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火災保険の見直し方【2026年版】水災料率5区分・最長5年契約|地震保険の割引まで4手順

自宅のリビングで火災保険の書類と家の鍵を前に契約内容を確かめる女性

火災保険の見直しは契約期間・水災等地・地震保険の割引の3点で決まります。契約できる期間は最長5年、水災の保険料は市区町村ごとに5区分で、5等地は1等地の約1.5倍です(2026年9月18日時点)。

情報基準日: 2026-09-18(出典:損害保険料率算出機構「水災等地検索」)

火災保険の更新案内が届いて「こんなに上がるのか」と手が止まった方へ。火災保険は2022年10月から契約できる期間が最長5年に短くなり、2024年10月以降は水災の保険料が住んでいる市区町村ごとに5段階へ細分化されました。つまり「同じ内容でも、住所によって上がる人と下がる人がいる」状態です。この記事では、自分がどちら側なのかを確かめる方法と、補償を削らずに保険料を下げる4手順を一次資料で整理しました。(基準日:2026年8月10日)

この記事の結論
  • 火災保険参考純率の直近改定は2023年6月21日届出(全国平均13.0%引上げ・水災料率を5区分に細分化)。2026年8月10日時点でこれが最新の改定です
  • 水災の等地は市区町村ごとに1〜5。損害保険料率算出機構のサイトで誰でも無料で調べられます
  • 個人向けの契約期間は最長5年。長期一括のほうが割安なので、更新のたびに1年契約にすると総額は高くなりがち
  • 地震保険は火災保険とセットでしか入れず、保険金額は火災保険の30〜50%の範囲・建物5,000万円/家財1,000万円が限度
  • 地震保険の割引は最大50%(免震・耐震等級3)。重複適用はできず、書類を出さないと適用されません
目次

最初にやること:自分の「水災等地」を調べる

2023年6月の参考純率改定で、それまで全国一律だった水災の料率が市区町村別の5区分になりました。洪水ハザードマップ・水害統計・地形データなどをもとに区分され、リスクが低い地域は下がり、高い地域は上がる仕組みです。

自分の住所がどの等地かは、損害保険料率算出機構の水災等地検索で確認できます。ここを見ないまま「水災補償を外す/付ける」を決めるのは、地図を見ずに保険料だけで判断しているのと同じです。等地が低いのに水災を外していないなら、そのまま付けておいても負担は小さい。等地が高いのに外しているなら、そこは真っ先に考え直すところです。

ここ数年で火災保険に起きたことの時系列

火災保険・地震保険をめぐる主な変更
2021年5月:参考純率改定の届出
この改定にあわせて、個人向け火災保険の最長契約期間が10年から5年へ短縮されました(適用は2022年10月から)。
2022年10月:地震保険の基本料率が改定
現在の地震保険の基本料率は、2022年10月1日以降に保険始期を迎える契約に適用されているものです(財務省公表)。
2023年6月21日:火災保険参考純率を届出(6月28日適合性通知)
住宅総合保険の参考純率を全国平均13.0%引上げ。あわせて水災料率を5区分に細分化。
2024年10月〜:各社の商品改定で水災5区分が順次適用
実際の保険料と適用時期は保険会社ごとに異なります。参考純率は使用義務のない参考数値です。
2026年8月10日時点:火災保険参考純率の新たな改定は公表されていない
算出機構の公表一覧では2023年6月の届出が最新です。ただし参考純率は毎年度検証されており、次の改定はいつ出てもおかしくありません。

見直しの4手順

ステップ1:保険証券から「建物の保険金額・構造級別・補償の内訳」を書き出す

火災保険の保険料は保険金額に比例します。まず建物の保険金額がいくらで、そこに何の補償が乗っているのかを一覧にします。火災・落雷・破裂爆発、風災・雹災・雪災、水濡れ、盗難、水災、破損・汚損──この並びのどれを付けているかを、証券の「補償内容」欄で確認してください。

ステップ2:水災等地とハザードマップを突き合わせる

水災等地検索で自分の市区町村の区分を確認し、自治体のハザードマップで浸水想定と自宅の立地(高台か・何階か)を照らします。マンションの上層階と、川沿いの戸建て1階では、同じ「水災補償」でも意味がまったく違います。

ステップ3:地震保険の割引書類を出せているか確認する

地震保険には4種類の割引があり、書類を提出しないと適用されません。昭和56年6月1日以降に新築された建物なら、それだけで建築年割引10%の対象です。耐震等級の評価書があれば最大50%まで下がります。契約時に出し忘れているケースが少なくないので、証券に割引の記載がなければ保険会社に確認してください。

