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副業の確定申告と住民税【2026年版】20万円ルールは所得税だけ|住民税は所得があれば申告が必要

夜の自宅デスクに置かれた書類・電卓・封筒。副業の確定申告と住民税の申告を表すイメージ

本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。紹介する順序や評価は、公的機関の一次情報および各社の公式情報をもとに編集部が独自に判断しており、広告の有無で内容を変えていません。

副業の申告でつまずくのは、税金の計算ではなく「どちらの税金の話をしているのか」の取り違えです。よく聞く「20万円以下なら申告しなくていい」は所得税だけのルールで、住民税に同じ免除はありません。所得が1円でもあれば、原則として住んでいる市区町村への申告が必要です。この記事では、所得税と住民税の分かれ目、副業の種類ごとの手続きの違い、住民税を「自分で納付」にできる条件までを、国税庁と自治体の一次情報にもとづいて整理します。

この記事の結論

  • 所得税は、給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる人なら、給与所得と退職所得を除く所得の合計が20万円以下で確定申告が不要(国税庁 タックスアンサー No.1900)。
  • 住民税に20万円ルールはない。所得税の確定申告をしないのであれば、市区町村への住民税の申告が必要。
  • 医療費控除やふるさと納税などで確定申告をするなら、20万円以下の副業所得も必ず含める。片方だけ省くことはできない。
  • 副業が業務委託やネット販売なら、確定申告書 第二表で「自分で納付」を選べる。副業がアルバイト給与なら原則選べない。
  • 事業所得か雑所得かは金額ではなく、取引を記録した帳簿書類を保存しているかで分かれる(所得税基本通達35-2・令和4年10月7日改正)。

基準日:2026年8月28日/記載の制度は各公式ページの最新版で確認してください。

目次

「20万円ルール」は所得税だけのルール

国税庁のタックスアンサーNo.1900は、給与所得者のうち確定申告をしなければならない人を列挙しています。副業に関係するのは2番目の条件で、「給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人」が申告義務者とされています。裏を返せば、この合計額が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。

ここで最も間違えやすいのが、判定するのは「収入」ではなく「所得」だという点です。所得は収入から必要経費を引いた後の金額なので、売上が25万円でも経費が7万円あれば所得は18万円となり、20万円以下に収まります。逆に経費がほとんどかからない仕事は、収入がそのまま所得になります。

給与を2か所以上から受けている人は条件が変わります。No.1900の3番目にあるとおり、「年末調整されなかった給与の収入金額」と「給与所得・退職所得を除く各種の所得金額」の合計で20万円を超えるかどうかを見ます。副業先のアルバイト代は経費を引けないため、月2万円弱で年間の枠を使い切る計算になります。

そして住民税です。地方税法には20万円で申告を免除する規定がありません。所得税の確定申告をすれば、その情報が税務署から市区町村へ回るため住民税の申告は不要になりますが、確定申告をしないのであれば、自分で市区町村へ住民税の申告書を出す必要があります。名古屋市をはじめ多くの自治体が、副収入がある給与所得者について同じ案内を出しています。

論点 所得税(国) 住民税(市区町村)
20万円の免除ある(条件つき)ない
申告先税務署住んでいる市区町村
確定申告をした場合それで完了申告は不要(情報が回る)
確定申告をしない場合手続きなし住民税の申告が必要
納め方の選択—特別徴収/自分で納付(条件つき)

出典:国税庁 タックスアンサーNo.1900、名古屋市「給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は」。

1年の流れ:いつ、何をするのか

副業の申告は確定申告期間だけの作業ではありません。記録は前年の1月から始まっていて、住民税の決定通知が届く6月までが1サイクルです。

副業の申告カレンダー

1月1日〜12月31日
副業の入金と経費を記録する。振込明細、請求書、領収書を月ごとにまとめておく。
翌年1月〜2月上旬
本業の源泉徴収票を受け取る。副業先からの支払調書は交付義務がないため、届かない前提で自分の記録から集計する。
翌年2月16日〜3月15日
所得税の確定申告。第二表の徴収方法の欄で「自分で納付」を選ぶかどうかをここで決める。
確定申告をしない場合は翌年3月中旬まで
市区町村へ住民税(市民税・県民税)の申告書を提出する。期限は自治体ごとに異なるため要確認。
翌年5月〜6月
住民税の税額決定通知書が届く。特別徴収分は勤務先経由、普通徴収分は自宅へ納付書が届く。
翌年6月〜翌々年5月
特別徴収は12回に分けて給与天引き。普通徴収は6月・8月・10月・翌年1月の年4回で納める(自治体により月は異なる)。

