転出届はマイナポータルからオンラインで出せますが、転入届は引越し後14日以内に必ず窓口へ行く必要があります。オンライン受付は自治体で異なり、横浜市は予定日の30日前から引越し後10日以内です(2026年9月17日時点)。
情報基準日:2026年9月17日(マイナポータル/横浜市/札幌市/船橋市/千葉市/大阪市/富山市の各公式ページを確認)
オンラインで完結するのは「転出届」だけです。転入届(転居届)は、引越し先の市区町村窓口へ行く必要があります。マイナポータルからは提出できません。
転出の処理が「完了」になるまで転入届は受け付けられません。処理の目安は札幌市が通常1〜2日、横浜市が概ね3開庁日以内。引越し当日にそのまま転入、という段取りは組めません。
期限を過ぎるとマイナンバーカードが失効します。引越した日から14日以内、かつ転出予定日から30日以内に転入届を出さないと、カードが使えなくなります(横浜市)。
暗証番号は2種類いります。署名用電子証明書(英数字6〜16桁)と、利用者証明用・券面入力用(数字4桁)の両方です。どちらかを忘れていると、その場で止まります。
引越しワンストップサービスでできること・できないこと
マイナポータルの「引越し手続オンラインサービス」は、2023年(令和5年)2月6日に始まった全国共通のしくみです。できるのは「転出届の提出」と「転入届(転居届)を提出するための来庁予定の連絡」の2つで、マイナポータルの案内にも「転入届(転居届)の提出はマイナポータルから行えないため、来庁が必要です」と明記されています。
つまり「役所に行かなくていい」のは引越し元の手続きだけです。引越し先では、マイナンバーカードの券面の住所を書き換え、カードを引き続き使えるようにする継続利用の手続きがあるため、本人が窓口へ出向く設計になっています。ここを取り違えると、引越し後14日という期限をまるごと使い切ってしまいます。
オンラインで済む
- 転出届の提出(引越し元)
- 転入届を出すための来庁予定の連絡
- 同一世帯でまとめて申請(1人のカードで可)
- 転出予定日が来る前の取消(マイナポータルから)
窓口に行かないとできない
- 転入届・転居届の提出
- マイナンバーカードの継続利用と券面の住所書き換え
- 暗証番号の再設定(忘れた・ロックした場合)
- 国民健康保険・国民年金・介護保険・児童手当の手続き
- 世帯主が転出して世帯員が残るときの世帯主変更届
オンライン転出届はいつ出せるのか|受付期間は自治体で違う
全国共通のサービスなのに、実務の受付期間の書き方は自治体でそろっていません。編集部で主要5市の公式ページを読み比べたところ、「引越し予定日の30日前から引越し後10日以内」と案内する市と、「概ね14日前から、引越し後14日を過ぎたら不可」と案内する市に分かれました。自分の市がどちらかを確かめないまま「まだ間に合う」と考えるのは危険です。
| 自治体 | オンライン転出届を出せる期間 | 転出処理が終わるまでの目安 | 転入届の期限 |
|---|---|---|---|
| 横浜市 | 引越し予定日の30日前〜引越した日の後10日以内(11日を経過すると不可) | 概ね3開庁日以内 | 引越した日から14日以内。かつ転出予定日から30日以内に出さないとカード失効 |
| 札幌市 | 引越し予定日の30日前以内、または引越した日から10日以内。かつ転入届を出す日が2日以上先であること | 通常1〜2日 | 公式ページに記載なし(転入先の市区町村の案内による) |
| 船橋市 | あらかじめ引っ越す前(概ね14日前)。引っ越した後14日を経過すると不可 | 公式ページに記載なし(申請状況が「完了」になるまで待つ) | 引っ越しした日から14日以内(引っ越し前の届出は不可) |
| 千葉市 | 市の公式は転入側の案内が中心(転出はマイナポータルの条件に準拠) | 公式ページに記載なし(「完了」を確認してから来庁) | 住み始めてから14日以内、かつマイナポータルに入力した引越し日から30日以内 |
| 大阪市 | 令和5年2月6日から利用可(市ページに期間の明記なし) | 公式ページに記載なし | 引っ越し後14日以内。市内の他区への引越しは窓口で転出・転入 |
