雇用調整助成金は、景気の悪化や原材料の高騰などで事業活動の縮小を迫られた事業主が、従業員を解雇せず「休業・教育訓練・出向」で雇用を維持したときに、支払った休業手当などの一部(中小企業は3分の2)が助成される制度です。2026年(令和8年)4月1日に支給要領・様式が更新され、助成額の上限は1人1日あたり8,870円です。
この記事のポイント
- ✓ 対象は休業・教育訓練・出向で雇用を維持した事業主。中小企業の助成率は2/3
- ✓ 助成額の上限は1人1日あたり8,870円(教育訓練を行うと1日1,200円を加算)
- ✓ 受給できるのは休業・教育訓練で1年間に最大100日・3年間に最大150日
- ✓ 主な要件は売上高などが直近3か月平均で前年同期比10%以上減少していること
- ✓ 休業などの実施前に「計画届」の提出が必須(事後申請では受給できない)
本記事は2026年(令和8年)7月時点の情報です。上限額・助成率・要件は年度ごとに見直されるため、申請前に必ず厚生労働省「雇用調整助成金」公式ページと最新のガイドブックでご確認ください。
雇用調整助成金の制度概要(上限額・助成率・対象)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成額の上限 | 1人1日あたり8,870円 |
| 助成率 | 中小企業 2/3/大企業 1/2 |
| 対象となる取組 | 休業・教育訓練・出向 |
| 教育訓練の加算 | 1人1日あたり 1,200円(通常時) |
| 受給できる日数 | 休業・教育訓練は1年間で最大100日、3年間で最大150日。出向は最長1年 |
| 主な要件 | 雇用保険の適用事業主で、売上高などが直近3か月平均で前年同期比10%以上減少していること |
どれくらいの日数を受給できる?
受給できる日数の上限(目安)
助成率は中小企業が2/3、大企業が1/2です。ただし累計の支給日数が30日に達した後は、教育訓練をどれだけ実施したか(教育訓練実施率)に応じて助成率や加算額が変わります。教育訓練を多く行うほど有利になる仕組みで、実施率が1/5以上の場合は教育訓練加算が1人1日1,800円に引き上げられます。
申請の流れ(5ステップ)
- 労使協定の締結:休業や教育訓練の対象者・期間・手当の水準を労使で取り決めます。
- 計画届の提出:休業などを実施する前に、管轄の労働局・ハローワークへ計画届を提出します。
- 休業・教育訓練・出向の実施:計画にそって従業員の雇用を維持します。
- 支給申請:判定基礎期間(原則1か月)ごとに、実施後に支給申請書と添付書類を提出します。
- 審査・支給決定:労働局の審査を経て、助成金が支給されます。
申請前に押さえておきたい注意点
⚠ 注意点
- 計画届は休業などの実施前に提出が必要です。事後の申請では受給できません。
- 上限額(8,870円)・助成率・要件は年度ごとに見直されます。必ず最新の公式情報を確認してください。
- 不正受給には厳格に対応されます。発覚すると全額返還・事業所名の公表・悪質な場合は告発の対象になります。
- 厚生労働省を装った偽サイトに注意してください。公式ドメインは「mhlw.go.jp」です。
よくある質問(FAQ)
個人事業主でも雇用調整助成金は使えますか?
雇用保険の適用事業主で、雇用保険の被保険者である従業員を雇用していれば、法人・個人事業主を問わず申請できます。従業員を雇っていない一人親方などは対象外です。
パート・アルバイトの休業も対象になりますか?
雇用保険の被保険者であるパート・アルバイトの休業は対象になります。労使協定で対象者に含めたうえで、所定労働日・所定労働時間内に休業を実施することが条件です。
申請の前に計画届の提出は必要ですか?
必要です。休業や教育訓練を実施する前に、労使協定を結び、管轄の労働局・ハローワークへ計画届を提出します。実施後にまとめて申請することはできません。
新型コロナウイルスの特例はまだ利用できますか?
コロナ特例は終了し、現在は通常制度に戻っています。通常制度では「売上高などが直近3か月平均で前年同期比10%以上減少している」などの要件を満たす必要があります。
関連記事・出典
雇用・人材育成の助成金は、補助金・助成金 完全ガイドもあわせてご覧ください。関連記事:業務改善助成金2026、キャリアアップ助成金 正社員化コース、助成金に強い社労士の探し方。
出典:厚生労働省「雇用調整助成金」(雇用調整助成金ガイドブック 令和8年4月1日現在版)
