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自動車保険の見直し方【2026年版】参考純率が平均14.4%引上げ|等級・車両保険・割引で下げる4手順

自宅のダイニングで保険証券と電卓を前に自動車保険の契約内容を見比べる男性

自動車保険の参考純率は2026年6月23日に平均14.4%の引上げが届け出られました。実際の保険料に反映される時期は保険会社ごとに違い、いま自分で動かせるのは等級・車両保険・割引の3か所です(2026年9月18日時点)。

情報基準日:2026-09-18(出典=損害保険料率算出機構の参考純率改定の届出。最終確認日=2026年9月18日)

自動車保険の更新案内を見て「去年より高い」と感じた方へ。2026年6月23日、損害保険料率算出機構が自動車保険の参考純率を平均14.4%引き上げる届出を金融庁長官に行いました。事故は減っているのに、修理代が上がり続けていることが理由です。この記事では、値上げがいつ・どのくらい自分の保険料に届くのか、そして補償を削らずに保険料を下げる4つの手順を、一次資料をもとに整理しました。(基準日:2026年8月10日)

この記事の結論
  • 平均14.4%の引上げは「参考純率」の話。実際の保険料と改定時期は保険会社ごとに違う
  • 想定されているのは2027年1月以降に保険が始まる契約。今年の更新がすぐ14.4%上がるわけではない
  • 契約例では車両保険つきで普通・小型乗用車+17.2%/軽四輪+17.5%、車両保険なしなら+16.4%/+15.8%
  • 下げ幅が大きいのは車両保険の見直しと割引の取りこぼし回収。等級は自分では動かせない
  • 2026年の届出で「運行特性区分」が新設。急加速・急減速が少ないと保険料が安くなる仕組みが始まる
目次

なぜ上がるのか:事故は減っているのに修理代が上がっている

損害保険料率算出機構の届出資料によると、事故率そのものは新型コロナ後の交通量回復による増加が落ち着き、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)など先進安全技術の普及を背景に緩やかに減少しています。それでも保険料が上がるのは、1件あたりの支払保険金(保険金単価)の上昇が事故率の減少を上回っているためです。

対物賠償責任保険の1件あたり修理費は、2022年度33.6万円 → 2023年度35.8万円(+6.7%)→ 2024年度38.6万円(+7.6%)と2年連続で伸びています。

対物賠償責任保険の1件あたり修理費の内訳(単位:千円)
費目 2022年度 2023年度 2024年度
部品費155163174
工賃646873
塗装費535660
間接損害(代車料等)637279
合計336358386
保険金単価が上がった要因の影響度合い(対物賠償の例)
物価上昇・高性能部品の普及等 40%程度 その他(代車料等) 35%程度 工賃単価の上昇 25%程度
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率 届出のご案内」(2026年6月23日)をもとに編集部作成

つまり値上げの正体は「運転が荒くなったから」ではなく、部品が高性能化して高くなり、工賃も上がり、修理に時間がかかって代車代が膨らんでいるという構造要因です。安全運転をしても物価要因は避けられないため、対策は「事故を起こさない」だけでは足りません。

値上げが自分の保険料に届くまでの時系列

参考純率は保険会社が保険料を計算するときの「材料」であって、そのまま保険料になるわけではありません。使うかどうか、いつから使うかは各社が決めます。ここを取り違えると「来月の更新で17%上がる」と早合点してしまいます。

参考純率の改定が保険料に反映されるまで
2026年6月23日:算出機構が金融庁長官へ届出
参考純率を平均14.4%引き上げる内容。運行特性区分の新設も同時に届出。
2026年6月30日:金融庁の適合性審査結果を受領
この時点で各保険会社が新しい参考純率を使えるようになる。
2026年後半〜:各社が商品改定の検討・届出
採用するか・どの程度反映するか・いつからかは会社ごとに判断。改定案内は満期の2〜3か月前に届く更新書類で分かることが多い。
2027年1月以降に保険始期を迎える契約(想定)
算出機構が今回の水準見直しで想定している対象。実際の適用時期は保険会社が決める。

