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年金生活者支援給付金【2026年版】月額5,620円・対象は住民税非課税+年金収入809,000円以下|請求しないと0円のまま

生成り色の帯に「退職・年金/年金生活者支援給付金/2026年度は月5,620円へ増額」と記した見出しと、日本の住まいの窓辺の机に封筒・書類・眼鏡・朱肉が置かれた写真

結論の要点(2026年8月18日時点)

  • 2026年度(令和8年度)の給付基準額は月額5,620円。前年度の5,450円から170円の増額です。
  • 対象は65歳以上で老齢基礎年金を受給し、世帯全員が市町村民税非課税で、前年の年金収入+その他所得が809,000円以下(昭和31年4月2日以後生まれ)の方。
  • 809,000円を超えても909,000円以下なら「補足的老齢年金生活者支援給付金」が出ます。ここで諦める人が多い部分です。
  • 金額は一律ではありません。保険料納付済期間と免除期間の月数で決まるため、同じ非課税世帯でも人によって数百円〜5,000円台まで開きます。
  • 請求しないと1円も出ません。新たに対象になる方へは毎年9月の第1営業日から順次「はがき型の請求書」が送られますが、届かない・見落とすケースがあります。支払いは原則、偶数月15日に前2か月分を年金とは別途振り込み。

「住民税は非課税だけど、自分は対象なのだろうか」「毎年9月にハガキが来ると聞いたのに、今年は来ていない」。年金生活者支援給付金は、対象になり得る方の数が多いわりに、請求しないと支給されないという一点だけで取りこぼしが起きやすい制度です。

この記事では、2026年度(令和8年度)の給付基準額月額5,620円を前提に、対象になる条件、自分の場合いくらになるのかの計算、請求の手順、そして「ハガキが届かない」「所得が基準額をわずかに超えた」といった現場でつまずきやすい場面を、日本年金機構の公表資料をもとに整理します。

本記事は制度の解説であり、個別の受給可否の判定ではありません。最終的な判断はお近くの年金事務所またはねんきんダイヤルでご確認ください。

退職後のお金と手続きの全体像は 退職・年金の手続きナビまとめ にまとめています。あわせて 特別支給の老齢厚生年金 もご覧ください。

目次

年金生活者支援給付金とは|3つの要件をすべて満たすと出る上乗せ給付

年金生活者支援給付金は、消費税率引き上げ分を財源に、公的年金等の収入や所得が一定基準を下回る方の生活を支援するために年金に上乗せして支給される給付金です。老齢・障害・遺族の3種類があり、この記事では受給者数が最も多い老齢年金生活者支援給付金を中心に扱います。

老齢の給付金は、次の3つをすべて満たすことが条件です。1つでも欠けると支給されません。

要件 内容 どこで確認するか
① 年齢と年金65歳以上で、老齢基礎年金を受けていること年金証書・振込通知書
② 住民税請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税であること市区町村の課税・非課税証明書
③ 所得前年の年金収入額とその他の所得の合計が809,000円以下(昭和31年4月2日以後生まれ)/806,700円以下(昭和31年4月1日以前生まれ)源泉徴収票・確定申告書
出典:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」(2026年4月1日更新)をもとに編集部作成

③の「その他の所得」には、障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれません。障害年金を受けている方が「収入があるから対象外だろう」と自己判断してしまうのは、よくある取りこぼしです。

基準額を少し超えた人を救う「補足的老齢年金生活者支援給付金」

所得が809,000円をわずかに超えただけで給付金がゼロになると、給付金を受けられる人との間で手取りの逆転が起きてしまいます。これを防ぐのが補足的老齢年金生活者支援給付金です。所得が809,000円超〜909,000円以下(昭和31年4月1日以前生まれの方は806,700円超〜906,700円以下)の範囲であれば、所得に応じて段階的に減額された額が支給されます。

前年の年金収入+その他所得と給付の関係(昭和31年4月2日以後生まれ) 老齢年金生活者支援給付金 補足的(減額して支給) 支給なし 809,000円 909,000円 ※昭和31年4月1日以前生まれの方は806,700円/906,700円に読み替えます。いずれも世帯全員が住民税非課税であることが前提です。

いくらもらえるか|5,620円は「満額」であって全員の額ではない

ニュースで見かける「月額5,620円」は給付基準額であり、全員がこの額を受け取るわけではありません。老齢年金生活者支援給付金の額は、次の(1)と(2)を足した金額です。

(1)保険料納付済期間に基づく額(月額)

5,620円 × 保険料納付済期間(月) ÷ 480月

(2)保険料免除期間に基づく額(月額)

11,768円 × 保険料免除期間(月) ÷ 480月

※11,768円は全額免除・4分の3免除・半額免除の期間に使う単価(老齢基礎年金満額の6分の1)。4分の1免除の期間は5,884円。昭和31年4月1日以前生まれの方は11,734円/5,867円。

つまり、20歳から60歳まで40年(480月)すべて保険料を納めた方が5,620円に届き、納付済期間が短い方はその割合分だけ減ります。免除期間は「ゼロ」ではなく、納付済より高い単価で評価される点が見落とされがちです。免除申請をきちんとしていた方ほど、この(2)が効いてきます。

