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育児時短就業給付金【2026年版】賃金の10%が上乗せ・2歳未満の子の時短勤務が対象|申請期限は4か月

生成り色の帯に「出産・育児/育児時短就業給付金/賃金の10%を上乗せ・申請期限は4か月」と記した見出しと、日本の住まいで乳児を抱いた母親が机上の書類を見て考えている写真

育児時短就業給付金は、2歳未満の子のために時短勤務をして賃金が下がった月に、その月の賃金の10%が支給される雇用保険の給付です。2026年8月1日以後の支給限度額は484,121円、申請期限は最初の支給対象月の初日から4か月以内。情報基準日:2026年9月18日(厚生労働省の公表資料で確認)。

結論の要点(2026年9月18日時点)

  • 育児時短就業給付金は2025年4月1日に創設された雇用保険の給付。2歳未満の子を育てるために時短勤務をして賃金が下がったときに支給されます。
  • 支給額は原則、その月に支払われた賃金額の10%。時短前の賃金の90%以下に下がった月が対象です。
  • 対象は雇用保険の被保険者で、①育児休業給付の対象となる育休から続けて時短就業を始めた、または②時短就業開始日前2年間に被保険者期間が12か月ある、のいずれか。
  • 申請先は事業所を管轄するハローワーク。原則として会社経由で手続きします。申請期限は最初の支給対象月の初日から4か月以内。
  • 賃金と給付金の合計が支給限度額を超えると、超えた分は減額されます。限度額は毎年8月1日に改定されるため、申請時点の額を必ず確認してください。

育休から復帰して時短勤務を選ぶと、その分だけ給料が減ります。「保育園には預けられたけれど、フルタイムに戻すのはまだ難しい」「時短にしたら手取りが想定より減った」——この時期の収入の落ち込みを一部埋めるためにつくられたのが、育児時短就業給付金です。

2025年4月1日に始まった比較的新しい制度で、育児休業給付や出生後休業支援給付とくらべると認知度が高くありません。会社の担当者も運用に慣れていない場合があり、従業員側が制度を知っているかどうかで受給できるかが変わる局面が実際に起きています。この記事では、対象になる条件、いくら受け取れるのか、申請の流れと落とし穴を、厚生労働省・ハローワークの公表資料をもとに整理します。

本記事は制度の解説であり、個別の受給可否の判定ではありません。最終的な判断は勤務先または管轄のハローワークにご確認ください。

出産・育児のお金と手続きの全体像は 出産・育児の手続きナビまとめ にまとめています。

目次

育児時短就業給付金とは|育休給付と復職後をつなぐ3本目の給付

2025年4月1日、雇用保険に2つの給付が同時に創設されました。子の出生直後の休業を支える出生後休業支援給付金と、復職後の時短勤務を支える育児時短就業給付金です。育児期の収入は「産休 → 育休 → 復職後の時短」と段階的に変化しますが、従来は最後の「時短期間」だけが無支援でした。そこを埋めるのがこの給付です。

育児期の収入を支える給付の並び 出産手当金 (健康保険) 育児休業給付金 (雇用保険) 出生後休業支援 2025年4月〜 育児時短就業給付金 2025年4月〜 産前産後 育児休業 復職して時短勤務(子が2歳になるまで) ※図は制度の位置づけを示したもので、支給期間や金額の比率を表すものではありません。

支給の対象になる人

要件内容
子の年齢2歳未満の子を養育するための時短就業であること
身分雇用保険の被保険者であること
直前の経緯
(いずれか)
① 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて育児時短就業を開始した
② 育児時短就業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上ある
対象月の条件初日から末日まで継続して被保険者である/週の所定労働時間を短縮して勤務した期間がある/初日から末日まで連続して育児休業給付金等を受けていない
出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの公表資料をもとに編集部作成

見落としやすいのが「①または②」という構造です。育休を取らずに(あるいは育休給付の対象にならない形で)復職し時短勤務を始めた方でも、過去2年に被保険者期間が12か月あれば②で対象になり得ます。「育休を取っていないから関係ない」と考えて確認しないケースが一定数あります。

