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「事業承継・引継ぎ補助金」という名前の制度は、現在は「事業承継・M&A補助金」に変わっています。2026年7月18日時点で受付中なのは15次公募で、締切は2026年7月24日(金)17:00です。枠は「事業承継促進」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」「PMI推進」の4つ。15次公募からは、小規模事業者の売り手を支援する「小規模売り手支援類型」が新設されました。
この記事のポイント
- ✓名称変更に注意。「事業承継・引継ぎ補助金」→「事業承継・M&A補助金」
- ✓15次公募の締切は2026年7月24日17:00。申請はJグランツから
- ✓14次公募の採択率は60.7%(申請512件・採択311件)と、補助金としては高め
- ✓入金は2027年5月中旬以降。申請から約1年かかる前提で資金計画を立てる
本記事の情報は2026年7月18日時点で、事業承継・M&A補助金の公式サイト(15次公募)および15次公募パンフレットを確認して作成しています。要件や金額は公募回ごとに変わるため、申請前に必ず公式の公募要領をご確認ください。
事業承継・引継ぎ補助金は「事業承継・M&A補助金」に名称が変わった
「事業承継・引継ぎ補助金」で検索してたどり着いた方は、まずここを押さえてください。この制度は現在「事業承継・M&A補助金」という名称で運用されています(中小企業生産性革命推進事業の一つ)。公式サイトも過去の公募回ごとにページが分かれているため、古い記事のリンクをたどると終了した公募回の情報にたどり着いてしまうことがあります。14次公募以降の情報は shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/ に掲載されています。
制度の目的自体は変わっていません。中小企業・小規模事業者等が、事業承継やM&Aに際して行う設備投資等や、事業承継・事業再編及び事業統合に伴う経営資源の引継ぎ、または引継ぎ後の経営統合にかかる経費の一部を補助するものです。
4つの枠のどれに当てはまる?
事業承継・M&A補助金は、補助の対象となる取組内容や経費の種類に応じて4つの枠に分かれます。自社がどの立場(承継する/譲り受ける/譲り渡す/廃業する/統合後の整備をする)にいるかで、選ぶ枠が決まります。
| 枠 | こんな場合に使う | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 親族内承継・従業員承継を控えており、引き継ぐ経営資源を活かす設備投資をしたい | 800万円(賃上げ実施で1,000万円) |
| 専門家活用枠 | M&Aで会社を譲り受ける/譲り渡すため、仲介・FA等の専門家を使いたい | 買い手600万円/売り手800万円/小規模売り手450万円/100億企業特例2,000万円 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | M&Aで譲り渡せず、既存事業を廃業して再チャレンジしたい | 300万円 |
| PMI推進枠 | M&A成立後の経営統合(PMI)を専門家活用や設備投資で進めたい | 専門家活用類型150万円/事業統合投資類型800万円(賃上げ実施で1,000万円) |
補助金の経理処理を自分で整える
事業承継・M&A補助金は、実績報告で支払証憑と帳簿の突合を求められます。仕訳が整っていれば報告時の負担は大きく減ります。まずは申告全体の流れを把握しておくと、外注すべき範囲が見えてきます。
▶ 確定申告のやり方 完全ガイド【2026年版】
▶ 消費税の確定申告のやり方(インボイス登録者向け)
15次公募の目玉:小規模売り手支援類型が新設された
15次公募からの新しい動きが、専門家活用枠(売り手支援類型)に追加された「小規模売り手支援類型」です。事業再編・事業統合に伴い株式・経営資源を譲り渡す予定の小規模事業者等を対象に、補助上限額450万円以内・補助率2/3以内で支援します。通常の売り手支援類型(補助率1/2以内)より補助率が高いのが特徴です。
ここでいう「小規模事業者等」は、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律に準じて定義されています。
| 業種分類 | 小規模事業者等の定義 |
|---|---|
| 製造業その他 | 従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主 |
| 商業(卸売業・小売業)・サービス業 | 従業員の数が5人以下の会社及び個人事業主 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主 |
⚠小規模売り手支援類型の落とし穴
- 売り手支援類型(上限800万円)との併願はできません。同一公募回での申請は不可とされています。