日本年金機構が示す計算例

条件計算月額
納付済 240月5,620円 × 240 ÷ 4802,810円
全額免除 60月11,768円 × 60 ÷ 4801,471円
合計2,810円 + 1,471円4,281円
出典:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」の計算例(昭和31年4月2日以後生まれ)。端数は50銭未満切り捨て・50銭以上1円未満切り上げ。

年額に直すと約51,400円。金額としては大きくありませんが、請求書1枚を出すだけで、以後は毎年自動で継続する性質の給付です。手続きの労力に対する見返りという意味では、後述のとおり効率のよい部類に入ります。

障害・遺族の給付金の2026年度額

種類2025年度2026年度差
老齢(給付基準額)5,450円5,620円+170円
障害(1級)6,813円7,025円+212円
障害(2級)5,450円5,620円+170円
遺族5,450円5,620円+170円
2026年度の給付基準額は改定率3.2%で引き上げ。障害・遺族の給付金は所得基準が老齢とは別(前年所得が一定額以下)で、住民税非課税要件はありません。

請求手続きの流れ|出すのは基本、紙1枚

手続きは「請求書を書いて年金事務所へ出す」だけです。添付書類は原則不要で、所得や住民税の情報は日本年金機構が市区町村に照会します。

請求から入金までのタイムライン

STEP1 請求書を用意する

新たに対象になる方には、毎年9月の第1営業日から順次「はがき型の請求書」が届きます。届かない場合や、65歳の年金請求と同時に手続きする場合は、年金事務所・市区町村の窓口で用紙を受け取るか、日本年金機構のサイトから様式を印刷します。

STEP2 氏名・基礎年金番号などを記入する

はがき型は氏名・住所・電話番号の記入が中心です。65歳になる方は、誕生日の前日以降に提出してください。前日より前に出すと受け付けられません。

STEP3 年金事務所へ提出する

郵送で提出できます。窓口へ行く必要はありません。マイナポータルと連携した個人の電子申請も用意されています。

STEP4 支給決定通知書が届く

要件に該当すると「支給決定通知書」が郵送されます。該当しない場合は不該当の通知が届くので、出して損はありません。

STEP5 偶数月15日に入金される

原則、偶数月15日に前2か月分がまとめて、年金と同じ口座に年金とは別途振り込まれます(例:4月には2月分と3月分)。通帳の記載も年金とは別行になります。

いったん受給が決まれば、翌年度以降は原則としてあらためて請求書を出す必要はありません。日本年金機構が毎年、所得と住民税の情報を確認して継続の可否を判定します。所得が増えて要件を外れた年は、支給が止まる旨の通知が届きます。

パターン別の分岐|あなたはどの入口から手続きするか

あなたの状況やること
これから65歳になる老齢年金の年金請求書と一緒に給付金の請求書が同封されます。年金請求と同時に提出するのが最も確実です(提出は誕生日の前日以降)。
すでに年金を受給中で、今年から非課税世帯になった9月上旬以降に届くはがき型の請求書を提出します。届かない場合は年金事務所に連絡して用紙を取り寄せます。
配偶者が亡くなり世帯構成が変わった世帯全員の住民税非課税という要件は世帯単位です。同居家族に課税者がいなくなったことで新たに対象になる場合があります。翌年度の課税状況で判定されるため、時期をずらしてもう一度確認します。
所得が基準額を少し超えている909,000円(または906,700円)以下なら補足的給付金の対象です。「超えたから無理」と判断せず請求します。
障害年金・遺族年金を受けている老齢とは別枠の障害/遺族年金生活者支援給付金があります。住民税非課税要件はなく、前年所得で判定されます。

損しないポイント|取りこぼしが起きる4か所

ここを外すと、もらえるはずの給付が消えます

  1. 基準額を1円でも超えたら諦める。809,000円超〜909,000円以下は補足的給付金の範囲です。境界のすぐ外側にいる人ほど請求していません。
  2. 障害年金・遺族年金を「収入」に数えてしまう。これらの非課税収入は所得判定に含まれません。含めて計算して「対象外」と誤認する例が目立ちます。
  3. 免除期間を「無かった期間」と考える。保険料免除を受けていた期間は、納付済期間より高い単価(11,768円)で給付額に反映されます。若い頃に免除申請をしていた方は、額が想像より大きくなることがあります。
  4. はがきが届かない=対象外、と判断する。はがきは「新たに対象と見込まれる方」に送られる案内であり、送付漏れや住所変更で届かないことがあります。心当たりがあれば自分から請求してください。

イレギュラー・現場対応|届かない、止まった、超えた

手続きの相談窓口や受給者の体験談として繰り返し挙がる場面を、編集部の視点で整理します。個別の事情によって結論は変わるため、あくまで「まず何を確認するか」の目安としてお読みください。