1年分をあとからまとめるほど、申告は重くなる

副業の入出金は、その都度記録しておくほど確定申告が軽くなります。口座やカードを連携できる会計ソフトなら、日々の取引が自動で取り込まれ、2月に入ってから1年分を思い出す作業がなくなります。無料期間のうちに、自分の副業の入出金が正しく取り込まれるかを確かめておくと安心です。

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損しないための5つのポイント

見落とすと手取りが減る5点

  1. 「収入」ではなく「所得」で判定する。通信費や機材費、取材の交通費など、その仕事のために使った金額は必要経費になる。集計しないまま収入で判断すると、申告が要らない年に申告してしまう。
  2. 20万円以下でも住民税の申告はする。所得税の免除規定と混同したままにすると、後から住民税の追加課税と延滞金の対象になり得る。
  3. 確定申告をするなら副業所得も必ず入れる。医療費控除やふるさと納税で申告する年は「20万円以下だから省く」ができない。1枚の申告書にすべての所得を書く。
  4. 源泉徴収されている報酬は取り戻せることがある。原稿料や講演料などは支払時に10.21%が源泉徴収されている。経費を差し引いた結果、納めすぎになっていれば確定申告で還付される。
  5. 赤字の扱いは所得区分で変わる。事業所得なら給与所得と損益通算できるが、業務に係る雑所得は通算できない。赤字前提の副業なら、この違いが手取りに直結する。

パターン別の分岐:副業の「かたち」で手続きが変わる

同じ「副業」でも、受け取り方が給与なのか報酬なのかで、判定の仕方も納め方も変わります。自分がどの列に当てはまるかを先に決めてください。

項目 アルバイト・パート 業務委託・ネット販売 開業届+帳簿あり
所得の種類給与所得業務に係る雑所得事業所得
20万円の判定対象年末調整されなかった給与の収入+他の所得収入−必要経費収入−必要経費
経費給与所得控除のみ実額を計上できる実額を計上できる
赤字の損益通算—できない給与所得と通算できる
青色申告特別控除—使えない最大65万円
住民税「自分で納付」原則選べない選べる選べる
帳簿・書類の保存不要前々年の収入が300万円超なら5年保存必要(青色は7年が原則)

住民税で勤務先に伝わる仕組みと、「自分で納付」の限界

会社員の住民税は特別徴収、つまり給与からの天引きが原則です。市区町村は前年の所得をもとに税額を計算し、勤務先へ特別徴収税額の決定通知書を送ります。この通知には給与以外の所得も反映された税額が載るため、給与の額に対して住民税が不自然に多いと、給与計算の担当者が気づくことがあります。副業が勤務先に伝わる典型的な経路はここです。

これに対する正規の手当てが、確定申告書 第二表にある「給与、公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄です。ここで「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税だけが普通徴収になり、自宅に納付書が届きます。住民税の申告書にも同じ選択欄があります。

ただし、この選択には二つの限界があります。ひとつは対象が「給与・公的年金等以外の所得」に限られること。副業がアルバイトで給与として受け取っている場合、その分は本業の給与と合算されて特別徴収になります。もうひとつは、自治体の運用です。特別徴収の徹底を進めている自治体では、希望どおりに普通徴収へ切り替わらないことがあります。確実を期すなら、申告前に市区町村の住民税担当課へ取り扱いを確認してください。

なお、就業規則での副業の可否は税務とは別の問題です。徴収方法をどう選んでも、規程に反した副業が許されるわけではありません。手続きで隠すより、申請や届け出のルールを先に確認するほうが、結果として面倒が少なくなります。