出典:横浜市「マイナンバーカードを持っている人のオンラインによる転出届」(最終更新2026年4月6日)/札幌市「マイナンバーカードをお持ちの方の転出手続きについて」(更新2025年3月11日)/船橋市「マイナポータルからオンラインで転出届の手続きができます」(更新2026年3月4日)/千葉市「マイナポータルを利用したオンライン申請をした方(転入届)」(更新2026年5月14日)/大阪市「オンラインによる転出届・転入(転居)予約」(2026年2月12日)。いずれも2026年9月17日に編集部が確認。
表から読み取れるのは3点です。①引越し後でも出せる市はあるが、日数は10日か14日で割れている。②処理日数を公表している市は少なく、公表している市でも1〜3開庁日はかかる。③札幌市だけは「転入届を出す日が2日以上先であること」という条件を明記している。③はほかの市でも実質同じ制約(処理完了待ち)が働くので、引越し直後に窓口へ駆け込む段取りは避けたほうが安全です。
手順|マイナポータルの転出届から、窓口の転入届まで
引越しの30日前〜前日(自治体により14日前〜)
ステップ1:マイナンバーカードと暗証番号2種を手元に置き、マイナポータルにログインして「引越しの手続」から転出届を提出する。同時に転入先へ行く予定日も連絡する。所要10分程度。
提出から1〜3開庁日
ステップ2:役所が転出処理を進める。マイナポータルの申請状況が「処理中」から「完了」に変わり、通知が届く。ここが終わるまで転入届は出せない。
引越し当日
ステップ3:転居する。転出届を出した時点で印鑑登録の資格はなくなり、証明書のコンビニ交付も使えなくなる(船橋市・横浜市)。必要な証明書は転出届の前に取っておく。
引越し後14日以内(最重要)
ステップ4:申請状況が「完了」であることを確認してから、引越す人全員のマイナンバーカードを持って新住所の市区町村窓口へ行き、転入届を出す。数字4桁の暗証番号を全員分入力する。
同じ日のうちに(遅くとも転入から90日以内)
ステップ5:マイナンバーカードの継続利用手続きと券面の住所書き換えを済ませる。署名用電子証明書の更新も必要で、これは代理人ではできない(千葉市)。
気をつけたいのはステップ2とステップ4の間です。オンラインで転出届を出した達成感で止まってしまい、「完了」通知を確認しないまま窓口に行くと、その日のうちに転入手続きが終わらないことがあります。千葉市は公式ページで「マイナポータルの申請状況が『完了』になっていることを確認してから窓口へお越しください」と明記しています。
損しないポイント
オンライン申請の前にやっておくと、戻り作業がなくなること
- 住民票の写しを1通取っておく。申請時に正確な情報の入力が求められるため、マイナポータル側も「住民票の写しがあると便利」と案内しています。転出届を出したあとはコンビニ交付が使えなくなるので、順番が逆だと取り直しになります。
- 署名用電子証明書の有効期限を先に確かめる。前回の引越しや結婚でカードの情報を更新していない人、電子証明書の失効後に更新していない人は、署名の画面でエラーになります(横浜市)。この場合は窓口か郵送での転出届に切り替えます。
- 暗証番号を家族全員分そろえる。転入の窓口では引越す人全員分の数字4桁を入力します。ロックすると引越し先で再設定の届出が必要になり、窓口が二度手間になります。
- 繁忙期ほど効く。富山市は「3月〜5月の繁忙期や、週明け日は窓口が大変込み合います」としてオンライン利用を案内しています。3〜4月の引越しなら、転出のオンライン化だけで待ち時間が丸ごと消えます。
パターン別の分岐|自分はオンラインで出せるのか
すべて当てはまれば、オンラインで出せます
□ 引越す人の中に、有効な電子証明書入りのマイナンバーカードを持っている人がいる
□ カードの氏名・住所が最新に更新されている
□ 署名用(英数字6〜16桁)と数字4桁の暗証番号を両方覚えている
□ 日本国内の引越しである(海外への引越しは対象外)
□ 申請する人が、同じ住所で同じ世帯にいる(住所は同じでも世帯が違う人は申請できない)
□ 自分の市の受付期間の中にいる(図3を参照)
ひとつでも欠けるなら、窓口または郵送での転出届に切り替えます
同じ市の中での引越し(転居)は、そもそも転出届がありません。大阪市のように「市内の他区へ引越す人は新しく住む区の窓口で手続き」と案内している自治体もあります。
世帯の形によっても分かれます。同じ世帯で一緒に引越す人は、代表者ひとりのカードでまとめて申請できます。一方、世帯主を含む一部の人だけが転出して、残る人がいる場合は、別途「世帯主変更の届出」が窓口で必要です(横浜市)。ただし残る世帯員がひとりだけなら自動的にその人が世帯主になるので届出は不要です。ここは見落とされやすいところです。
