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こども誰でも通園制度の使い方【2026年版】月10時間・1時間300円が目安|0歳6か月〜2歳、保育園に通っていなくても預けられる

日本の住まいで赤ちゃんを抱いた母親が机に向かっている様子。こども誰でも通園制度は生後6か月から満3歳未満が対象

「保育園には通っていないけれど、少しだけ子どもを預けたい」。そんな家庭のための新しい仕組みが、2026年4月から全国の市区町村で始まりました。こども誰でも通園制度(正式名称:乳児等通園支援事業)です。親が働いているかどうかを問わず、生後6か月から満3歳未満のこどもが、月10時間を上限に時間単位で保育所などを利用できます。この記事では、対象・費用・申込みの順番・つまずきやすい点を、こども家庭庁の一次資料にあたって整理しました。
(本記事の基準日:2026年8月18日)

結論の要点
  • 対象は生後6か月〜満3歳未満(3歳の誕生日の前々日まで)。保育所等に通っていないこどもが前提で、就労要件はありません。
  • 上限は月10時間。ただし2026・2027年度は経過措置があり、10時間での提供が難しい市区町村は条例で月3〜9時間に設定できます。
  • 利用料は国が「1時間あたり300円程度」を標準として提示。実際の額を決めるのは事業所で、全国一律ではありません。昼食・おやつ代は別に実費がかかることがあります。
  • 流れは4段階=①市区町村へ利用申請・認定 → ②総合支援システムで事業所を探す → ③事前面談 → ④利用。予約はスマートフォンからできます。
  • 住んでいる市区町村の外の事業所も使えます(広域利用)。自治体間の協定は不要です。
目次

こども誰でも通園制度とは何か

こども家庭庁は制度の位置づけを、「現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付」と説明しています。2025年度は子ども・子育て支援法にもとづく地域子ども・子育て支援事業として一部の市町村が実施していましたが、2026年度からは「乳児等のための支援給付」という給付制度に変わり、全国の自治体で実施されることになりました。

ここが実務上の大きな違いです。市町村が任意で行う「事業」ではなく法律上の「給付」になったため、市町村には管内のすべての対象のこどもが利用できるよう提供体制を整える義務が生じます。こども家庭庁のQ&Aでも、実施する区域や施設類型を市町村が制限することはできず、対象年齢に独自の制限を設けることもできないと明記されています。

制度のかたち(2026年度から)
正式名称乳児等通園支援事業(給付の名称は「乳児等のための支援給付」)
対象のこども生後6か月〜満3歳未満(3歳の誕生日の前々日まで利用可)
保護者の要件就労要件なし(働いていなくても、求職中でも利用できる)
利用できる時間月10時間が上限。2026・2027年度は経過措置で月3〜9時間の自治体もある
利用料国の標準は1時間あたり300円程度。額を決めるのは各事業所
実施場所保育所・認定こども園・幼稚園・地域型保育事業所・地域子育て支援拠点・児童発達支援センターなど

わが家は対象になるのか|使える人・使えない人

最も多い誤解が「保育園に入れていないから使える/入れているから使えない」の線引きです。原則は「保育所等に在籍していないこと」。ただし一時預かりや児童発達支援を利用している場合は、在籍にはあたらないため対象になります。一方、企業主導型保育施設に通っている場合は保育所等の利用にあたるため対象外です。

○ 対象になる
  • 保育所・こども園に通っていない生後6か月〜2歳のこども
  • 親が働いていない・育休中・求職中の家庭
  • 一時預かり事業を使っているこども
  • 児童発達支援など障害児通所給付を受けているこども
  • 施設等利用給付を受けているこども
  • 里帰り先の市区町村の事業所を使いたい場合(申請窓口は住民票のある市区町村)
× 対象にならない
  • 保育所・認定こども園・地域型保育事業に在籍しているこども
  • 企業主導型保育施設を利用しているこども
  • 生後6か月未満のこども
  • 3歳の誕生日の前日以降のこども
  • 月の上限時間を超える分の利用(自治体独自の上乗せがある場合を除く)