算出機構が公表した契約例(記名被保険者45歳・26歳以上補償・20等級無事故・運転者限定なし・沖縄県以外)の改定率は次のとおりです。車両保険を含むかどうかで1ポイント前後の差があり、軽四輪は車両保険つきのときに最も上げ幅が大きくなっています。

契約例自家用普通・小型乗用車自家用軽四輪乗用車
対人・対物・人身傷害+車両保険のセット+17.2%+17.5%
上記から車両保険を除いたセット+16.4%+15.8%
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率 届出のご案内」(2026年6月23日)

見直しの4手順:この順番でやると取りこぼしが出ない

いきなり一括見積りサイトに入力すると、条件の設定を間違えたまま「安い会社」を選んでしまいます。先に自分の契約の中身を確定させてから比較するのが確実です。

ステップ1:保険証券で3つの数字を書き出す(所要10分)

確認するのはノンフリート等級、事故有係数適用期間、型式別料率クラスの3つです。等級は1〜20等級で、無事故が続くと1年に1等級ずつ上がります。事故有係数適用期間は、3等級ダウン事故なら1件につき3年、1等級ダウン事故なら1件につき1年が積算され(上限6年・下限0年)、満期を迎えるごとに1年ずつ減っていきます。この期間が残っているうちは、同じ等級でも割引率が低い「事故有係数」で計算されます。

型式別料率クラスは車検証の「型式」ごとに決まる区分で、損害保険料率算出機構の型式別料率クラス検索で誰でも無料で確認できます。対人・対物・人身傷害・車両の4つで別々のクラスがつくため、「車両保険のクラスだけが高い」ことも珍しくありません。

ステップ2:車両保険を「時価」と「免責金額」で判定する

車両保険は保険料の中で最も重いパーツで、契約例でも車両保険の有無で改定率が変わります。判断の軸は2つです。ひとつは車の時価が下がって保険金額が小さくなっていないか。もうひとつは免責金額(自己負担額)を上げる余地があるかです。免責0円のままにしている契約は、5万円・10万円へ引き上げるだけで保険料が下がります。

ステップ3:使える割引を全部当てる

取りこぼしが多いのは、運転者限定・年齢条件・使用目的・年間走行距離の4つです。子どもが独立した、通勤で使わなくなった、といった生活の変化を保険に反映していない契約はかなりあります。加えて算出機構の参考純率にはASV割引(発売後約3年以内の型式でAEB装着なら9%割引)や、初度検査・初度登録からの経過期間に応じた割引が組み込まれています。

ステップ4:満期の1〜2か月前に比較して切り替える

等級は他社へ引き継げます。満期日の前日までに次の契約を成立させれば等級は継続しますが、満期後に空白期間ができると等級を引き継げなくなることがあります。猶予の日数は各社の約款で定められているため、更新書類か窓口で必ず確認してください。更新書類が届いたらすぐ比較を始め、遅くとも満期の1か月前には決めておくと安全です。

新設される「運行特性区分」で何が変わるのか

2026年6月の届出には、保険料水準の見直しと並んで運行特性区分の新設が含まれています。ドライブレコーダー等で記録した走行データと保険データを突き合わせた分析で、急加速・急減速が少ないドライバーほど事故リスクが低いことが確認されたためです。

区分判定のもとになるもの保険料への影響
区分1急加速・急減速の頻度が少ない最もリスクが低く保険料が安い
区分2中間区分間の較差は10%
区分3急加速・急減速の頻度が多い最もリスクが高い
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率 届出のご案内」(2026年6月23日)。判定は一定期間の走行状況から総合的に行われ、1回の急な操作だけで決まるものではないとされています。

編集部の見方としては、これは「テレマティクス保険が例外から標準になる入口」です。従来は一部の会社の独自商品でしたが、参考純率の料率区分に入ったことで、今後は各社が横並びで採り入れやすくなります。ドライブレコーダーを付けていない人にとっては、当面は現行どおりの区分なしで計算される見込みです。

