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傷病手当金のもらい方【2026年版】1日いくら・通算1年6か月の数え方|待期3日の作り方と「退職日に出勤」の落とし穴

自宅のダイニングで無地の書類と封筒を前に思案する30代男性の写真に「傷病手当金は休みの4日目から/給与の約3分の2・通算1年6か月まで」の見出しを載せたアイキャッチ

まず結論:いくら・いつから・いつまで

  • いくら:1日あたり「支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3」。月給30万円クラスならおおむね1日6,667円・30日で約20万円
  • いつから:休み始めて連続3日間(待期)を終えた4日目から。待期には土日祝・有給も入り、給与の有無は関係ありません
  • いつまで:同じ病気について支給開始日から通算して1年6か月。復職していた期間はカウントされません(2022年1月から通算制)
  • 申請の単位:事業主の証明が要るため給与の締切日ごとに1か月単位で出すのが協会けんぽの推奨。振込は受付から10営業日以内が目安
  • 最大の落とし穴:退職日に出勤すると、退職後の傷病手当金(継続給付)が受けられません

病気やケガで働けなくなったとき、健康保険から出るのが傷病手当金です。制度自体は知られていても、「待期3日の作り方」「通算1年6か月の数え方」「退職日の扱い」でつまずいて受け取り損ねる人が少なくありません。この記事は協会けんぽの公表内容をもとに、編集部が実務の順番どおりに整理したものです。基準日は2026年7月27日、記載は協会けんぽ(全国健康保険協会)の取扱いを前提としています。

受給までの時系列(休み始めてから振込まで)

  • 1〜3日目

    待期期間(ここは支給されない)

    療養のために仕事を休んだ日から連続する3日間。土日祝も有給休暇も待期に数えます。逆に「2日休んで3日目に出勤」だと待期は成立せず、数え直しになります。

  • 4日目〜

    ここから支給対象になる

    労務不能で給与の支払いがない日が対象です。給与が一部出ていても、傷病手当金の額より少なければ差額が支給されます。

  • 休職中

    会社に連絡し、申請書を3者で埋める

    申請書は本人・事業主・主治医の3者が記入します。主治医の意見欄は診察を受けたうえで記入してもらうため、通院日程から逆算して動きます。

  • 給与締切日ごと

    1か月単位で申請する

    事業主の証明が必要なため、給与の締切日ごとに区切って申請するのが協会けんぽの推奨です。まとめて長期間分を出すと、そのぶん最初の入金も遅れます。

  • 受付から10営業日以内

    審査を通れば振込

    初回は事業主・医師の記入不備で差し戻されやすく、休み始めてから初回入金まで1〜2か月空くことを前提に手元資金を組みます。

  • 復職・再休職

    復職した期間はカウントされない

    2022年1月の改正で通算制になりました。復職して働いた期間は1年6か月に含まれないため、再発したときに残り期間を使えます。

  • 通算1年6か月

    支給の上限に到達

    同一の傷病について支給開始日から通算1年6か月で終了します。その先も働けない場合は、障害年金の請求を検討する時期になります。

目次

1日あたりいくらもらえるのか

標準報酬月額別・1日あたりの支給額の目安

標準報酬月額20万円約4,447円/日標準報酬月額30万円約6,667円/日標準報酬月額40万円約8,887円/日30日分に換算すると、上から約13.3万円/約20.0万円/約26.7万円

計算は「12か月の標準報酬月額の平均÷30日(10円未満を四捨五入)×2/3(1円未満を四捨五入)」。加入期間が12か月に満たない場合は、直近の平均額と32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降の場合)のいずれか低い額で計算されます。

注意したいのは、これは額面ベースだという点です。休職中も健康保険料・厚生年金保険料の負担は続くため、実際に手元に残る額はここからさらに減ります。

もらえるケース・もらえないケース

状況傷病手当金は?根拠・補足
仕事中・通勤中のケガ対象外労災保険の給付対象。労働基準監督署へ
自宅療養(入院していない)対象労務不能の証明があれば自宅療養でも支給対象
自費で診療を受けた対象労務不能の証明があれば健康保険給付以外の療養でも可
美容整形など保険給付外の療養対象外病気とみなされないもの
任意継続被保険者の期間中に発病対象外任意継続中に発生した病気・ケガには支給されない
出産手当金も受けられる期間調整あり出産手当金が優先。少ない場合は差額が支給される
退職後に老齢厚生年金を受け始めた調整あり原則不支給。年金額の360分の1が日額より低ければ差額
📮 申請先は勤務先の健康保険(協会けんぽ/健保組合)です
傷病手当金は国民健康保険にはない制度で、会社員などが加入する健康保険の給付です。申請書は加入先(協会けんぽ支部または健康保険組合)の様式を使い、事業主の証明欄と医師の意見欄の両方が必要です。保険証に記載された保険者名を確認するのが最初の一歩です。