なお、在籍していることを市区町村が見落として認定を出してしまった場合、あとから発覚すると認定日にさかのぼって資格を失います。二重に申し込まないよう注意してください。

申込みから利用までの流れ|4つのステップ

いきなり園に電話をしても始まりません。先に市区町村の認定を取るのが出発点です。認定を受けたあとで、こども家庭庁の総合支援システム(通称「つうえんポータル」)に登録して事業所を探します。

STEP 1
市区町村へ利用申請し、認定を受ける
住民票のある市区町村が定める方法で申請します。認定されると「乳児等支援給付認定証」が交付されます。申請から処分までの日数を定めた法律上の規定はなく、市区町村が標準処理期間を設定・公表する扱いです。早めに動くのが安全です。
STEP 2
総合支援システムで事業所を探す
認定後、システムにこどもの情報を登録します。地図や条件で事業所を検索し、スマートフォンから予約・キャンセルができます。
STEP 3
利用したい事業所と事前面談をする
アレルギー・発達・生活リズムなど、こどもの特徴を園と共有します。契約は事業所ごとに結ぶため、A園とB園の両方を使うなら契約も2本必要です。
STEP 4
利用する
支払い方法は、システム上は都度払い(当日後払い)と月額払い(後払い)の2通りが設定できます。どちらを採るかは事業所によります。

いくらかかるのか|1時間300円は「標準」であって決まりではない

利用料は、特定乳児等通園支援事業の運営に関する基準(令和7年内閣府令第95号)第12条第2項にもとづき、事業所が保護者の同意を得て徴収します。額を決めるのは事業所です。そのうえで国は「1時間あたり300円程度を標準とする」考え方を示しています。こども家庭庁のQ&Aは、これが「あくまでも標準としてお示ししている額であり、全国又は市町村単位で一律に設定することを強制するものではありません」と明言しています。

月の上限時間で見た負担の目安(1時間300円で計算した場合)
月10時間(原則) 約3,000円 月9時間(経過措置の上端) 約2,700円 月6時間 約1,800円 月3時間(経過措置の下端) 約900円
※国が示す標準額(1時間300円程度)で機械的に計算した目安です。実際の額は事業所が定めるため上下します。昼食・おやつ代などの実費は別途です。
損しないポイント
  • 実費は別会計。昼食・おやつ代は保護者の同意のうえで別に徴収して構わないとされています。予約前に「食事は出るのか、いくらか、弁当持参は可能か」を必ず確認しましょう。
  • キャッシュレス決済の手数料を保護者が負担する運用もあり得ます(運営規程に定めたうえで理解を得ることが条件)。
  • 生活困窮家庭等負担軽減加算が用意されています。ただし減額を実施するかどうかの判断は事業所が行うため、対象になりそうな場合は市区町村と事業所の両方に確認してください。
  • 自治体独自の上乗せで10時間より長く使える地域もあります。ただし上乗せ分は他市区町村の事業所ではシステム予約ができません。

住んでいる自治体で条件が変わる|経過措置とパターン別の分岐

「月10時間」は国の原則ですが、実際に使える時間は自治体によって違います。こども家庭庁は2025年9月16日付の事務連絡で、2026年度・2027年度について「10時間での提供が困難な自治体においては、暫定的に利用可能時間を3時間〜9時間の範囲内で設定」できる経過措置を設ける方針を示しました。経過措置を使う市区町村は、その時間を条例で定めます。

注意したいのは、この設定時間がその自治体の住民にとっての上限になる点です。Q&Aでは、経過措置で月3時間と設定した自治体の住民が3時間を超えて利用しても、超えた部分に給付は行われないと明記されています。まず自分の市区町村が何時間なのかを確認するところから始めてください。