また、短縮後の週所定労働時間が20時間を下回る場合でも直ちに対象外にはなりませんが、子が小学校就学の始期に達するまでに週20時間以上へ復帰する前提であることを就業規則等で示す書類の添付が求められます。

いくらもらえるか|「賃金の10%」は下がった額の10%ではない

ここが最も誤解されやすい点です。支給額は「下がった分の10%」ではなく、その月に実際に支払われた賃金額の10%です。時短で賃金が下がるほど給付額も下がる、という関係になります。

支給額の原則

支給対象月に支払われた賃金額 × 10%

この10%が使えるのは

支給対象月の賃金が、育児時短就業開始時の賃金月額の90%以下である月

※賃金が90%を超えて下がり幅が小さい月は、支給率が段階的に逓減または不支給となります。また、賃金と給付額の合計が時短前の賃金水準を超えないよう調整されます。

時短前の月給30万円 → 時短後24万円になった場合(イメージ) ※制度の仕組みを示す単純化した例です。実際の額は賃金月額・支給限度額・社会保険料等で変わります。 時短前 賃金 30.0万円 時短後 賃金 24.0万円 給付金 24.0万円 × 10% = 2.4万円 時短後の合計 26.4万円(時短前比 88%)

時短で20%減った給料が、給付金によっておおむね12%減まで戻る、というのがこの制度の実感に近い効果です。減った分が全部埋まるわけではありませんが、月あたり2万円台の差は、保育料や時短分の家計調整を考えると小さくない金額です。

支給限度額に注意

令和8年(2026年)8月1日からの金額|育児時短就業給付金

項目2025年8月1日〜2026年8月1日〜意味
支給限度額471,393円484,121円その月の賃金がこの額以上だと不支給。賃金+給付の合計がこの額を超えるときは「484,121円−賃金額」が支給額
最低限度額2,411円2,562円計算した給付額がこの額を超えないときは支給されない
時短就業開始時の
賃金月額 上限
483,300円496,200円上限を超える人は、実額ではなくこの上限額で算定(育児休業給付と同じ)
時短就業開始時の
賃金月額 下限
90,420円96,090円下限を下回る人は、この下限額で算定

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります。」(LL080731 保02)。2026年9月18日に同資料で確認。金額は毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに毎年8月1日に改定されます。

各月に支払われた賃金額と給付額の合計が支給限度額を超える場合、超えた部分は減額されます。この限度額は毎年8月1日に改定されます(2026年8月1日からの額は484,121円。前年の471,393円から改定されました)。年に一度変わる数字なので、申請時点の最新額を厚生労働省の資料で確認してください。給与水準が高い方ほど、この上限で頭打ちになる可能性があります。

注意:金額は必ず最新の公表資料で確認を

支給限度額は毎年8月1日に改定されます。本記事に記載した484,121円は、厚生労働省リーフレット「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります」(LL080731 保02)に示された令和8年(2026年)8月1日以後の支給対象期間の額です(2026年9月18日確認)。限度額は毎年8月1日に改定されるため、翌年8月以降は再度ご確認ください。

申請手続きの流れ|期限は「最初の支給対象月の初日から4か月以内」

手続きは原則として会社(事業主)が行います。従業員が自分でハローワークへ行くのではなく、会社の担当者に「育児時短就業給付金の手続きをお願いしたい」と伝えるのが出発点です。

申請から入金までのタイムライン

STEP1 時短勤務の開始を会社に申し出る

育児短時間勤務の申出書や労働条件通知書など、週所定労働時間を短縮したことが分かる書類を会社が整えます。この記録が後の申請書類の裏付けになります。

STEP2 受給資格確認票・支給申請書を作成する

「育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金申請書」を用意します。育休給付の対象となる育休から引き続き同じ子について時短就業を始めた場合は、賃金月額証明書の提出が不要です。

STEP3 添付書類をそろえる

開始日と本来の週所定労働時間が分かるもの(賃金台帳・出勤簿・タイムカード・労働条件通知書・就業規則など)、母子健康手帳等の育児の事実が分かるもの、支給対象月の賃金額が分かるもの、振込先が分かるもの(通帳・キャッシュカードの写し、ネット銀行はログイン画面の写し)。