知らないと損する・取り返しがつかないポイント

知らないと損する・取り返しがつかないポイント

  • 退職日に出勤しない。協会けんぽは「退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないため退職日の翌日以降の傷病手当金は支払えない」と明記しています。挨拶回りや私物の引き取りで出社したことが出勤扱いになると、退職後の受給がまるごと消えます。
  • 退職前に「被保険者期間が継続して1年以上」あるかを確認する。継続給付の条件です。転職直後の休職では届かないことがあり、退職のタイミングを1か月ずらすかどうかの判断材料になります(任意継続・共済・国保の期間は除きます)。
  • 復職を焦って1日でも「労務可能」と判断されない。継続給付は、いったん働ける状態になると、その後に悪化しても再開されません。在職中の通算1年6か月とは扱いが違う点に注意してください。
  • 待期3日を連続で作る。2日休んで3日目に出社すると待期はリセットされます。体調が悪い時期に無理に半日出社すると、結果的に受給開始が遅れます。
  • 申請は1か月ごとに区切る。まとめて出すほど初回入金が遅れます。手元資金が心配なら、最初の1か月分をできるだけ早く出すのが実務的です。

あなたの場合はこう:状況別の進め方

在職したまま休職する

会社の傷病休職制度と組み合わせます。健康保険料・厚生年金保険料は休職中も発生するため、給与天引きができない分をどう払うか(会社が立替えて復職後に精算するなど)を人事に先に確認しておきます。ここを聞き忘れると、復職後の給与から一度に引かれて驚くことになります。

休職期間が満了し、退職する見込み

継続給付の2条件(退職日までに継続1年以上の被保険者期間/退職日に受給中または受給できる状態)を満たすかを先に確認します。とくに退職日に出勤しないことが決定的です。有給休暇を充てる場合は出勤扱いにはなりません。

退職後、失業給付ももらいたい

雇用保険の基本手当は「働ける状態」が前提のため、働けない期間は同時には受け取れません。ハローワークで受給期間の延長を申請しておき、働ける状態になってから求職の申込みをする流れが一般的です。延長には申請期限があるので、退職後すぐに確認してください。

1年6か月が近づいてきた

支給は同一傷病について通算1年6か月で終わります。その後も就労が難しい場合は、障害年金(障害厚生年金・障害基礎年金)の請求を検討する時期です。初診日から1年6か月が障害認定日の原則で、傷病手当金の終期と重なることが多くあります。

国民健康保険に加入している自営業・フリーランス

市町村国保には原則として傷病手当金の制度がありません。就業不能に備えるなら、所得補償保険や小規模企業共済など別の手段を検討する必要があります。

📮 医師の意見欄は「療養期間が過ぎてから」記入してもらいます
体験談で多いのが「先に記入してもらったら、対象期間より前の日付で書かれて出し直しになった」というつまずきです。医師は実際に労務不能だった期間を証明するため、申請対象期間が終わった後に記入を依頼するのが原則です。文書料が別途かかることも多く、月ごとに申請すると回数分の負担になります。

現場でつまずくところ

体験談で多く語られる「現場のつまずき」

  • 主治医の意見欄に文書料がかかる。医療機関によって金額は異なりますが、申請のたびに数百〜数千円かかったという話は頻繁に出てきます。1か月ごとに申請する以上、毎回発生する固定費として見込んでおくと計算が狂いません。
  • 医師が「療養期間」を短く書いてしまう。診察していない先の期間は書けないため、申請対象期間を過ぎてから受診・記入してもらう順番になります。締切日直後に受診予約を入れておくと流れが滑らかだという声が多くあります。
  • 事業主証明でつまずく。総務が慣れていないと、記入漏れや押印待ちで1〜2週間止まります。休職に入る前に「申請書のやり取りは誰と、どの手段で行うか」を決めておくと後が楽です。
  • 初回入金までの空白。休み始めてから最初の振込まで1〜2か月かかったという報告が目立ちます。傷病手当金は後払いであり、当座の生活費は別に確保しておく前提で計画するのが現実的です。
  • 会社を辞めるつもりがなくても、最終出社日は要注意。のちに退職に至ったとき、退職日の扱いが受給の可否を分けます。退職日に出社しないことだけは、体調が回復してきた時期でも守るべき一線として語られます。

