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介護休業給付金のもらい方【2026年版】給与の67%・通算93日を3回まで|上限356,574円と申請の段取り

介護施設の明るい室内。木のテーブルに書類と電卓。介護休業給付金は給与の67%、通算93日・3回まで

親や配偶者に介護が必要になったとき、「仕事を辞めるしかないのか」と考えてしまう人は少なくありません。ですが、雇用保険に入って働いている人には介護休業給付金という制度があります。休んでいる間の収入を、休業前の給与の67%まで補ってくれるしくみです。この記事では、いくらもらえるのか・いつまでに何をするのか・どこでつまずきやすいのかを、公的機関の情報をもとに時系列で整理しました。
(本記事の基準日:2026年7月28日/編集部が公式情報をもとに整理したものです)

まず、この3つだけ押さえてください

いくら

休業前の給与の67%。月給30万円なら月20.1万円ほどが目安(厚労省の例)。非課税です。

どれだけ

対象家族1人につき通算93日・3回まで。分割して取れます。

いつまでに

休業開始2週間前までに会社へ書面で申出。給付の申請は原則、会社経由でハローワークへ。

※支給額には上限があります(1支給単位期間あたり356,574円。2026年7月31日までに適用される額)。上限は毎年8月1日に見直されます。

目次

介護休業給付金とは|「介護に専念する制度」ではありません

介護休業は、けが・病気・障害によって2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある家族を介護するために取る休業です。その休業期間について、雇用保険から支払われるのが介護休業給付金です。

ここで誤解されやすいのが「93日で介護を終わらせないといけない」という受け止め方です。厚生労働省は特設サイトで、休業期間は自分が介護を担う時間ではなく、仕事と介護を両立できる体制を整えるための準備期間と位置づけています。地域包括支援センターへの相談、要介護認定の申請、ケアマネジャー選び、家族での分担決めに使う時間だと考えると、93日という長さの意味が変わって見えてきます。

介護保険サービスを使い始めるまでの流れは介護保険の始め方(要介護認定の申請から利用開始まで)で解説しています。

いつ・何をする?申出から入金までのタイムライン

左の色は緊急度の目安です(紺→緑→金→赤の順に「あとで効いてくる」)。

休業開始の2週間前まで

会社へ書面で申出

介護休業申出書を会社へ提出します。社内様式がなければ厚生労働省の様式例が使えます。この2週間前ルールを守らないと、希望どおりの日から休めないことがあります。

休業開始日

会社が受給資格確認の手続き

会社がハローワークへ「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」と賃金台帳などを提出します。ここで休業開始時賃金日額が確定し、給付額が決まります。

休業期間中(最長93日)

就労は1か月あたり10日以下に

1支給単位期間(原則30日)に就労した日が11日以上あると、その期間は不支給になります。副業や他社での仕事も日数に含まれます。

休業終了後

会社経由でハローワークへ支給申請

介護休業給付金支給申請書、介護休業申出書、続柄が確認できる住民票記載事項証明書、出勤簿、賃金台帳などを添えて申請します。原則は会社経由ですが、本人が希望すれば本人申請もできます。

支給決定からおおむね1週間

指定口座へ振込

支給決定通知書に記載された内容で入金されます。つまり、休んでいる最中には振り込まれません。当面の生活費は自分で用意しておく必要があります。

いくらもらえる?計算式と月給別の目安

計算式は「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%」です。休業開始時賃金日額は、原則として休業開始前6か月間の総支給額(賞与を除く)を180で割った額です。厚生労働省が示す目安は次のとおりです。

休業前の月給別・1か月あたりの介護休業給付金の目安

月給15万円程度約10.0万円月給20万円程度約13.4万円月給30万円程度約20.1万円支給率67%(休業期間中に賃金の支払いがない場合)

出典:厚生労働省「Q&A~介護休業給付~」Q6の例示をもとに作図。実際の額は休業開始時賃金日額により決まります。

上限もあります。1支給単位期間あたりの支給限度額は356,574円で、これは2026年7月31日までに適用される額です。この限度額は毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに毎年8月1日に改定されるため、2026年8月1日以降に休業を開始する人は新しい額を確認してください。なお、介護休業給付金は課税の対象になりません。