事業所得か雑所得かは「帳簿」で分かれる

2022年(令和4年)10月7日に改正された所得税基本通達35-2は、事業所得と業務に係る雑所得の区分について、社会通念で判定するという原則を確認したうえで、その所得に係る取引を記録した帳簿書類を作成・保存している場合は、おおむね事業所得に該当するという考え方を示しました。逆に、帳簿書類の保存がない場合は、原則として業務に係る雑所得として扱われます。

ただし帳簿があれば必ず事業所得になるわけではなく、通達は例外を二つ挙げています。ひとつは収入金額が僅少と認められる場合で、例年、その所得の収入金額が300万円以下かつ主たる収入に対する割合が10%未満であるようなケースです。もうひとつは営利性が認められない場合、つまり例年赤字で、しかも赤字を解消する取り組みをしていないようなケースです。これらは個別に判断されます。

「収入300万円以下の副業は一律で雑所得」という説明を見かけますが、これはパブリックコメントにかけられた改正案の段階の内容で、最終的に公表された通達はこの形になっていません。判断の軸は金額ではなく帳簿の有無に置かれた、と理解するのが正確です。

業務に係る雑所得のままでも、記録の義務は発生します。前々年の収入金額が300万円を超える場合は、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があり、1,000万円を超える場合はさらに確定申告書へ収支内訳書を添付します。判定に使うのは所得ではなく収入である点に注意してください。

帳簿があるかどうかで、副業の扱いが変わる

事業所得として申告するなら、取引を記録した帳簿書類の作成と保存が前提になります。銀行口座やクレジットカードを連携しておけば、副業の入出金は自動で仕訳の候補まで作られるので、確定申告の直前にまとめて集計する作業がなくなります。青色申告特別控除の要件である複式簿記も、ソフト側で満たせます。

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イレギュラー・現場でよく起きること

制度どおりに進まない場面は、税理士事務所の解説記事や納税者向けQ&Aで繰り返し取り上げられています。編集部が確認した範囲で、頻度の高いものを整理しました。いずれも特定の個人の体験ではなく、公開されている解説に共通して現れるパターンとして紹介します。

「自分で納付」に丸をしたのに勤務先へ通知が届いた。解説記事が挙げる原因は三つに集約されます。副業がアルバイト給与で対象外だった、住んでいる自治体が特別徴収の徹底方針をとっていた、第二表の欄が空欄のまま提出されていた、のいずれかです。電子申告では選択欄を飛ばしても送信できてしまうため、送信前に第二表の該当欄を目視で確認しておくのが確実です。

支払調書が届かない。支払調書は支払者が税務署へ提出する書類で、受け取る側へ交付する法的義務はありません。届かないことを前提に、振込明細と契約書、請求書の控えから自分で年間の収入を集計します。源泉徴収されている場合は、振込額と請求額の差から逆算できます。

年をまたいでから申告漏れに気づいた。所得税は期限後申告として受け付けられ、住民税も市区町村の窓口で申告できます。税務署から指摘される前に自主的に申告した場合、無申告加算税が軽減される取り扱いがあります。放置している期間が長いほど延滞税が積み上がるため、気づいた時点で動くほうが負担は小さくなります。

副業の所得が20万円をわずかに超えた。経費の計上漏れがないかを先に確認します。仕事専用の通信費、機材の減価償却、打ち合わせの交通費などは対象になり得ます。家事按分(自宅の一部を仕事に使っている場合の家賃や電気代の切り分け)も、業務に使った割合を合理的に説明できるなら計上できます。

相場観と編集部の価値判断

総務省統計局の「令和4年就業構造基本調査」によると、非農林業の有業者のうち副業がある人は305万人で、5年前より60万人増えました。いま副業をしていないが他の仕事もしたいという追加就業希望者は493万人で、こちらは93万人の増加です。副業をしている人よりも、これから始めたい人のほうが多いという構図が続いています。

副業をしている人と、したい人(万人)