STEP4 管轄ハローワークへ提出(期限に注意)

事業所の所在地を管轄するハローワークへ、郵送・持参・電子申請のいずれかで提出します。最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内が期限です。郵送する場合は返信用封筒(特定記録または簡易書留分の切手を貼付)を同封します。

STEP5 2回目以降は継続して申請する

初回で受給資格が確認された後も、支給対象月ごとに支給申請が必要です。会社の担当者と申請サイクルを共有しておくと取りこぼしを防げます。

パターン別の分岐|あなたのケースで何が変わるか

あなたの状況扱い
育休給付の対象の育休から、そのまま時短勤務へ最もシンプルな経路。賃金月額証明書の提出が不要になり、添付書類が少なくて済みます。
育休から15日以上あけて時短勤務を開始した賃金月額証明書と、開始日・週所定労働時間・育児の事実を示す書類が追加で必要になります。
育児休業を取っていない開始日前2年間に被保険者期間が12か月あれば対象になり得ます。育休の有無だけで諦めないでください。
短縮後の週所定労働時間が20時間未満子が小学校就学の始期までに週20時間以上へ復帰する前提であることを示す就業規則等の添付が必要です。
その月に育児休業給付金も受けている初日から末日まで連続して育休給付等を受けている月は支給対象になりません。給付が重ならないよう設計されています。
子が2歳になった2歳未満の子の養育が要件のため、支給は終了します。時短勤務自体を続けるかどうかとは別の話です。

損しないポイント|制度が新しいからこそ起きる取りこぼし

この4点を押さえれば、もらい損ねはほぼ防げます

  1. 復職前に会社へ一言伝える。手続きの主体は会社です。担当者が制度を把握していない可能性があるため、時短勤務の申出と同時に給付金の話を出しておくのが最も確実です。
  2. 4か月の期限を最初にカレンダーへ入れる。最初の支給対象月の初日から4か月。復職直後は多忙で、気づいたら期限間際という事態が起きやすい時期です。
  3. 育休を取っていなくても確認する。開始日前2年間に被保険者期間が12か月あれば対象になり得ます。この経路の存在が周知されていません。
  4. 賃金台帳・出勤簿・労働条件通知書を早めに依頼する。添付書類の中心は会社が保管する記録です。人事の繁忙期と重なると準備に時間がかかります。

イレギュラー・現場対応|制度3年目のつまずきどころ

2025年4月開始の新しい給付であるため、労務相談やハローワークの案内で繰り返し取り上げられている論点を、編集部の視点で整理します。個別の事情で結論は変わるため、必ず管轄のハローワークにご確認ください。

会社が「そんな制度は知らない」と言う

制度が新しく、育休給付ほど件数が多くないため、担当者が未経験というケースは珍しくありません。この場合、ハローワークの事業主向けページに申請書の様式と添付書類の一覧が公開されていることを伝えるのが実務的です。全国のハローワークが同じ様式を案内しており、事業所の所在地を管轄するハローワークの雇用継続課が相談窓口になります。従業員側が「様式Aと様式B、添付書類は①〜⑤」と具体的に示せると話が早く進みます。

添付書類がそろわない(労働時間の記録が曖昧)

裁量労働やフレックス、シフト制などで週所定労働時間の記録が明確でない場合があります。ハローワークは「育児時短就業期間等に係る証明書(様式例)」と「週所定労働時間算定補助シート」を用意しており、確認資料の添付が困難なときはこれで代替できる運用になっています。「記録がないから無理」で止まらず、この様式の存在を窓口に確認してください。

申請内容に誤りがあった/通知書を紛失した

いずれも所定の様式が用意されています。誤りは「訂正理由書」、通知書の紛失は「雇用継続給付関係各種通知書等再作成・再交付申請書」で対応します。押印廃止に伴い、一部の手続きでは身分証の提示が必要です。振込先を変える場合は「払渡希望金融機関指定・変更届」を提出します。