📮 申請の窓口は「勤務先経由でハローワーク」が原則です
介護休業給付金は本人が直接ハローワークへ行くのではなく、原則として勤務先(事業主)が申請書を提出します。まずは会社の人事・総務に「介護休業を取得したい」と申し出るのが第一歩です。会社が手続きに不慣れな場合もあるため、制度名を正確に伝えるとスムーズです。管轄のハローワークは厚生労働省の窓口一覧から確認できます。

損しないポイント|知らずに1円ももらえなくなる5つの落とし穴

落とし穴1 「どうせ辞めるつもり」だと対象外

介護休業給付は職場復帰を前提とした給付です。介護休業の当初からすでに退職を予定している場合は支給対象になりません。迷っている段階なら、まず休業して体制を整え、そのうえで判断する順番のほうが選択肢が残ります。

落とし穴2 93日を使い切ると、同じ家族には二度と使えない

同じ対象家族については、要介護状態が変わって再び休業しても、再度の支給は受けられません。93日は「一度きりの持ち札」です。最初から全部使うのではなく、3回に分けて要所で使う設計が有効です。

落とし穴3 1か月に11日以上働くと、その月はゼロ

1支給単位期間(原則30日)に就労した日が10日以下でなければ、その期間は支給されません。在職中の会社以外での就労もこの日数に入ります。「少しだけ手伝う」つもりの出勤が積み上がると不支給になります。

落とし穴4 会社から賃金が8割以上出ていると、ゼロ

1支給単位期間において、休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われている場合、支給額は0円です。80%未満でも、支払われた額に応じて減額されます。

落とし穴5 社会保険料は免除されない

日本年金機構が案内する健康保険・厚生年金保険料の免除は「産前産後休業」と「育児休業等」の期間が対象で、介護休業はその一覧に含まれていません。育休と同じ感覚で手取りを計算すると足が出ます。自分のケースは勤務先か年金事務所に確認してください。

あなたの場合はこう|状況別の判定

あなたの状況どうなるか
契約社員・パートで働いている休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約が満了することが明らかでなければ対象になります。「契約が切れそう」と自己判断せず、更新見込みを会社に確認してください。
転職して1年たっていない休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上あるかで判定します。前職の雇用保険期間も通算されるのが原則です。空白期間が長いと足りない場合があります。
親と同居していない/遠方に住んでいる同居・扶養は要件ではありません。対象家族(配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫)であれば、別居でも対象です。
きょうだいで同時に休みたい同じ対象家族について複数の被保険者が同時に介護休業を取っても、それぞれが要件を満たせば両方受給できます。分担して交代で取る設計も可能です。
入院が決まっていて、休むのは10日だけ取れます。「2週間以上の常時介護が必要な状態」は対象家族の状態を指すもので、休業の長さの条件ではありません。10日だけの介護休業でも給付の対象になり得ます。
そもそも雇用保険に入っていない(自営業・役員など)介護休業給付金は雇用保険の給付なので対象外です。この場合は介護保険サービスの利用と、自治体の高齢者福祉サービスの活用が中心になります。
📮 介護そのものの相談先は「地域包括支援センター」です
お金の手続きと並行して、介護サービスの手配は市区町村の地域包括支援センターが入口になります。要介護認定の申請、ケアマネジャーの紹介、施設情報まで無料で相談できる公的窓口です。介護休業の93日は「自分で介護する期間」ではなく介護の体制を整えるための期間と位置づけると、制度の趣旨に沿った使い方ができます。

現場でつまずくのはここ

制度の条文を読んでも見えてこない、実際に取得した人が語るつまずきどころを整理します(体験談として多く語られる内容を編集部でまとめたものです。制度の要件そのものは公式情報で確認してください)。

会社の担当者が制度を知らない

介護休業は育児休業に比べて取得実績が少なく、中小企業では「前例がない」ケースが珍しくありません。社内様式がない、手続きの流れがわからない、といった理由で話が止まることがあります。厚生労働省は介護休業申出書の様式例を公開しているので、それを持ち込むと会話が前に進みます。それでも動かないときは、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談窓口です。

「有休を使い切ってから欠勤」にしてしまう

通院の付き添いやケアマネジャーとの打ち合わせを、年次有給休暇でしのぎ、足りなくなったら欠勤にする——という進め方はよく見かけます。ですが介護休暇は年次有給休暇とは別枠で取得できる制度で、1日単位のほか時間単位でも取れます。無給であっても、欠勤ではなく休暇として処理されるほうが評価上は扱いが違ってくる、という指摘が実務家からも出ています。まず介護休暇の枠を使い切ったか確認してください。