ステップ4:契約期間を「最長5年の一括」で組み直す

火災保険は長期契約ほど割安になる設計です。地震保険も同じで、財務省が公表している長期係数は2年1.90/3年2.85/4年3.75/5年4.70。単純に年数を掛けるより安くなります(5年なら5倍ではなく4.70倍)。まとまった支払いが可能なら、5年一括のほうが総額は下がります。

地震保険は「金額」ではなく「割引と損害区分」で考える

地震保険は民間だけでは引き受けられない巨大リスクを政府が再保険して成り立っている制度で、補償内容や保険料の考え方は各社共通です。どの保険会社で入っても保険料は同じなので、比較する意味があるのは「割引をきちんと適用できているか」だけです。

地震保険の割引制度(重複適用はできません)
割引の種類 対象 割引率
免震建築物割引品確法に基づく免震建築物50%
耐震等級割引耐震等級3/2/150%/30%/10%
耐震診断割引耐震診断・改修で建築基準法の耐震基準を満たす10%
建築年割引昭和56年6月1日以降に新築10%
支払われる保険金の割合(平成29年1月1日以降の契約)
全損 100% 大半損 60% 小半損 30% 一部損 5%
いずれも地震保険の保険金額に対する割合(時価額が限度)。出典:財務省「地震保険制度の概要」

ここで押さえておきたいのは、地震保険は「建て直せる額」を出す保険ではないということです。保険金額の上限は火災保険の50%まで。全損でも半分までしか出ません。制度の目的が「被災者の生活の安定に寄与すること」に置かれているためで、住宅ローンの残債をゼロにする設計にはなっていません。

パターン別:どこから手をつけるか

住まいの状況別・見直しの優先順位
あなたの住まい 最初に手をつけるところ 削らないほうがよいもの
マンションの中〜高層階水災補償の要否を等地とあわせて再検討。家財の保険金額が実態より大きくないか確認水濡れ・個人賠償責任
川沿い・低地の戸建て水災は残す前提で、免責金額や契約期間で調整する水災補償
昭和56年6月以降の新築・耐震等級あり地震保険の割引書類を提出できているか確認(最大50%)地震保険そのもの
毎年1年契約で更新している最長5年の一括契約に組み直して長期係数の割安さを取りにいく補償の範囲
賃貸に住んでいる不動産会社指定の家財保険を、内容を確認したうえで他社と比較する借家人賠償責任
築年数が古く修理歴がある破損・汚損補償の要否を検討。過去の被害は時効3年以内なら請求可能か確認風災・雹災・雪災

損しないポイント

見落とすと数万円〜数十万円の差になります
  • 過去の被害は3年前までさかのぼって請求できる。保険法で保険給付の請求権は行使できるときから3年で時効になります。台風で樋が壊れたまま放置している、といった心当たりがあれば保険会社に相談を
  • 地震保険料控除を申告する。所得税は最高5万円、住民税は最高2万5千円が所得から控除されます。年末調整または確定申告で控除証明書を出さないと使えません
  • 長期契約を中途解約しても未経過分は戻る。5年一括にしたあと引越しや売却があっても、残り期間に応じた返戻がある設計が一般的です
  • 家財の保険金額を「なんとなくの初期設定」のままにしない。家族構成が変われば適正額も変わります
  • 自動車保険とまとめて同じ月に棚卸しする。損害保険は更新月がバラバラだと見直しが後回しになりがちです
注意:地震保険で対象にならないもの

1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券、預貯金証書、印紙、切手、自動車等は地震保険の対象外です。また地震等の発生日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害や、地震の際の紛失・盗難も保険金が支払われません(財務省公表)。

イレギュラー・現場でつまずきやすいところ

国民生活センターは2021年9月2日に「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意」と題した注意喚起を公表しています。「火災保険を使えば自己負担なく屋根を直せる」といった訪問勧誘に関する相談が増えているという内容で、申請サポートを受ける前に、まず契約している損害保険会社に連絡すること、保険金の請求は加入者自身で行うことが呼びかけられています。

