自分が使える補助金・助成金を30秒でチェック(無料・登録不要)

墓じまい(改葬)の進め方【2026年版】改葬許可証は「今お墓がある市区町村」へ・費用は総額30万〜150万円|離檀料に法的な支払い義務はない

墓石を清める女性(墓じまい・改葬の準備)

お墓を管理する人がいなくなり、「墓じまい」を考え始めた——。ただ、最初に手を付けるべきなのは石材店への見積もりでも、お寺への相談でもありません。遺骨を移すには市区町村の「改葬許可証」が要るという一点を押さえないと、工事の日程だけ先に決まって遺骨が動かせない、という事態が起きます。この記事では、改葬許可の取り方を軸に、費用の内訳と、実際にもめやすい離檀料の扱いまでを時系列で整理します。(2026年7月31日時点の情報)

まず押さえる3つ|何を・いつまでに・いくら
  • 何を:遺骨を移すには「改葬許可証」が必須。申請先は今お墓がある市区町村(移転先ではありません)。必要なのは①改葬許可申請書②今の墓地管理者が出す埋蔵証明③移転先の受入証明の3点セットです。
  • いつまでに:法律上の期限はありません。ただし書類集めに1〜2か月、全体で3〜6か月みておくのが現実的。閉眼供養と撤去工事は改葬許可証が出てからでも間に合いますが、親族の合意だけは最初に取るのが鉄則です。
  • いくら:撤去工事+改葬先+供養でおおむね30万〜150万円。内訳の中心は墓石撤去(1㎡あたり10万〜15万円が目安)と、移転先の永代供養・樹木葬(5万〜150万円と幅が大きい)です。改葬許可の手数料自体は無料〜数百円です。
目次

改葬許可証がないと遺骨は動かせない(墓地埋葬法5条)

墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)第5条は、埋葬・改葬・火葬は市町村長の許可を受けなければならないと定めています。改葬の許可は「死体または焼骨の現に存する地」の市町村長が行う、とされている点が重要です。つまり申請先は今お墓がある自治体で、引っ越し先の自治体ではありません。遠方の実家のお墓をたたむ場合、平日に窓口へ行けるかがそのままスケジュールを左右します(郵送対応の可否は自治体ごとに違うため、最初に電話で確認してください)。

手続きは1体(1柱)ごとに必要です。祖父母・父母など4人分が入っているお墓なら、原則として改葬許可証も4通になります。申請書の様式も「1体につき1枚」の自治体が多く、ここで枚数が足りずに出直す人が少なくありません。

墓じまいの全体スケジュール(時系列タイムライン)

色は緊急度の目安です。紺=最初にやる/緑=書類集め/金=お金と工事/赤=ここを飛ばすと止まる。

相談開始から納骨までの流れ(目安3〜6か月)
STEP1|0か月
親族全員に話を通す(費用0円)
後から「聞いていない」と言われるのが最大のトラブル要因です。費用を誰がいくら出すかと、遺骨をどこへ移すかの2点だけは、動き出す前に口頭でなく共有しておいてください。
STEP2|0〜1か月
移転先(改葬先)を決めて契約する
永代供養墓・樹木葬・納骨堂・手元供養・散骨など。受入証明書がないと改葬許可申請ができないため、実務上ここが先です。散骨のみで移転先がない場合の扱いは自治体で異なるので事前に確認を。
STEP3|1か月
今の墓地管理者に伝え、埋蔵証明をもらう
寺院墓地なら住職、公営霊園なら管理事務所へ。「墓じまいします」と結論から入らず、事情の相談から始めるのが、後述の離檀料トラブルを避ける最大のコツです。
STEP4|1〜2か月
市区町村へ改葬許可を申請する
申請先は今お墓がある市区町村。改葬許可申請書+埋蔵証明+受入証明を提出します。遺骨1体につき1通。手数料は無料〜数百円程度の自治体がほとんどです。
STEP5|2〜3か月
閉眼供養(魂抜き)を行う
僧侶に読経してもらう儀式。お布施は3万〜5万円程度が目安として案内されることが多い項目です。宗派・地域により扱いが異なり、必須ではないとする考え方もあります。
STEP6|2〜3か月
遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地に戻す
石材店の工事。墓地によって指定石材店制があるため、相見積もりが取れるかを先に確認します。区画は更地にして管理者へ返還するのが原則です。
STEP7|3〜6か月
改葬許可証を移転先に提出して納骨
許可証は納骨のときに移転先へ渡します。紛失すると再発行の手間が大きいので、原本の保管者を決めておいてください。

