自分が使える補助金・助成金を30秒でチェック(無料・登録不要)

新規就農でもらえるお金は最大825万円【2026年版】就農準備資金・経営開始資金と、全額返還になる9つのケース

新規就農の資金 補助金・助成金 最大825万円と返還の9条件

就農準備資金は月13.75万円×最長2年(最大330万円)、経営開始資金は月12.5万円×最長3年(最大495万円)で、合わせて理論上の上限は825万円です。いずれも課税対象で、要件を外すと全額返還になるケースが9種類定められています。金額より「どう使えば返さずに済むか」が要点です(基準日:2026年8月20日/農林水産省・都道府県の公表資料にもとづく編集部の整理)。

本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。紹介する順序や評価は、公的機関の一次情報および各社の公式情報をもとに編集部が独自に判断しており、広告の有無で内容を変えていません。

この記事の結論

  • 金額:就農準備資金=月13.75万円×最長2年(最大330万円)/経営開始資金=月13.75万円×最長3年(最大495万円)。合計で最大825万円。
  • 年齢:どちらも就農予定時に原則50歳未満。「49歳以下」という表現も同じ意味です。
  • 窓口が違う:就農準備資金は都道府県など、経営開始資金は市町村。申請様式を作る前に必ず窓口へ相談するよう国が明記しています。
  • 最大の落とし穴は返還:研修終了後1年以内に就農しない、独立就農後5年以内に認定新規就農者にならない、就農継続期間や年間従事日数(例:年150日かつ約1,500時間)を満たさない——いずれも全額返還の対象です。
  • 所得制限:申請時点で前年の世帯所得が原則600万円以下。世帯には本人・配偶者・子・父母が入ります。
  • 受付期間が短い:例えば和歌山県の令和8年度受付は5月20日〜5月25日の6日間だけ。年に一度の枠を逃すと1年待ちになります。

基準日:2026年8月20日/出典:農林水産省「就農準備資金・経営開始資金」、広島県・和歌山県の交付要件ページ

目次

就農準備資金と経営開始資金は、何がどう違うのか

 就農準備資金経営開始資金
使う時期就農前の研修中就農直後の経営確立まで
金額月13.75万円(年165万円)月13.75万円(年165万円)
期間最長2年(海外研修を加える場合は最長3年)最長3年
交付主体都道府県/市町村/青年農業者等育成センター/全国農業委員会ネットワーク機構市町村
主な提出書類別紙様式第1号(研修計画)青年等就農計画+別紙様式第2号
年齢就農予定時/独立自営就農時に原則50歳未満

見落とされやすいのが交付主体の違いです。就農準備資金は都道府県の農林大学校や振興局、経営開始資金は市町村が窓口です。農林水産省も、様式を作る前に交付主体へ相談するよう注意を出しています。

最大825万円の内訳と、実際に手元に残る額

「最大825万円」は理論上の上限です。研修を1年で切り上げれば準備資金は165万円になり、経営開始資金は前年の世帯所得が600万円を超えた年は停止されます。

交付額の上限(万円)

就農準備資金 330万円(165万円×2年) 経営開始資金 495万円(165万円×3年) 合計(最大) ※両方を上限まで使い切った場合の理論値。所得制限や研修期間により実際の交付額は下がります。

これらの資金は課税対象で、事業所得(または一時所得等)として確定申告が必要です。農林水産省は受給者向けの確定申告の案内を出し、青色申告を勧めています。月13.75万円を手取りと考えると翌年の税・国民健康保険料で足が出ます。

申請から交付までの流れ(就農準備資金の場合)

STEP 1

就農相談窓口へ相談(受付の半年〜1年前)

都道府県の就農相談窓口、または就農したい市町村へ。この段階で「どの資金が使えるか」「研修先が認定機関か」を確認します。

STEP 2

研修先を決める(認定研修機関であることが必須)