  • 「保険金が下りなかったのに高額な手数料を請求された」——成功報酬型をうたいながら、解約時に違約金を求められる形態が問題になっています。契約書を渡されないまま工事の話が進むのは危険信号です。
  • 「経年劣化と判断されて支払われなかった」——火災保険が補償するのは偶然の事故による損害で、時間の経過による劣化は対象外です。被害の直後に写真を撮り、いつの何が原因かを記録しておくと判断が早くなります。
  • 「工事を先に契約してしまい、保険金が出ないのに支払い義務だけ残った」——保険会社への連絡より先に工事契約を結ばないことが、いちばん確実な予防策です。
  • 「保険会社と話がまとまらない」——日本損害保険協会のそんぽADRセンターが相談・苦情の窓口です。訪問販売のトラブルは消費者ホットライン188(いやや)でも相談できます。
  • 「1年契約を繰り返している」——最長5年に短縮された影響で、更新のたびに1年で組んでいる契約が増えています。総額では長期一括のほうが安くなる設計であることを、更新時に必ず確認してください。

相場観と編集部の価値判断

火災保険の「相場」は、住所・構造・築年数・保険金額で数倍の幅が出るため、金額の目安を示すこと自体があまり意味を持ちません。代わりに編集部が判断材料として重視しているのは、「参考純率が上がった年に、補償の中身まで一緒に薄めてしまわないこと」です。

2023年の改定で水災料率が5区分になったのは、裏を返せば「リスクが低い地域の人は、これまで高すぎる水災料を負担していた」ということでもあります。等地の低い地域に住んでいるなら、今回の細分化は追い風です。逆に等地が高い地域では上がりますが、そこは実際に水災リスクが高い場所ということですから、保険料が上がったからといって外すのは本末転倒です。等地を調べてから判断する——この順番を守るだけで、大きな判断ミスは避けられます。

地震保険については、「火災保険の50%までしか出ない」ことを理由に見送る人が一定数います。編集部の見方は逆で、全損時に生活を立て直す当座の現金が確保できるという一点で価値があると考えます。加えて割引が最大50%あり、地震保険料控除も使えるため、実質負担は表示された保険料そのままではありません。

固定費の全体像は固定費見直しナビに、同じ損害保険では自動車保険の見直し方【2026年版】、保障の考え方は生命保険の見直し方【2026年版】にまとめています。

公式情報で最終確認する

水災等地は損害保険料率算出機構、地震保険の制度・割引・損害区分は財務省の公表資料が一次情報です。実際の保険料・補償範囲・免責金額は保険会社と商品ごとに異なるため、契約前に重要事項説明書と約款をあわせてご確認ください。

よくある質問

火災保険は2026年も値上がりしますか?

2026年8月10日時点で、損害保険料率算出機構が公表している火災保険参考純率の最新の改定は2023年6月21日届出分(全国平均13.0%引上げ・水災料率の5区分化)です。それ以降の新たな改定は公表されていません。ただし参考純率は毎年度検証されており、改定の必要があれば届出が行われます。また各保険会社は自社の収支に応じて独自に改定することもあるため、更新案内で実際の金額を確認してください。

水災補償は外してもいいですか?

住所の水災等地と自治体のハザードマップ、建物の階数・立地を確認したうえで判断してください。水災等地は損害保険料率算出機構の水災等地検索で市区町村別に無料で調べられます。等地が高い地域や低地の戸建てで外すのは慎重に検討すべきです。マンションの中〜高層階など浸水の可能性が低い住まいでは、外す判断が合理的な場合があります。

地震保険は保険会社によって保険料が違いますか?

地震保険は政府が再保険する公的性格の強い制度で、補償内容と保険料の算出方法は各社共通です。同じ所在地・構造・保険金額・割引であれば保険料は変わりません。比較する意味があるのは、割引が正しく適用されているか、セットになる火災保険側の条件がどうか、という点です。

3年前の台風の被害はもう請求できませんか?

保険法では保険給付を請求する権利は行使できるときから3年間行使しないと時効で消滅すると定められています。逆に言えば3年以内であれば請求できる可能性があります。ただし時間が経つほど原因の証明が難しくなり、経年劣化と判断されやすくなります。心当たりがあれば早めに保険会社へ連絡してください。

「保険で無料で屋根を直せる」と業者に言われました。

国民生活センターが注意喚起を出している類型です。申請サポートを受ける前に、まず契約している損害保険会社に連絡してください。保険金の請求は加入者本人が行うのが原則です。高額な手数料や解約時の違約金をめぐるトラブルが報告されています。不安を感じたら消費者ホットライン188、または日本損害保険協会のそんぽADRセンターに相談できます。

出典・参照した一次情報

本記事は2026年8月10日時点で公表されている情報をもとに、みんなのミカタナビ編集部が整理したものです。保険料・補償内容・適用時期は保険会社や商品によって異なります。個別の契約については保険証券と約款、保険会社の窓口でご確認ください。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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