードは1枚の書類ではなく、役割の違う様式の束です。面談で使うのは次の4枚で、様式3-3を交付されたことがある人はそれも持参します。
- 様式1-1キャリア・プランシート
これからどう働きたいかを書く中心の様式。就業経験がない人は様式1-2 - 様式2職務経歴シート
これまでの仕事を時系列で。職務内容と身についた力を分けて書く - 様式3-1職業能力証明(免許・資格)シート
取得済みの免許と資格。取得年月まで - 様式3-2職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート
学校や過去に受けた訓練の履歴
白紙の様式と記入例は、厚生労働省のマイジョブ・カードからダウンロードできます。ハローワークの訓練窓口でも用紙を配っています。オンライン面談ならエクセルかPDFのデータを使えます。
手が止まりやすいのは様式1-1です。「その講座を受けると、どの仕事にどうつながるのか」を自分の言葉で書く欄があります。講座のパンフレットの文言を写しただけでは、面談で掘り下げられます。志望動機ではなく、いまの仕事で足りない力と講座で補える力を対にして書くと、話が早く進みます。
対面とオンライン、在職中と離職中で動き方が変わる
同じ面談でも、置かれた状況で気をつける点が違います。自分に近いほうを選んで準備します。
| 場面 | 在職中 | 離職中 |
|---|---|---|
| 予約のしやすさ | 平日日中に休みを取る必要がある。勤務地の近くのハローワークでも受けられる | 平日に動きやすい。求職活動と同じ日にまとめると往復が減る |
| 書類の準備 | 在職中の職務内容を様式2に書く。人事評価やこれまでの担当業務のメモがあると早い | 離職票や退職前の業務メモを見ながら書く。空白期間があれば理由も整理しておく |
| 面談の形式 | オンラインを選べば移動時間が要らない。データはエクセルかPDFで用意する | 対面のほうが、そのあとの受給資格確認まで同じ日に進めやすい |
| 期限の注意 | 受講開始日の2週間前までに受給資格確認まで終える | 離職日の翌日から受講開始日までが1年以内かどうかを先に確認する |
離職中で45歳未満、昼間通学の専門実践を受ける人は、教育訓練支援給付金も視野に入ります。基本手当の日額の60%が支給される制度で、令和8年度末までの暫定措置です。こちらも受給資格確認の手続きが入口になります。
予約が埋まっている・期限が迫っているときの現場対応
制度の説明だけでは見えない詰まりどころがあります。実際に手続きをした人の記録と、公的機関の案内を突き合わせて整理しました。
予約枠が埋まっていたら、管轄外のハローワークも見る
受講開始が集中する秋から年度末は、枠が埋まりやすくなります。キャリアコンサルタントが運営するnoteの解説記事でも、その点が指摘されています。訓練前キャリアコンサルティングは求職の相談と違い、住所地の管轄に縛られない運用がとられている地域があります。近隣のハローワークやオンライン枠も含めて空きを探すと、選択肢が増えます。空きの有無は拠点ごとに違うため、予約窓口で確認してください。
「1か月前まで」と書かれた解説に引きずられない
受給資格確認の期限は、令和6年10月から受講開始日の2週間前までになりました。2024年前半までに書かれた個人の体験記や自治体の案内には「1か月前まで」と残っているものがあります。早めに動く分には問題ありませんが、逆に「2週間前でよい」と読み替えて直前に動くと、面談の予約が取れずに詰みます。
面談は聞き取りで終わらない。その場でジョブ・カードが完成する
個人ブログ「wentz-design.com」の2024年の記録によると、面談は記入済みのジョブ・カードをもとに進みます。最後にキャリアコンサルタントが所見を書き、ジョブ・カードが完成します。所要は1時間30分ほどだったとのことです。書きかけのまま持って行くと、この完成までたどり着けません。
編集部の見方として、この面談は審査ではなく、受講の意思と目標を書面に残す手続きです。話の巧拙で給付が決まるものではありません。緊張するより、様式1-1を埋めきることに時間を使うほうが結果につながります。
間に合わなかったときの選択肢
受講開始日の2週間前を過ぎると、その講座では給付を受けられません。次の開講回に申し込み直すか、開講日の遅い同種の講座に切り替えるかの二択になります。講座の申込金の扱いは教育訓練機関によって違うため、切り替える前に取消しの条件を確認してください。
費用と時間の目安、それでも受ける価値があるか
面談そのものに費用はかかりません。かかるのは時間です。
- 面談:60〜90分(1回)
- ジョブ・カードの作成:初めてなら2〜4時間が目安。職務経歴の棚卸しに時間がかかります
- ハローワークへの往復と受給資格確認:半日を見ておくと安全です
- 面談の費用:無料(厚生労働省の委託事業として実施)
作成時間の目安は、4様式の分量と職務経歴の棚卸しにかかる手間から編集部が見積もった数字です。公的機関が示した標準時間ではありません。
半日から1日を使う手続きですが、専門実践の給付は年間で最大64万円、3年で最大192万円です。時給に直せば桁が違います。「面倒だから一般教育訓練だけでいい」と決める前に、一度調べる価値はあります。ねらう講座が専門実践や特定一般の指定を受けていないかを確かめてください。
ただし、面談を受けても給付が保証されるわけではありません。雇用保険の加入期間が足りなければ、受給資格そのものが出ません。先にハローワークの支給要件照会で受給資格を確かめ、それから面談を予約すると無駄がなくなります。
よくある質問
訓練前キャリアコンサルティングは有料ですか?
無料です。厚生労働省の委託事業として実施されており、受講者が費用を負担することはありません。ただしハローワークまでの交通費は自己負担です。
一般教育訓練給付金だけを使う場合も面談は必要ですか?
必要ありません。面談が必須なのは専門実践教育訓練給付金と特定一般教育訓練給付金の2種類です。一般教育訓練給付金は修了後の支給申請だけで手続きが完結します。
ジョブ・カードを書かずに面談へ行くとどうなりますか?
面談は記入済みのジョブ・カードをもとに進むため、予約時間内に終わらないことがあります。キャリア形成・リスキリング推進事業の案内でも、可能な限り空白のないよう記入して持参するよう求めています。
面談はオンラインでも受けられますか?
受けられます。申し込みのときに対面かオンラインかを選べます。オンラインの場合、ジョブ・カードはエクセルかPDFのデータで用意します。対面のときは印刷して持参します。
受講開始日の2週間前を過ぎてしまいました。あとから申請できますか?
できません。受給資格確認は受講開始日の2週間前までに終える必要があり、遅れるとその講座では給付を受けられません。次の開講回に申し込み直すことになります。
出典と関連記事
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」(2026年9月29日取得)
- キャリア形成・リスキリング推進事業(厚生労働省委託事業)「訓練前キャリアコンサルティング|ジョブ・カード作成支援の流れ・予約について」(2026年9月29日取得)
- マイジョブ・カード(厚生労働省)様式のダウンロードと記入例(2026年9月29日取得)
- 個人ブログ「wentz-design.com」2024年4月26日公開の申請記録(面談の所要時間と当日の流れの参考として引用)
給付率や申請の全体像は教育訓練給付で安く資格を取るにまとめています。勉強時間の作り方は働きながら国家資格を取る時間の作り方をご覧ください。資格と学び直しの手続きは資格・学び直しの完全ガイドから一覧できます。
手続きの入口
講座が給付の指定を受けているかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べられます。予約の申し込みはキャリア形成・リスキリング推進事業の案内ページから進めます。いずれも公的機関のサイトで、当サイトの広告ではありません。