- M&Aが成立しないと上限が50万円に下がります。補助事業期間内にクロージングしなかった場合、補助上限額は50万円以内に変更されます(この場合、着手金・システム利用料・デュー・ディリジェンス費用が補助対象経費として認められます)。
- 廃業費の上乗せは150万円までですが、関連する経営資源の引継ぎが補助事業期間内に実現しなかった場合は補助対象外です。
14次公募の採択率は60.7%。補助金としては通りやすい部類
事務局は14次公募の結果を公表しています。申請512件に対して採択311件、採択率は60.7%でした(採択件数÷申請件数で当サイトが算出)。持続化補助金の直近回が48〜51%程度であることを踏まえると、事業承継・M&A補助金は比較的通りやすい部類といえます。ただし件数自体が少なく、事業承継やM&Aという明確な実態が必要なため、母集団が絞られている点は考慮が必要です。
枠別に見ると、事業承継促進枠60.9%(169件中103件)、専門家活用枠60.2%(299件中180件)、PMI推進枠62.8%(43件中27件)と大きな差はありません。なお廃業・再チャレンジ枠は申請1件・採択1件でした。他制度の採択率と比べたい方は補助金の採択率まとめ【2026年版】をご覧ください。
M&Aの専門家に依頼する前に確認
M&Aの税務やデューデリジェンスの判断は税理士の領域で、税務相談や申告書の作成は税理士にしかできません。無資格の代行業者へ丸投げするとリスクがあります。依頼先が正規の税理士かは公式サイトで検索・確認できます。
▶ 税理士情報検索サイト(日本税理士会連合会・公式)
▶ 経費を一元管理する|法人カードおすすめ比較
15次公募のスケジュールと申請の流れ
15次公募の公募申請受付期間は2026年6月19日(金)〜2026年7月24日(金)17:00です。申請はJグランツ(電子申請システム)から行うため、GビズIDプライムアカウントが必須です。
| 工程 | 時期 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月22日(金) |
| 公募申請受付期間 | 2026年6月19日(金)〜2026年7月24日(金)17:00 |
| 採択日 | 2026年9月中旬以降 順次(予定) |
| 交付申請受付期間 | 2026年9月中旬〜2027年7月下旬(予定) |
| 交付決定日 | 2026年9月下旬以降 順次(予定) |
| 事業実施期間 | 交付決定日〜2027年11月下旬(予定) |
| 実績報告期間 | 2027年2月中旬〜2027年12月上旬(予定) |
| 補助金交付手続き | 2027年5月中旬以降(予定) |
GビズIDプライムの取得手順はjGrants(Jグランツ)の使い方完全ガイドで解説しています。まだ持っていない場合、ここが最初のボトルネックになります。
申請前に必ず確認したい注意点
⚠「契約の順番」で補助対象外になる
- 専門家活用枠:仲介・FA業務の委託契約は交付決定日以降に締結する必要があります。先に契約してしまうと補助対象外です。
- 専門家活用枠:M&A支援機関登録制度に登録した専門家への支払いのみが補助対象です。仲介業者を選ぶ前に登録の有無を確認してください。
- 事業承継促進枠:補助対象経費の契約・発注が交付決定日以降かつ補助事業期間内であり、検収・支払まで同期間内に完了している必要があります。
- 事業承継促進枠:被承継者に支払う費用は原則補助対象外です(土地・資産の譲り受け費用等)。
もう一つ現実的な問題が入金までの時間です。15次公募のスケジュールでは、補助金交付手続きは2027年5月中旬以降の予定。2026年6〜7月に申請してから、実際にお金が入るまでおよそ1年かかる計算です。その間の専門家費用や設備投資の支払いは自己資金または融資で立て替える必要があります。
また、事業承継促進枠には生産性向上要件があります。補助事業期間を含む5年間の事業計画において、「付加価値額」または「1人当たりの付加価値額」の伸び率が年3%向上する計画であることが必要です(法人の付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)。事業承継対象期間(公募申請期日から5年間)内に事業承継が完了しなかった場合は、交付を受けた補助金の返還が必要になる点にも注意してください。
なお、事業承継促進枠の申請には認定経営革新等支援機関等による確認書の発行を公募申請前に受ける必要があります。認定支援機関の探し方は補助金申請代行の費用相場と選び方もあわせてご覧ください。
承継後のコスト管理を見直す
承継やM&Aが完了したら、経費管理や資金繰りの仕組みも新しい体制に合わせて整え直すと、トータルのコスト削減につながります。
▶ 法人カードおすすめ比較【2026年版】
▶ ファクタリングとは?仕組み・手数料相場・選び方
よくある質問
事業承継・引継ぎ補助金と事業承継・M&Aの補助金は同じものですか?