時短を途中でフルタイムに戻したくなった

給付は「時短就業をした月」に対して支給されるため、フルタイムに戻せばその月から支給対象外になります。逆に言えば、給付金があるから時短を続けなければならない、という制度ではありません。子の体調や保育の状況に応じて働き方を戻す判断は自由です。給付金の有無を働き方の決定要因にしないほうが、結果的に納得のいく選択になりやすいと考えます。

相場観と編集部の価値判断|「10%」をどう評価するか

育児休業給付金は休業開始時賃金の67%(181日目以降は50%)、出生後休業支援給付を合わせれば実質的に手取り10割相当まで届く場面もあります。それと比べると、育児時短就業給付金の10%という水準は控えめです。「時短で減った分を国が埋めてくれる」という期待で調べ始めると、金額を見て拍子抜けする方が多いと思います。

給付水準の目安性格
育児休業給付金休業開始時賃金の67%/50%賃金がゼロの期間を支える
育児時短就業給付金支払われた賃金の10%賃金がある上に上乗せする
性格が違うため、率だけを並べて比較するのは適切ではありません。

ただ、編集部としてはこの10%の意味は金額よりも「選択肢の維持」にあると考えます。時短勤務は本来、育児と就業を両立させるための制度ですが、収入減が大きいと「時短にせず無理をする」か「離職する」かの二択に追い込まれやすくなります。10%は二択を三択に戻す幅として設計されている、と読むほうが実態に近いはずです。

実務的なアドバイスとしては、この給付金だけを見て復職後の家計を組み立てないことです。保育料の階層判定、児童手当、社会保険料の標準報酬月額の改定(時短で下がると将来の年金額にも影響します)まで含めて見たときに、はじめて「時短にするか、どこまで短くするか」の判断材料がそろいます。月2万円台の給付は、その全体像の中の一項目として扱うのが健全です。

よくある質問

育児時短就業給付金はいつから始まった制度ですか。

2025年(令和7年)4月1日に創設されました。同じ日に出生後休業支援給付金も始まっています。いずれも雇用保険の給付です。

支給額はどのように計算しますか。

支給対象月に支払われた賃金額が、育児時短就業開始時の賃金月額の90%以下である場合、その月に支払われた賃金額の10%が支給されます。賃金と支給額の合計が支給限度額を超える場合は、超えた部分が減額されます。

育児休業を取っていなくても受け取れますか。

受け取れる場合があります。育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて時短就業を開始した場合のほか、育児時短就業開始日前2年間に被保険者期間が12か月ある場合も要件を満たします。

申請の期限はいつまでですか。

最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内です。事業所の所在地を管轄するハローワークへ、郵送・持参・電子申請のいずれかで提出します。

子が何歳になるまで受け取れますか。

2歳未満の子を養育するための時短就業が対象です。子が2歳に達すると支給は終了します。

時短で手取りが下がる期間は、固定費を先に下げておくと戻しやすい

育児時短就業給付金は賃金の10%が上限で、減った分の全額を埋めるものではありません。給付の手続きと並行して、毎月かならず出ていく通信費と光熱費を見直しておくと、支給が終わったあとの家計も軽くなります。どちらも一度手を動かせば効果が続く固定費です。

読み終えたら、次に手を動かすところ

給付で埋まるのは下がった賃金の一部です。時短のあいだは、毎月かならず出ていく固定費を下げるほうが手取りへの効き方が早いことがあります。手続きが1〜2時間で終わるものから順に。

あなたの体験を聞かせてください

この手続きで「実際はこうだった」「ここでつまずいた」という経験があれば、体験談募集フォームから教えてください。許諾をいただいたものだけ、出所を明示して記事に反映します。

出典・基準日

本記事の数値は2026年9月18日時点で確認できる公表情報に基づいています。支給限度額は毎年8月1日に改定されます。手続き前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

申請書の様式と添付書類は公式ページで確認できます

支給要件・支給限度額・申請書の様式は厚生労働省とハローワークが公開しています。支給限度額は毎年8月1日に改定されるため、申請時点の最新のリーフレットで必ずご確認ください。

厚生労働省の公式ページを開く

相談先:事業所の所在地を管轄するハローワーク(雇用継続課)。手続きは原則として会社経由で行います。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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