パターン別:あなたはどこを削るべきか

状況別・見直しの優先順位
あなたの状況 最初に手をつけるところ 触らないほうがよいもの
10年以上乗った車・時価が低い車両保険の要否をゼロベースで再検討。残す場合は免責金額を引き上げる対人・対物の無制限
ローン返済中・新車車両保険は残し、免責金額と特約(車両新価特約等)で調整車両保険そのもの
子どもが独立した・同居家族が減った運転者限定と年齢条件を今の家族構成に合わせ直す人身傷害の保険金額
通勤に使わなくなった・年間走行距離が減った使用目的と年間予定走行距離を申告し直す対物の無制限
事故有係数適用期間が残っている今年は補償の削りすぎを避け、期間が0年になる年に本格的に比較する等級を守るための小損害の自己負担
車に乗らない期間ができる(入院・海外赴任等)解約前に中断証明書を発行してもらい等級を保存する証明書なしでの解約

損しないポイント

ここを外すと数万円単位で損をします
  • 解約するときは必ず中断証明書。車を手放す・長期間乗らないときに発行しておけば、一般に最長10年間、等級を保存して再開できます(要件と期間は保険会社ごとに確認)
  • 「等級を守るために保険を使わない」の損得は必ず計算する。3等級ダウン+事故有係数3年で増える保険料の合計と、受け取れる保険金を比べてから決める
  • 年払いと月払いの差額。月払いは分割手数料が乗るため、一般に年払いのほうが総額は安くなります
  • 火災保険・生命保険とまとめて棚卸しする。固定費の見直しは1つずつやるより、同じ月にまとめたほうが漏れません
注意

参考純率の改定率は「沖縄県以外・特定の契約条件での平均」です。用途・車種・補償内容・等級によって改定率は異なり、下がる契約もあります。自分の保険料がいくらになるかは、必ず更新書類か見積りで確認してください。

イレギュラー・現場でつまずきやすいところ

比較サイトの口コミや保険会社のFAQで繰り返し語られるつまずきを、編集部の視点で整理しました(個別事例の再現ではなく、公表されている相談・解説から共通する論点を要約したものです)。

  • 「等級は上がったのに保険料も上がった」——参考純率の改定や型式別料率クラスの見直しが等級の割引を打ち消すことがあります。等級が1つ上がった分より、料率クラスが1段階上がった分のほうが大きいケースがあるためです。
  • 「一括見積りが安く出たのに契約時に上がった」——年間走行距離や使用目的を実態より軽く入力していると、契約時の確認で修正が入ります。見積りは実態どおりの条件で取るのが結局は早道です。
  • 「事故で保険を使ったら翌年から3年ずっと高い」——3等級ダウン事故は等級が3つ下がるだけでなく、事故有係数適用期間が3年つきます。等級と係数の二重の影響があることを知らないまま少額の修理に使ってしまう例が目立ちます。
  • 「別居の子どもが運転して補償されなかった」——運転者限定・年齢条件は保険料を下げる代わりに補償範囲を狭めます。帰省や引越しの手伝いなど、年に数回でも運転する人がいるなら、その期間だけ条件を見直すか1日自動車保険を検討します。
  • 「中断証明書を取り忘れて等級がリセットされた」——解約手続きが終わってから気づくと手遅れになりがちです。車を手放す予定が立った時点で保険会社に伝えるのが確実です。

相場観と編集部の価値判断

今回の改定で押さえておきたいのは、「上がるのは全員ではないが、上がりやすい人ははっきりしている」ということです。契約例を見ると、上げ幅が大きいのは車両保険をつけている契約で、とくに自家用軽四輪乗用車の+17.5%が最も高い水準でした。軽自動車も部品の高性能化と工賃上昇の影響を等しく受けている、という読み方ができます。