こんなときはどうなる|パターン別の分岐
隣の市の園を使いたい使えます。市区町村に「他市の住民の利用を認めない」権限はありません。ただし自治体が事業者に住民向けの優先予約枠を設けるよう求めることはあり、枠は取りにくいことがあります。
里帰り出産で実家にいる住民票を移していなければ、申請窓口は元の市区町村です。帰省先の事業所へはシステム経由で直接申し込みます。
一時預かりも使っている併用できます。自治体が認めれば同じ日に前半を誰でも通園、後半を一時預かりとして連続利用することも可能です。
医療的ケアが必要受入れ体制の整った事業所での利用になります。市区町村には医療的ケア児を含めた体制確保が求められています。まず窓口に相談してください。
最初は離れるのが不安親子で一緒に通う(親子通園)を推奨している事業所もあります。条件は事業所判断です。ただし親子通園が長く続く状態は制度の趣旨に沿わないとされています。

現場でつまずきやすい5つのこと

制度が始まって数か月の時点で、保護者・事業者の双方から挙がっている論点を、公式資料で確認できる範囲に絞って整理します。

1|予約が取れない

制度上はすべての対象のこどもに利用する権利があり、市区町村は「待機児童がいるから量の見込みをゼロにする」といった見込み方はできないとされています。とはいえ受け皿の整備には時間がかかります。国は幼稚園や地域子育て支援拠点、児童発達支援センターなど多様な主体への働きかけ、空き定員を使う余裕活用型の活用、公立施設での実施検討を市区町村に求めています。枠が取れない状態が続くなら、自治体の窓口に状況を伝えることが提供体制の改善につながります。

2|「習い事のような時間」を期待してしまう

こども家庭庁の手引は、リトミック教室や英語教室、スイミングスクールなどの習い事に類する内容をこの制度に当てはめて提供し、早期教育の場の形とすることは適切ではないとしています。目的は、家庭以外の人やこどもと関わる経験を得ることにあります。

3|夜間に預けたい

法令上は夜間の開所が禁じられているわけではありませんが、国は利用時間は日中に設定することを想定しており、保護者の事情に合わせて夜間に一時的に預かる運営は適切ではないとしています。夜間や急な残業への対応は、一時預かりやファミリー・サポート・センターなど別の制度で考えるほうが現実的です。

4|園の休業期間がある

放課後児童クラブと併設している場合など、長期休業中に実施を休止・縮小する事業所もあります。毎年決まっている休業期間は運営規程の重要事項に定めることとされているので、契約前に確認してください。

5|きょうだいで条件が違う

上の子が保育所に在籍していれば上の子は対象外、下の子が未在籍なら下の子は対象、という形になります。また下の子が生後6か月に達していなければ、達するまで利用できません。「3歳の誕生日の前々日まで」という終わりの線も、月末ではなく誕生日基準である点に注意してください。

事前面談までに確認しておくことチェックリスト
  • 自分の市区町村の月の上限時間は何時間か(経過措置の有無)
  • その事業所の1時間あたりの利用料はいくらか
  • 昼食・おやつは出るか、実費はいくらか、弁当持参は可能か
  • 支払いは都度払いか月額払いか、キャッシュレス手数料の負担はあるか
  • 実施曜日・時間帯と、年間の休業期間
  • アレルギー・持病・医療的ケアへの対応可否
  • キャンセルの期限と、キャンセル時の時間の扱い
  • 親子通園ができるか、慣らしの進め方

編集部の見方|月10時間を「少ない」と切り捨てないほうがいい理由

月10時間は、たしかに就労のための預け先としては足りません。1時間300円が標準なら月3,000円程度で、金額の面でも家計を大きく動かす制度ではありません。「名ばかりではないか」という指摘が出るのも理解できます。

ただ、この制度の設計思想は保育の代替ではなく、「保育所等に通っていない家庭に、園という接点を作ること」にあります。編集部として実務的な価値があると考えるのは次の3点です。第一に、事前面談を通じて園の保育者が家庭の状況を知ること。孤立しがちな在宅育児で、月に数時間でも専門職と話せる場ができる意味は小さくありません。第二に、こどもが家族以外と関わる経験を早い段階で持てること。第三に、保活や職場復帰の前の「予行演習」になることです。実際に園の空気を知ってから認可申請に臨めるのは、書類だけで選ぶより判断の精度が上がります。