はがき型の請求書が届かない

まず確認したいのは、そもそも自分が「新たに対象になった人」に該当するかどうかです。すでに受給中の方には毎年のはがきは来ません(継続は自動判定のため)。一方、今年から世帯全員が非課税になったのに何も届かない場合は、住所情報の相違や送付時期のずれが考えられます。9月中に届かなければ、10月以降に年金事務所へ問い合わせるのが実務的です。請求書は年金事務所や市区町村の窓口でも受け取れるため、はがきを待ち続ける必要はありません。

去年までもらえていたのに、今年から止まった

典型的な原因は3つです。①前年の所得が基準額を超えた(一時的な譲渡所得や、パート収入の増加など)、②世帯に住民税課税者が生じた(同居を始めた子の課税、配偶者の収入増)、③世帯分離や転居で世帯構成が変わった。いずれも翌年度に再び要件を満たせば、あらためて請求することで受給が再開できます。止まった時点で終わりと考えず、翌年の課税状況が出たタイミングで再確認するのが現実的な対応です。

通帳に給付金の入金が見当たらない

給付金は年金と同じ口座に、年金とは別の振込として入ります。年金の額に合算されるわけではないため、「年金の振込額が変わっていない=もらえていない」とは限りません。通帳の同日付の別行、またはネットバンキングの明細をもう一度確認してください。それでも見当たらない場合は、支給決定通知書が届いているかを先に確認します。

注意:給付金をかたる不審な連絡

年金生活者支援給付金の手続きで、日本年金機構がATMの操作を求めることや、手数料の振込を求めることはありません。電話やメールでキャッシュカードの暗証番号を聞かれた場合は、その場で応じず、年金事務所またはねんきんダイヤルの公表番号に自分からかけ直してください。

相場観と編集部の価値判断|年5万円強を「小さい」と切り捨てない

満額でも月5,620円、年間67,440円。先ほどの計算例(納付済240月+全額免除60月)なら月4,281円、年間51,372円です。「たったこれだけか」と感じる方もいると思います。ただ、この制度の実質的な価値は金額そのものより、手続きコストとの比率にあると考えます。

請求書1枚で、継続受給すると累計いくらになるか(月4,281円の例) ※要件を満たし続けた場合の単純累計。実際は毎年度の判定と改定で変動します。 1年 約5.1万円 5年 約25.7万円 10年 約51.4万円 提出する書類:はがき1枚(郵送可・添付書類は原則なし)

公的な給付には、毎年の更新申請や領収書の保管、複雑な添付書類を求めるものが少なくありません。その中でこの給付金は、はがき1枚を1回出せば、以後の判定は行政側が自動で行うという設計になっています。10年受給すれば50万円規模になり、しかも受給中の手間はほぼゼロです。金額の絶対値ではなく「1時間あたりの実入り」で見れば、優先度は高い部類だと編集部は考えます。

一方で、率直に言えばこの制度だけで生活水準が変わることはありません。住民税非課税世帯であれば、固定費の見直しや高額療養費・介護保険の負担軽減など、金額のインパクトがより大きい制度が並行して使える可能性があります。給付金の請求は「まず確実に取れるものを取る」入口として位置づけ、そこから他の制度の棚卸しにつなげるのが実務的な順序です。

よくある質問

年金生活者支援給付金は課税されますか。

年金生活者支援給付金は非課税です。所得税・住民税はかかりません。受け取ったことで翌年の住民税非課税の判定が変わることもありません。

65歳になる前に請求書を出しても受け付けてもらえますか。

受け付けられません。請求書は65歳になる誕生日の前日以降に提出する必要があります。老齢年金の請求と同じタイミングになるため、年金請求書と一緒に手続きするのが確実です。

毎年請求書を出し直す必要はありますか。

一度受給が決まれば、原則としてあらためて請求する必要はありません。日本年金機構が毎年、所得と市町村民税の課税状況を確認して継続の可否を判定します。要件を満たさなくなった年は、支給が止まる旨の通知が届きます。

2026年度に金額はいくら増えましたか。

老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は、2025年度の月額5,450円から2026年度は月額5,620円になりました。170円の増額で、改定率は3.2%です。障害年金生活者支援給付金は1級が月額7,025円、2級が月額5,620円、遺族年金生活者支援給付金は月額5,620円です。

世帯全員が非課税とは、どの範囲の家族を指しますか。

住民票上の同一世帯に属する全員です。同居していても世帯が分かれていれば別世帯として扱われ、逆に別居していても同一世帯であれば含まれます。判定は市区町村の課税情報に基づくため、ご自身の世帯構成は住民票で確認してください。

出典・基準日

本記事の数値は2026年8月18日時点で確認できる公表情報に基づいています。給付基準額は毎年度改定され、所得基準額も変動します。手続き前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

まずは公式の一次情報で自分の要件を確認する

支給要件・給付額の計算式・請求書の様式は、いずれも日本年金機構の公式ページで公開されています。所得基準額はご自身の生年月日で分かれるため、必ず公式の記載でご確認ください。

日本年金機構の公式ページを開く

手続きの相談先:ねんきんダイヤル、またはお近くの年金事務所(日本年金機構の公式サイトから所在地を検索できます)。請求書の様式も公式サイトから入手できます。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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