イレギュラー・現場対応|自治体が注意喚起している5つのつまずき
1. 顔認証マイナンバーカードでは申請できない
暗証番号を設定しない「顔認証マイナンバーカード」は、電子証明書を使う仕組みのため、オンラインによる転出届に使えません。船橋市は公式ページで2度にわたってこの注意を書いています。高齢の家族の分をまとめて出そうとして気づく、というパターンが起きやすい箇所です。この場合は窓口か郵送に切り替えます。
2. 署名の画面で「有効期限切れ」のエラーが出る
横浜市は、①過去の引越しや結婚のときにカードの情報更新をしていない、②電子証明書の失効後に更新申請をしていない、③交付時に署名用電子証明書の発行を希望しなかった、の3つを原因として挙げています。いずれも証明書が失効しているか記録されていない状態で、オンラインでは先に進めません。窓口・郵送での転出届に切り替えるのが早道です。
3. 転出届のあと、証明書のコンビニ交付が使えなくなる
横浜市は「転出届の提出後は各種証明書のコンビニ交付が利用できません(区役所窓口では発行できます)」としています。また船橋市は、印鑑登録が転出予定日をもって資格を失うと案内しています。転職や賃貸契約で住民票や印鑑証明が要る予定があるなら、転出届を出す前に必要通数を取っておくのが鉄則です。
4. 転入の窓口で4桁の暗証番号をロックしてしまう
転入届のときにマイナンバーカードの数字4桁を入力しますが、横浜市は「暗証番号を忘れてしまった場合や、入力ができずロックしてしまった場合は、引越し先の市区町村で暗証番号再設定の届出が必要」としています。船橋市はさらに踏み込んで「暗証番号がわからない方は原則転入することができません」と書いており、転出元で転出証明書に準ずる証明書をもらい直すよう案内しています。
5. 転入後に継続利用手続きを忘れてカードが失効する
千葉市は「転入手続き後90日以内に継続利用手続きを行わない場合は、マイナンバーカードが失効します」と明記しています。さらに署名用電子証明書の更新は代理人ではできず、後日本人が来庁する必要があります。転入届を代理人に頼む段取りを考えている人は、この一点だけは本人が行く前提で組んでおくのが安全です。
相場観と編集部の価値判断
費用の面では、オンラインでも窓口でも転出届・転入届そのものに手数料はかかりません。差が出るのは時間です。オンライン化で消えるのは「引越し元の役所へ行く1回」であって、引越し先の窓口は残ります。役所に行く回数が2回から1回になる、というのが正味の効果です。所要時間は札幌市の案内で入力10分程度。半休を1回分取らずに済むと考えれば、十分に見合います。
一方で、編集部として正直に書いておきたいのは「急ぎの引越しには向かない」ことです。転出処理に1〜3開庁日かかり、札幌市は「転入届を出す日が2日以上先であること」を利用条件そのものに入れています。週末に引越して月曜に転入届、という日程だと、金曜のうちに転出届を出していないと間に合いません。転勤の内示が遅く、引越しから転入届までが詰まっている人は、最初から窓口・郵送を選んだほうが確実です。
もうひとつ。公式ページの情報量に差がある点も、実務では効きます。今回の5市でも、受付期間と処理日数の両方を書いているのは横浜市と札幌市だけでした。自分の市のページに期間が書かれていない場合は、マイナポータル側の条件(引越し予定日の30日前から、引越し後は自治体の定める日数まで)を目安にしつつ、早めに出すという一点だけを守れば事故になりません。
役所の手続きより先に決まるのは、引越し日そのものです
転出届の受付期間も、電気・ガスの停止も、回線の開通も、すべて引越し日を起点に逆算します。日程が固まっていない段階で役所の手続きだけ先に進めると、転出予定日の変更で取消し手続きが増えます。先に見積もりと日程を固めてから、この記事の手順に戻ってくるのが最短です。
- 引越し料金の相場と見積もりの取り方(日程と費用を先に固める)
- 電気・ガス・水道の停止と開始はいつ申し込むか(立ち会いの要否とガスの開栓予約)
- 引越しのインターネット回線ガイド(開通待ちを作らない逆算)
- 引越しやることリスト(この手続きを入れる位置がわかる)
※本記事に広告リンクはありません。行政手続きの内容は各自治体の公式ページをご確認ください。
よくある質問
転入届もマイナポータルからオンラインで出せますか?