農林大学校、就農支援センター、県が認定した先進農家・先進農業法人など。新規就農支援ポータルサイトに公表された機関であることが要件です。研修期間はおおむね1年かつ年間1,200時間以上。

STEP 3

傷害保険に加入する

研修中の事故に備えた傷害保険への加入が交付要件。交付期間が始まるまでに(すでに研修を始めている人は承認申請までに)加入しておく必要があります。

STEP 4

研修計画承認申請書を提出(受付期間は数日〜数週間)

別紙様式第1号(研修計画)に必要書類を添えて申請窓口へ。書類に不備があると受け付けてもらえません。相談は受付期間前でもできるので、書類の下見をしてもらうのが安全です。

STEP 5

審査・研修計画の承認

要件を満たしていても予算の範囲内での交付決定です。「要件を満たす=必ずもらえる」ではありません。

STEP 6

交付開始と定期報告

交付が始まったら研修状況報告を定期的に提出します。報告を出さなかった期間分は返還対象です。研修終了後も就農状況の報告義務が続きます。

経営開始資金では、STEP2〜3の代わりに市町村から「青年等就農計画」の認定を受ける(=認定新規就農者になる)ことが中心になります。この認定は後述の設備投資の補助金を使う前提条件でもあります。

交付を受ける前に、経営開始の記帳体制を決める

就農準備資金も経営開始資金も、青色申告や就農状況報告が前提になります。開始時点で会計ソフトを入れておけば、あとから1年分を入力し直す手間がなくなります。

▶ 記帳を自動化するならfreee会計(無料プランから)

▶ マネーフォワード クラウド会計を1ヶ月無料で試す

パターン別・あなたはどの資金を狙うべきか

就農の型使える資金果たすべき約束(守らないと全額返還)
独立・自営就農準備資金+経営開始資金就農後5年以内に青年等就農計画または農業経営改善計画の認定を受ける
雇用就農(農業法人で常勤)準備資金のみ研修終了後1年以内に期間の定めのない雇用契約、または通算5年以上の雇用契約を結ぶ
親元就農準備資金(条件付き)家族経営協定等で責任と役割を明確化したうえで、就農後5年以内に経営を継承する/法人の経営者になる/独立自営就農する
独立前提の雇用就農準備資金就農後5年以内に独立・自営就農する、または法人の共同経営者になる

親元就農は特に注意が必要です。「実家の農業を手伝う」だけでは要件を満たしません。家族経営協定などで農業への専従と専従者給与の支払いを書面で明確にし、5年以内の経営継承まで確約する必要があります。

研修先を親族の農家にすることもできません。要綱は先進農家等の経営主が三親等以内の親族でないこと、過去に雇用契約(短期のパート等を除く)が無いことを求めています。

就農で引っ越すなら、住まいの手続きも同じ時期に動かしておく

就農準備資金も経営開始資金も、研修先や就農予定地への転居とセットになることが多い制度です。転入届を出したあとでないと進まない手続き(国民健康保険・児童手当・運転免許の住所変更など)があり、インターネット回線は繁忙期(2〜4月)に開通工事の待ち時間が延びます。資金の申請書づくりと並行して、住まい側の期限も一度並べておくと、あとでまとめて慌てずに済みます。

期限順の全体像は引越しの住所変更手続きは何をいつやる?期限順の逆算表、回線の申し込み時期は引越しの光回線はいつ申し込むか(入居日から逆算するカレンダー)にまとめています。

損しないポイント:全額返還になる9つのケース

ここが制度の核心です。広島県が公表する資料では返還条件が一部返還2種・全額返還9種として整理されています。病気や災害などやむを得ない事情と認められる場合を除き、以下に当てはまると返還を求められます。