入金が「休業が終わってから」だと知らずに資金繰りが詰まる

介護休業給付金は、休業が終わった後に支給申請し、支給決定からおおむね1週間で振り込まれます。休んでいる最中は無収入になり得るということです。ここに、葬儀や施設入居の一時金が重なると一気に苦しくなります。休業に入る前に、当面2〜3か月分の生活費を確保できているかを確認しておいてください。

93日を「まとめて1回」で使ってしまう

介護は、入院・退院・施設探し・看取りと、山が何度も来ます。最初の混乱期に93日を使い切ってしまうと、次の山では制度が使えません。3回に分けられる設計を活かして、初動で30日前後、次の転機でまた、という使い方を検討する価値があります。

介護休業と介護休暇、どう使い分けるか(編集部の見方)

「介護休業」と「介護休暇」は名前が似ていますが、別の制度です。取り違えると使えるはずの枠を残したまま消耗します。

介護休業介護休暇
取れる量対象家族1人につき通算93日・3回まで対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日
取得単位日単位(まとまった期間)1日単位または時間単位
お金雇用保険から給与の67%(要件あり・非課税)法律上の給付なし。有給か無給かは会社の規定による
申出のしかた休業開始2週間前までに書面等で口頭でも可
向いている場面入院・退院、施設探し、要介護認定など体制づくりの山場通院の付き添い、ケアマネとの打ち合わせ、書類の手続き

そのうえで、どこまでやるかは価値観の問題です。判断材料として、編集部の見方を2つの型で置いておきます。

仕事を続けることを最優先したい人

介護休業はまず2〜4週間だけ取り、その間に地域包括支援センターへの相談と要介護認定の申請を済ませてしまう。日常の通院付き添いは介護休暇と時間単位取得でしのぎ、93日のうち60日以上を「次の山」のために温存しておく。手取りの落ち込みは最小限に抑えられます。

本人の状態が不安定で、そばにいたい人

初動で1〜2か月のまとまった休業を取り、住まい・お金・介護体制を一度に決めてしまう。給付は67%なので手取りは3割前後下がります。社会保険料の負担も続くため、休業前に生活費の見通しを立てておくことが前提になります。

どちらが正しいということはありません。ただ、「93日を全部使うのが標準」という思い込みだけは外しておいたほうがいいと考えています。介護は長期戦で、制度を残しておくこと自体が備えになるからです。

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📮 支給要件の最終確認は必ずハローワークへ
支給額・対象家族の範囲・雇用期間の要件は個別事情で判断が分かれます。本記事は判断材料であり、最終的な可否は管轄ハローワークの確認が確実です。雇用保険の被保険者期間や有期雇用の条件など、「自分は対象外だと思い込んで申請しなかった」という取りこぼしが最も惜しいパターンです。迷ったら窓口で確認してください。

よくある質問(FAQ)

介護休業給付金は自分で申請できますか?

原則として勤務先を経由してハローワークへ申請します。ただし、本人が希望する場合は自分で手続きすることも可能です。会社が動いてくれないときは、事業所を管轄するハローワークに相談してください。

同居していない親でも対象になりますか?

対象になります。同居や扶養は要件ではありません。対象家族は配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

介護休業給付金に税金や社会保険料はかかりますか?

給付金そのものは課税の対象になりません。一方で、日本年金機構が案内する健康保険・厚生年金保険料の免除の対象は産前産後休業と育児休業等の期間で、介護休業は含まれていません。保険料の負担は続く前提で資金計画を立て、詳細は勤務先または年金事務所に確認してください。

93日を使い切った後、また介護が必要になったら?

同じ対象家族については、要介護状態が変わった場合でも再度の支給は受けられません。ただし別の対象家族(例えば父の次に母)については、あらためて93日・3回の枠が使えます。

いつ振り込まれますか?

休業終了後に支給申請を行い、支給決定日からおおむね1週間程度で指定口座に振り込まれます。休業している最中には入りません。

出典・参考(公式情報)

暮らしの手続き全体の流れは暮らしの手続きのまとめで確認できます。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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