編集部としては、値上げへの対応で対人・対物賠償の無制限を削るのは勧めません。賠償額は自分の車の価値と無関係に決まり、削って浮く保険料に対してリスクが釣り合わないためです。削る順番をつけるなら、①免責金額の引き上げ、②運転者限定・年齢条件・使用目的の実態合わせ、③車両保険の要否、④会社の乗り換え、という順に検討し、賠償系は最後まで触らないという方針が合理的だと考えます。

また、参考純率が上がった年は会社間の差が開きやすいタイミングでもあります。参考純率を採用するかどうか、どの時期に反映するかが会社ごとに異なるためです。ここ数年一度も他社見積りを取っていないなら、2026年後半から2027年の更新は比較する価値が高い局面といえます。

固定費全体の棚卸しは固定費見直しナビに、保障の考え方は生命保険の見直し方【2026年版】にまとめています。

公式情報で最終確認する

参考純率の改定内容と型式別料率クラスは損害保険料率算出機構の公表資料が一次情報です。実際の保険料・改定時期・割引の適用条件は保険会社ごとに異なるため、契約前に各社の重要事項説明書と約款をあわせてご確認ください。

自分の車の型式別料率クラスは損害保険料率算出機構「型式別料率クラス検索」で無料で調べられます。契約内容の相談や保険会社とのトラブルは、日本損害保険協会のそんぽADRセンターが窓口です。

よくある質問

2026年の更新から保険料は14.4%上がりますか?

いいえ。14.4%は損害保険料率算出機構が2026年6月23日に届け出た「参考純率」の平均改定率で、保険会社が実際に販売する保険料の改定率とは異なります。今回の水準見直しが想定しているのは2027年1月以降に保険始期を有する契約で、採用するかどうか・いつから反映するかは各保険会社が判断します。

等級は他社に乗り換えても引き継げますか?

引き継げます。ノンフリート等級と事故有係数適用期間は保険会社間で共有される仕組みになっているため、乗り換えても等級だけリセットされることはありません。ただし満期後に空白期間ができると等級が引き継げなくなる場合があるので、切替は満期日の前に完了させてください。取扱いの詳細は各社の約款で確認が必要です。

車両保険は外してもいいですか?

一律の正解はありません。判断材料は「車を修理せず買い替えられる貯蓄があるか」「ローンが残っていないか」「時価がいくらか」の3点です。外さずに保険料を下げたい場合は、免責金額(自己負担額)を0円から5万円・10万円に引き上げる方法があります。車両保険の有無は改定率にも影響し、算出機構の契約例では車両保険つきのほうが約1ポイント高い改定率になっていました。

運行特性区分はドライブレコーダーがないと不利になりますか?

算出機構の契約例では「車両走行データなし(現行区分なし)」という条件が示されており、走行データがない場合は区分が適用されない前提で計算されています。区分は1〜3の3段階で較差は10%とされているため、データを提供して区分1と判定されれば有利になる可能性がある、という位置づけです。実際の運用は各保険会社の商品設計によります。

小さな傷の修理に保険を使うべきか迷います。

3等級ダウン事故に該当すると、翌年から等級が3つ下がるうえに事故有係数適用期間が3年つきます。この3年間は同じ等級でも割引率の低い係数で計算されるため、影響は1年では終わりません。保険会社に「使った場合と使わなかった場合の3〜4年分の保険料差額」を試算してもらい、受け取れる保険金と比べてから決めるのが確実です。

出典・参照した一次情報

本記事は2026年8月10日時点で公表されている情報をもとに、みんなのミカタナビ編集部が整理したものです。保険料や補償内容は保険会社・契約条件によって異なります。個別の契約については、保険証券と各社の約款、および保険会社の窓口でご確認ください。

手続きと一緒に見直すと早いこと

自動車保険だけを削るより、家計の固定費をまとめて点検したほうが下げ幅は大きくなります。手続きが1回で済むものから片づけるのが早道です。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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