出せません。マイナポータルの案内に「転入届(転居届)の提出はマイナポータルから行えないため、来庁が必要です」と明記されています。オンラインでできるのは、転入届を出すための来庁予定の連絡までです。引越した日から14日以内に、新しい住所の市区町村窓口へ行ってください。
オンラインで転出届を出した翌日に転入届を出せますか?
転出処理が「完了」になっていれば出せますが、処理には時間がかかります。札幌市は通常1〜2日、横浜市は概ね3開庁日以内としており、札幌市は利用条件として「転入届を出す日が2日以上先であること」を挙げています。夜間・休日に入力はできても、処理は開庁時間中にしか進みません。
家族全員分をまとめて申請できますか?
同じ住所で同じ世帯の人が、同じ新しい住所へ一緒に引越す場合はまとめて申請できます。代表者ひとりのマイナンバーカードで手続きできます。ただし住民票の住所は同じでも世帯が異なる人は、マイナポータルからは申請できません。また転入の窓口では、引越す人全員分のマイナンバーカードと数字4桁の暗証番号が必要です。
転入届の期限を過ぎたらどうなりますか?
引越しをした日から14日まで、かつ転出予定日から30日以内に転入届を出さないと、マイナンバーカードが失効します(横浜市)。またオンラインの転出情報が使えなくなるため、転出証明書(転出証明書に準ずる証明書)の再交付を申請したうえで、従来どおりの方法で転入届を出すことになります。手戻りが大きいので、日程だけは先に押さえてください。
引越しが中止・変更になったら転出届を取り消せますか?
横浜市の案内では、申請状況が処理中であれば取下げができ、処理完了後も転出予定日が到来していなければマイナポータルから取消手続きができます。転出予定日が過ぎている場合は窓口での手続きが必要です。なお、来庁予定日の変更や転出先の変更だけであれば、取消す必要はありません。
あなたの体験を聞かせてください
この手続きで「実際はこうだった」「ここでつまずいた」という経験があれば、体験談募集フォームから教えてください。許諾をいただいたものだけ、出所を明示して記事に反映します。
出典(すべて2026年9月17日確認)
- マイナポータル(デジタル庁)「引越し手続について」
- デジタル庁ニュース「【24時間申請可能】役所に行かずに転出届が出せる!『引越し手続オンラインサービス』」(2025年2月6日)
- 横浜市「マイナンバーカードを持っている人のオンラインによる転出届(市外への引越し)」(最終更新2026年4月6日)
- 札幌市「マイナンバーカードをお持ちの方の転出手続きについて(マイナポータルを利用した、オンラインでの転出届)」(更新2025年3月11日)
- 船橋市「マイナポータルからオンラインで転出届の手続きができます」(更新2026年3月4日)
- 千葉市「マイナポータルを利用したオンライン申請をした方(転入届)」(更新2026年5月14日)
- 大阪市「オンラインによる転出届・転入(転居)予約」(2026年2月12日)
- 富山市「転出届・転入予約はマイナポータルで!」(更新2026年3月11日)
制度の運用は自治体ごとに異なり、更新されることがあります。手続きの前に、必ずお住まいの市区町村と引越し先の市区町村の公式ページをご確認ください。本記事は行政手続きの一般的な案内であり、個別の判断は各窓口にご相談ください。