逆に、期待しすぎないほうがよいのは「困ったときの緊急の預け先」としての機能です。予約制で枠に限りがあり、夜間利用も想定されていません。急な用事や病気の際は一時預かり、病児保育、ファミリー・サポート・センターなど別の制度を並行して確保しておくのが現実的です。誰でも通園は「日常の余白を作る制度」、一時預かりは「緊急に対応する制度」と役割を分けて考えると、使い方を間違えにくくなります。

最初にやること
お住まいの市区町村の子育て担当課のページで「乳児等通園支援事業」または「こども誰でも通園制度」を検索し、①月の上限時間 ②申請方法 ③実施している事業所の一覧の3点を確認してください。こども家庭庁の専用サイトでも都道府県を選んで実施状況を確認できます。

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よくある質問

親が働いていなくても本当に使えますか?

使えます。こども誰でも通園制度は就労要件を問わない仕組みとして設計されており、こども家庭庁も「就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付」と説明しています。専業で育児をしている家庭、育休中の家庭、求職中の家庭のいずれも対象です。

いつまで利用できますか?

3歳の誕生日の前々日までです。こども家庭庁のQ&Aに明記されています。満3歳以上になると、新制度幼稚園や認定こども園を使う教育・保育給付の1号認定、私学助成幼稚園等を使う施設等利用給付の1号認定に移ることが想定されています。

利用料は無料になりませんか?

原則として利用料はかかります。国は1時間あたり300円程度を標準として示しており、実際の額は事業所が保護者の同意を得て定めます。ただし生活困窮家庭等負担軽減加算という仕組みがあり、減額を行う事業所もあります。減額を実施するかどうかの判断は事業所が行うため、市区町村と事業所の両方に確認してください。

住んでいる市区町村以外の園も使えますか?

使えます。2026年度からは市町村実施事業ではなく給付制度になったため、市町村に「他市の住民の利用を認めない」権限はありません。自治体間の協定も不要です。ただし、住民を優先する予約枠が設定されることはあります。

保育園に通いながら併用できますか?

できません。保育所・認定こども園・地域型保育事業・企業主導型保育施設に在籍しているこどもは対象外です。誤って認定が出た場合、あとから発覚すると認定日にさかのぼって資格を失います。一方、一時預かり事業や児童発達支援は在籍にあたらないため併用できます。

月10時間を使い切ったら追加で使えますか?

制度としての上限は1人あたり月10時間で、それを超える時間は制度の対象外です。ただし自治体が独自の負担で上乗せを設けることは妨げられていません。上乗せがあるかどうかは市区町村に確認してください。なお上乗せ分は総合支援システムで他市区町村の施設を予約できない仕組みになっています。

出典・参照した公式資料

  • こども家庭庁「こども誰でも通園制度について」(制度の概要・手引・法令・通知の一覧/基準日 2026年8月18日確認)
    https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/daredemo-tsuen
  • こども家庭庁保育政策課「令和8年度 こども誰でも通園制度に関するQ&A【第1版】」(令和8年4月1日)- 対象年齢・上限時間・利用料・広域利用・認定の取扱い
  • こども家庭庁成育局保育政策課 事務連絡(令和7年9月16日)「基本的な指針等の改正等について」- 令和8・9年度の利用可能時間の経過措置(3時間〜9時間)
  • こども誰でも通園制度 総合支援システム ポータルサイト(つうえんポータル)- 利用の4ステップ・地域別の実施状況
    https://www.daretsu.cfa.go.jp/
  • 特定乳児等通園支援事業の運営に関する基準(令和7年内閣府令第95号)第12条 - 利用料の徴収

制度の運用は市区町村ごとに異なり、経過措置の適用状況や実施事業所は随時変わります。申込みの前に、必ずお住まいの市区町村の最新の案内をご確認ください。本記事は制度の一般的な解説であり、個別の申請の可否を保証するものではありません。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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