費用は「撤去」と「移転先」の2本立て。どこで差がつくか

墓じまいの費用は大きく①今のお墓を片づける費用と②遺骨の新しい行き先の費用に分かれます。①はお墓の広さでほぼ決まる固定的な費用、②は選ぶ供養方法で10倍以上変わる変動費用です。総額が読めないと感じるのは、②の幅が大きいからです。

費用の内訳と幅(編集部が民間事業者の公開情報をもとに整理した目安・2026年7月)
墓石の撤去工事(1㎡10万〜15万円) 20万〜50万円 閉眼供養のお布施 3万〜5万円 離檀料(寺院墓地の場合・任意) 5万〜20万円が一般的な範囲 移転先(永代供養・樹木葬・納骨堂) 5万〜150万円 合計の目安:おおむね30万〜150万円(改葬許可の手数料は無料〜数百円)
※価格は民間事業者が公表する相場情報であり、公的に定められた金額ではありません。区画面積・立地・搬出条件で大きく変わります。

撤去工事が高くなるのは「重機が入らない」場所です。山間部や階段のみでアクセスする墓地、区画が狭くクレーンを据えられない霊園では、人力搬出になり見積もりが跳ね上がります。見積書を取るときは「重機は入りますか」「搬出経路はどこですか」を必ず確認してください。

知らないと損する・止まる4つのポイント

ここを外すと、お金か時間を余分に失います
  1. 離檀料に法的な支払い義務はない。お布施の一種であり、金額を定めた法律はありません。山形県は消費生活の注意喚起として、高額な離檀料の請求トラブルに注意するよう呼びかけています。請求書の形で高額を提示された場合は、その場で合意しないのが原則です。
  2. 改葬許可は遺骨1体につき1通。何柱入っているかを、埋蔵証明を出してもらう段階で管理者と数え合わせてください。古いお墓では戒名だけあって遺骨が残っていないことも珍しくありません。
  3. 指定石材店制かどうかを先に確認する。指定制なら相見積もりは取れません。これを知らずに外部業者と契約すると、契約解除で手数料が発生します。
  4. 自治体の補助金がある場合がある。公営墓地の返還促進として、墓石撤去費の一部を助成している自治体が一部あります。数は多くありませんが、「〇〇市 墓地 返還 助成」で先に検索する価値はあります。工事契約後の申請は対象外になるのが通例です。

あなたの場合はこうなる|状況別の分岐

あなたの状況最初にやることつまずきやすい点
寺院墓地(檀家)住職に「結論」ではなく「相談」として切り出す。承継者がいない事情から話す。離檀料。事後に金額提示されると交渉が難しくなる。目安額を早い段階で聞いておく。
公営霊園管理事務所に返還手続きの書式と期限を確認。離檀料は発生しない一方、更地返還の基準(基礎コンクリートまで撤去か)が厳格なことがある。
お墓が遠方(帰省が年1回)改葬許可申請が郵送可能かを市区町村に電話確認。窓口来庁必須の自治体だと、帰省日程に手続きを合わせる必要があり、全体が半年〜1年に延びる。
兄弟姉妹が複数いる費用の分担と移転先を、着工前に文章(メールでも可)で共有。「散骨にした」と事後報告して感情的な対立になる例が多い。遺骨は元に戻せない。
承継者がいない・自分の代で終わり移転先を永代供養(合祀)にして、以後の管理料が発生しない形にする。合祀は原則として後から遺骨を取り出せない。迷いがあるなら個別安置期間つきを選ぶ。

現場でよくあるイレギュラーと対処

ここは公的資料には書かれていない部分です。体験談として多く語られている事柄を、編集部が複数の相談事例・専門家の解説記事を読み比べて整理しました(法的な効果や金額を保証するものではありません)。

高額な離檀料を提示された

数十万円から、百万円単位、さらに高額を求められた事例が消費生活相談や弁護士の解説で報告されています。山形県は「墓じまい 離壇料に関するトラブルに注意」として県公式サイトで注意喚起を出しています。実務上の対処としてよく挙げられるのは、①その場で合意・支払いをしない ②請求の根拠と内訳を書面で求める ③宗派の本山や自治体の消費生活センターに相談する ④それでも折り合わなければ弁護士へという順です。埋蔵証明の発行を拒まれた場合でも、自治体によっては事情を申し立てることで改葬許可の審査を進める運用があるため、まず市区町村の担当窓口に相談してください。