※この項目は個人のブログ・体験記で繰り返し語られる内容を編集部が要約したものです。制度の数値・条件は下部の出典(協会けんぽ)で確認しています。

生活設計の目安と、編集部の判断材料

生活設計の目安 — 編集部の判断材料

傷病手当金は手取りの全額ではありません。おおむね額面の3分の2で、そこからさらに社会保険料の負担が続きます(所得税・住民税の扱いは異なります)。「いくら足りないか」を先に出しておくと、休職の判断そのものが落ち着いてできます。

堅実に備えたい人はここまで

傷病手当金の日額×30日を計算し、そこから健康保険料・厚生年金保険料・住民税を引いた手取り見込みを出します。初回入金まで2か月分の生活費を現金で確保できていれば、当面は回ります。まずはここまでで十分です。

もう一段そなえたい人はここまで

住宅ローンや教育費で固定費が重いなら、就業不能保険や所得補償保険の検討余地があります。ただし免責期間(60日・180日など)と支払対象外の傷病が商品ごとに大きく違い、傷病手当金と重なる期間は保障が薄い設計のものもあります。「必要なのは1年6か月より後」という視点で見比べてください。

先に専門窓口へ相談すべきケース

労災かどうか微妙/会社が申請書の証明に応じない/1年6か月の終了が見えていて障害年金を検討したい。前二者は労働基準監督署や年金事務所・社会保険労務士、後者は年金事務所が窓口です。

※当編集部は保険会社・金融機関と提携しておらず、特定の商品を勧めるものではありません。上記は判断材料としての整理です。

📮 退職後の継続給付は条件が厳格です
退職後も受け取り続けられる「継続給付」には退職日までに継続1年以上の被保険者期間があること、退職日に労務不能であることなどの条件があります。退職日に出勤して挨拶回りをしたために継続給付が認められなかったという例も語られます。退職が絡む場合は事前に保険者へ確認してください。

よくある質問

傷病手当金は1日いくらもらえますか?

1日あたりの額は「支給開始日以前12か月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」で計算します。標準報酬月額30万円なら1日約6,667円、30日分で約20万円が目安です。加入期間が12か月に満たない場合は、直近の継続した各月の平均額と32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降)のいずれか低い額で計算されます。

待期3日間に土日や有給休暇は含まれますか?

含まれます。待期は「療養のために仕事を休んだ日が連続して3日間」あることが条件で、公休日や有給休暇も含まれ、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。ただし連続していることが必要で、2日休んで3日目に出勤すると待期は成立せず、数え直しになります。

退職したあとも傷病手当金は受け取れますか?

2つの条件を満たせば受け取れます。1つ目は退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること(任意継続・共済組合・国民健康保険の期間は除く)。2つ目は退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であることです。なお退職日に出勤すると継続給付の条件を満たさず、退職日の翌日以降は支給されません。

復職して再発した場合、また受け取れますか?

2022年1月から支給期間が通算制になったため、復職して働いていた期間は1年6か月にカウントされません。同じ病気で再び働けなくなった場合、残っている期間について支給を受けられます。ただし退職後の継続給付では扱いが異なり、いったん働ける状態になると、その後悪化しても支給は再開されません。

失業給付(雇用保険の基本手当)と同時にもらえますか?

同時には受け取れません。基本手当は働ける状態にあることが前提だからです。退職後も療養が続く場合は、ハローワークで受給期間の延長を申請しておき、働ける状態になってから求職の申込みをするのが一般的な流れです。延長の申請には期限があるため、退職後早めにハローワークで確認してください。

あなたの体験を聞かせてください

この手続きで「実際はこうだった」「ここでつまずいた」という経験があれば、体験談募集フォームから教えてください。許諾をいただいたものだけ、出所を明示して記事に反映します。

出典と注意書き

出典(2026年7月27日確認)

本記事は編集部が公的機関の公開情報をもとに整理したものです(専門家監修記事ではありません)。健康保険組合に加入している場合は付加給付など独自の取扱いがあり、金額や条件が異なることがあります。手続きの前に必ずご自身の保険者と勤務先にご確認ください。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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