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」より編集部作成。

副業がある者・平成29年 245万人 副業がある者・令和4年 305万人 追加就業希望者・平成29年 400万人 追加就業希望者・令和4年 493万人

編集部の見方はこうです。副業の所得が年20万円前後を行き来する規模なら、節税の工夫より住民税の申告を忘れないことのほうが金額的なリスクが大きくなります。手間は申告書1枚で、放置したときの追加課税と延滞金のほうが確実に重いからです。

一方、副業の所得が年60万円から100万円を超えて何年か続く見込みなら、開業届と青色申告承認申請を出し、帳簿を作る側へ移る判断が現実的になります。青色申告特別控除は最大65万円で、所得税と住民税を合わせた税率が20%台なら十数万円規模の差になり、会計ソフトの年間費用を上回ります。ただし、赤字を給与所得と通算する目的だけで事業所得を選ぶのは勧めません。通達が営利性の有無を明示的に論点にしている以上、実態が伴わなければ否認され得ます。

住民税の申告まで含めて、数字を1か所にまとめる

所得税の確定申告をすれば住民税の申告は原則不要になりますが、そのためには年間の収入と経費が正しく集計されている必要があります。会計ソフトで経費を区分しておけば、申告書の作成から控えの保存までが一本の流れになります。まずは無料期間で、自分の副業の規模に合うかを試すのが安全です。

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よくある質問

副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要ですか。

必要です。20万円以下で申告を不要とする規定は所得税のもので、住民税にはありません。所得税の確定申告をすればその情報が市区町村へ渡るため住民税の申告は不要になりますが、確定申告をしないのであれば、住んでいる市区町村へ住民税(市民税・県民税)の申告書を提出します。提出期限や書式は自治体ごとに異なるため、公式サイトで確認してください。

住民税を「自分で納付」にすれば、勤務先に副業は伝わりませんか。

確実とはいえません。確定申告書 第二表で「自分で納付」を選べるのは給与所得と公的年金等以外の所得についてで、副業がアルバイトなどの給与であれば本業と合算されて特別徴収になります。また、特別徴収の徹底を進めている自治体では希望どおりにならないことがあります。事前に市区町村の住民税担当課へ運用を確認してください。

副業が赤字でも申告は必要ですか。

所得税は、赤字であれば給与以外の所得の合計が20万円を超えないため確定申告の義務は生じないのが通常です。ただし事業所得として給与所得と損益通算し、源泉徴収された所得税の還付を受けたい場合は確定申告をします。業務に係る雑所得は損益通算ができません。住民税は、所得の有無にかかわらず市区町村が課税資料を必要とするため、確定申告をしないなら申告してください。

開業届を出すと、勤務先に副業が知られますか。

開業届は税務署へ提出する書類で、勤務先へ通知される仕組みはありません。勤務先が知る経路は住民税の特別徴収税額の決定通知が中心です。ただし、開業届を出しても社会保険や雇用保険の取り扱いが変わるわけではなく、就業規則上の副業の可否とも無関係です。規程の確認は別途行ってください。

副業先から支払調書が届きません。どう集計すればよいですか。

支払調書は支払者が税務署へ提出する書類で、受取側への交付義務はありません。届かないことを前提に、振込明細、請求書の控え、契約書から年間の収入を自分で集計します。源泉徴収されている報酬は、振込額を0.8979で割り戻すと税引前の金額の目安が出ます(復興特別所得税を含む10.21%が源泉徴収された場合)。正確な金額は請求書の控えで確認してください。

あわせて読みたい

出典

  • 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁 タックスアンサー No.1350「事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(令和7年4月1日現在法令等)
  • 国税庁「『所得税基本通達の制定について』の一部改正について(法令解釈通達)」令和4年10月7日
  • 名古屋市「給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は」
  • 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」

本記事は公表されている一次情報をもとに編集部が整理したもので、個別の税務判断を行うものではありません。金額や期限は改正で変わります。実際の申告にあたっては、国税庁および住んでいる市区町村の最新の案内を確認するか、税務署・税理士にご相談ください。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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