全額返還になる9つのケース

  1. 適切な研修を行っていないと交付主体が判断した場合(研修を行っていない、技術習得の努力をしていない等)
  2. 研修終了後1年以内に、原則50歳未満で独立自営就農・雇用就農・親元就農のいずれもしなかった場合(就農遅延報告をして原則2年以内に就農した場合を除く)
  3. 海外研修をした人が、就農後5年以内に計画した農業経営を実現できなかった場合
  4. 親元就農をした人が、家族経営協定等で確約したことを実施しなかった場合
  5. 独立自営就農した人が、就農後5年以内に農業経営改善計画または青年等就農計画の認定を受けなかった場合
  6. 雇用就農をした人が、雇用契約に関する要件を満たさなかった場合
  7. 就農継続期間が足りない場合、またはその間の農業従事日数が一定(例:年間150日かつおおむね年間1,500時間)未満である場合
  8. 研修終了後の報告を、定められた期間内に行わなかった場合
  9. 虚偽の申請等を行った場合

※7の「就農継続期間」は、交付期間の1.5倍と2年間のいずれか長い期間(海外研修者は5年間)。2年間の準備資金を受けたなら3年間の就農継続が必要という計算になります。

返還リスクの正体は「入口」ではなく就農後の「証明」です。年間150日・1,500時間の従事実績も5年以内の認定も数年経ってから効いてきます。研修中の記録と就農後の作業日誌を最初から残すことが実質的な返還対策です。

返還条件に備えて、資金の出入りを見える化する

就農中止や要件未達の場合は交付済みの資金を返すことになります。補助金・自己資金・売上を分けて記録しておくと、返還額の算定と説明がその場でできます。

▶ 記帳を自動化するならfreee会計(無料プランから)

▶ マネーフォワード クラウド会計を1ヶ月無料で試す

イレギュラー・現場で起きやすいつまずき

受付期間が「6日間だけ」の県がある

和歌山県の令和8年度の受付は令和8年5月20日から5月25日まで(持参は平日9時30分〜17時)。不備があると受け付けられないため、実質の準備期限は受付開始の数週間前です。

世帯所得600万円の判定に、同居していない家族も入る

所得要件の「世帯」は、本人と同居または生計を一にする別居の配偶者・子・父母です。仕送りや別居の配偶者の収入も合算されます。600万円を超えても、切実な事情を交付主体が認めれば採択の余地は残ります。

「生活費を目的とした国の他の給付」との二重取りができない

失業保険(雇用保険の基本手当)や生活保護など、生活費の確保を目的とした国等の給付を受けていると原則として対象外です。退職のタイミングと研修開始日は、失業給付の受給期間と突き合わせて設計してください。

生活費のあとに来る「設備投資」の補助金

就農準備資金・経営開始資金はあくまで生活費の資金で、トラクターやハウスは別の事業でまかないます。2026年度(令和8年度)は新規就農者チャレンジ事業が用意されています。

項目新規就農者チャレンジ事業(令和8年度)
対象者認定新規就農者(市町村から青年等就農計画の認定を受けた個人・法人)で、独立自営就農時の年齢が65歳未満
補助上限(国費)個人1,500万円以内/法人3,000万円以内
補助率3/10以内
対象になる取組農業用機械・施設の改良または取得(中古を含む)、修繕・移設・撤去、家畜の導入、果樹・茶の新植や改植など
経営開始資金との関係同時受給は不可(資金の受給が終わってからなら活用可)
成果目標①経営面積3割以上の拡大 ②付加価値額1割以上の拡大 ③労働生産性3%以上の向上 のいずれか1つを選択

ここでも「認定新規就農者であること」が入口条件です。青年等就農計画の認定は、経営開始資金の返還を避ける条件であると同時に、設備投資の補助金を使うためのパスポートでもあります。

なお経営発展支援事業と経営開始資金を併せて受ける場合、経営発展支援事業の補助対象事業費の上限は500万円になると農林水産省が明記しています。「両方満額」は想定されていません。

編集部の見立て:825万円は「4年分の生活費」ではない

月13.75万円は単身の生活費ならぎりぎり成立しますが、就農初期は種苗・資材・燃料・軽トラの維持費が同時に発生し、翌年の税・国民健康保険料も乗ります。「生活費の全額」ではなく「持ち出しを半分に減らす下支え」と考えるのが現実的です。