同じ制度です。かつて「事業承継・引継ぎ補助金」と呼ばれていた制度は、現在「事業承継・M&A補助金」という名称で運用されています。中小企業生産性革命推進事業の一つで、中小企業庁と中小機構が所管しています。4つの枠(事業承継促進枠・専門家活用枠・廃業再チャレンジ枠・PMI推進枠)で構成されており、2026年7月18日時点の最新は15次公募です。
15次公募の締切はいつですか?
15次公募の公募申請受付期間は2026年6月19日(金)〜2026年7月24日(金)17:00です。採択日は2026年9月中旬以降順次(予定)、交付決定日は2026年9月下旬以降順次(予定)となっています。申請はJグランツから行うため、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
事業承継・M&A補助金の採択率はどのくらいですか?
公表されている14次公募の実績では、申請512件に対して採択311件で、採択率は約60.7%です。枠別では事業承継促進枠が169件中103件(約60.9%)、専門家活用枠が299件中180件(約60.2%)、PMI推進枠が43件中27件(約62.8%)、廃業・再チャレンジ枠が1件中1件でした。なお採択率は事務局が公表した申請件数と採択件数から当サイトが算出した数値です。
補助金はいつ入金されますか?
15次公募の予定スケジュールでは、補助金交付手続きは2027年5月中旬以降です。2026年6〜7月の申請から入金まで約1年かかる想定になります。補助金は後払いのため、専門家費用や設備投資の支払いは自己資金や融資で立て替える必要があります。
M&Aの仲介会社への支払いはどれでも補助対象になりますか?
なりません。専門家活用枠で仲介・FA業者への委託費が補助されるには、中小企業庁が令和3年8月に創設した「M&A支援機関に係る登録制度」に登録した専門家を活用することが条件です。さらに、仲介・FA業務に関する委託契約は交付決定日以降に締結する必要があります。契約の順番を誤ると補助対象外になるため注意してください。
小規模売り手支援類型と売り手支援類型は両方申請できますか?
同一公募回での申請はできません。小規模売り手支援類型は補助上限額450万円以内・補助率2/3以内で、売り手支援類型(補助上限額800万円以内)と同一公募回での併願は不可とされています。また小規模売り手支援類型では、補助事業期間内にクロージングしなかった場合、補助上限額は50万円以内に変更されます。
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出典・公式サイト
- 事業承継・M&A補助金 公式サイト(総合トップ)
- 事業承継・M&A補助金 14次公募〜(15次公募スケジュール・採択結果)
- 15次公募 専門家活用 公募要領等ダウンロード
- 15次公募 事業承継促進 公募要領等ダウンロード
- 事業承継・引継ぎ支援センター(無料相談窓口)
- Jグランツ(電子申請システム)
- ミラサポplus
本記事は2026年7月18日時点の公式情報にもとづく解説です。制度の内容・スケジュール・金額は公募回ごとに変更される場合があります。申請にあたっては必ず公式サイトの公募要領をご確認ください。補助金の不正受給には交付決定の取消・返還・罰則が科されます。