この制度の本当の価値は、金額よりも期限を切ってくれることにあると考えます。研修終了から1年以内の就農、5年以内の認定、年150日の従事。締切を守れる見通しが立たないうちは受け取らないという判断も合理的です。

補助金・給付金の全体像は補助金・助成金ガイドにまとめています。就農後の経理・確定申告については暮らしの手続きガイドもあわせてご覧ください。

就農1年目の確定申告をラクにする

農業所得は経費区分が多く、手入力だと申告直前に時間を取られます。口座やレシートの取り込みを自動化しておけば、青色申告特別控除の要件も満たしやすくなります。

▶ 記帳を自動化するならfreee会計(無料プランから)

▶ マネーフォワード クラウド会計を1ヶ月無料で試す

よくある質問

就農準備資金と経営開始資金は同時にもらえますか

同時には受けられません。就農準備資金は就農前の研修期間に、経営開始資金は就農後の経営開始期間に交付されるもので、時期が重なりません。順番に使うことで合計最大825万円になります。

50歳を過ぎていると、まったく支援は受けられませんか

就農準備資金・経営開始資金は就農予定時に原則50歳未満という要件があるため対象外です。ただし、設備投資を支援する新規就農者チャレンジ事業は独立自営就農時の年齢が65歳未満で、認定新規就農者であれば活用できます。生活費の資金と設備の補助金では年齢の線引きが違う点に注意してください。

研修を途中でやめたら、全額返さないといけませんか

研修を途中で中止・休止した場合は、原則として残りの対象期間の月数分を月単位で返還する一部返還になります。ただし、適切な研修を行っていないと交付主体が判断した場合は全額返還です。病気や災害などやむを得ない事情と認められる場合は返還を求められないこともあるため、中断が決まった時点ですぐ交付主体へ連絡してください。

資金に税金はかかりますか

かかります。農林水産省は受給者向けに確定申告の案内を公表しており、あわせて青色申告を勧めています。月13.75万円をそのまま可処分所得と見込まず、翌年の所得税・住民税・国民健康保険料の負担を織り込んで資金計画を立ててください。

要件を全部満たせば必ず交付されますか

いいえ。要件を満たした申請を審査したうえで、予算の範囲内で交付の可否が決まります。和歌山県も「予算の範囲内で交付の可否を決定させていただく」と明記しています。受付期間が短い県が多いこともあり、早めに窓口へ相談して枠の状況を確認しておくのが確実です。

申請はどこに相談すればよいですか

制度全般は各農政局等の窓口、就農したい地域のことは各都道府県の就農相談窓口が入口です。経営開始資金は就農地の市町村が交付主体になるため、就農先が決まっているなら市町村の農政担当部局へ直接相談するのが早道です。

※本記事は2026年8月20日時点で公表されている農林水産省および都道府県の資料に基づく一般的な解説です。要綱は年度ごとに改正され、細部の要件は都道府県・市町村ごとに異なります。申請にあたっては必ず交付主体の最新の要綱をご確認ください。

出典

  • 農林水産省「就農準備資金・経営開始資金」(令和8年度実施要綱・申請様式)
  • 農林水産省「新規就農者チャレンジ事業」(令和8年1月版・令和8年度予算概算決定額2,920百万円の内数)
  • 広島県「『就農準備資金』(新規就農者育成総合対策事業)に係る交付要件について」(2026年6月25日掲載)
  • 和歌山県「新規就農者育成総合対策(就農準備資金・経営開始資金・経営発展支援事業)」

あなたの体験を聞かせてください

この手続きで「実際はこうだった」「ここでつまずいた」という経験があれば、体験談募集フォームから教えてください。許諾をいただいたものだけ、出所を明示して記事に反映します。

関連する記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

目次