開けてみたら遺骨が土に還っていた/数が合わない

骨壺を使わず直接土に埋葬していた古いお墓では、遺骨がほとんど残っていないことがあります。この場合、周囲の土を「遺骨に代わるもの」として少量取り、改葬先に納めるという扱いが現場では一般的です。申請済みの改葬許可証の枚数と実際の柱数が合わないと判明したら、工事を止めて市区町村に連絡してください。

骨壺が想定より大きく、移転先に入らない

骨壺の大きさは東日本と西日本で違います(東日本は全収骨で大きめ、西日本は部分収骨で小さめ)。関西のお墓を関東の納骨堂へ、あるいはその逆に移すときに「サイズが合わない」問題が起きます。移転先の契約前に、現在の骨壺の寸法を管理者に確認しておくと安全です。粉骨(遺骨をパウダー状にする)で対応する例もあります。

工事が冬季に止まる/雨で延びる

積雪地の墓地は冬期に工事ができません。また、お盆・彼岸の前後は石材店の繁忙期で日程が取りにくくなります。「年内に終わらせたい」なら、逆算して夏までに書類をそろえるのが現実的です。

どこまでやるか|編集部の価値判断

墓じまいは、事業者に相談すると「せっかくですから」と上位の供養プランを勧められやすい領域です。どれが正解ということはありませんが、判断材料として3つの立ち位置を示します。

価値観別・どこまでお金をかけるか
  • 堅実に済ませたい人(総額30万〜60万円):撤去工事+公営・寺院の合祀型の永代供養。年間管理料がゼロになり、以後の負担が完全に切れます。閉眼供養は行い、離檀料は「お世話になったお礼」として無理のない範囲にとどめる。「管理を次世代に残さない」という目的だけを見るなら、これで十分に達成できます。
  • お参りの場所は残したい人(総額60万〜120万円):個別安置期間つきの樹木葬・納骨堂。13回忌や33回忌まで個別に安置し、その後に合祀という形式が多い。手を合わせる先が具体的にある安心感に、追加の30万〜60万円を払う価値を認めるかどうかの判断です。
  • こだわりたい人(総額120万円〜):都市部の駅近納骨堂、複数名の永代供養、粉骨して一部を手元供養、といった組み合わせ。金額の大半は「立地」と「個別区画の広さ」に払っています。供養の手厚さと必ずしも比例しない点は、意識しておいて損はありません。

編集部としての率直な見方を1つだけ書きます。迷っている段階では、後戻りできない選択(合祀・散骨)を先に決めないほうが安全です。合祀した遺骨は原則として取り出せません。個別安置期間つきを選んでおけば、数年後に家族の考えが変わっても選び直す余地が残ります。逆に、承継者がいないことがはっきりしているなら、期間つきを選んでも最終的には合祀されるため、最初から合祀を選ぶ判断は合理的です。分かれ目は「今後この遺骨について意思決定する人がいるかどうか」です。

あわせて読みたい

よくある質問

墓じまいの改葬許可申請は、どこの役所に出すのですか?

今お墓がある市区町村に出します。移転先の市区町村ではありません。墓地埋葬法では、改葬の許可は焼骨が現に存する地の市町村長が行うと定められているためです。遠方の場合は郵送申請が可能かを電話で確認してください。

改葬許可証は何通必要ですか?

原則として遺骨1体(1柱)につき1通です。祖父母・父母など4人分が納められているお墓なら4通になります。何柱入っているかは、埋蔵証明書を発行してもらう段階で墓地の管理者と数え合わせておくと確実です。

離檀料は必ず払わなければいけませんか?

法律で支払いが義務づけられているものではありません。お布施の一種で、一般に案内される範囲は5万〜20万円程度ですが、決まった額はありません。高額な請求を受けたトラブルは自治体の消費生活相談でも注意喚起されています。その場で合意せず、内訳の説明を求め、必要に応じて消費生活センターや弁護士に相談してください。

墓じまいの費用は全部でいくらかかりますか?

墓石の撤去工事が20万〜50万円(1㎡あたり10万〜15万円が目安)、閉眼供養のお布施が3万〜5万円、移転先の永代供養や樹木葬が5万〜150万円で、合計はおおむね30万〜150万円です。改葬許可の申請手数料自体は無料〜数百円程度です。金額は公的に定められたものではなく、区画の広さや搬出条件で大きく変わります。

墓じまいに補助金は出ますか?

公営墓地の返還を促す目的で、墓石撤去費の一部を助成している自治体が一部にあります。全国的な制度ではないため、お墓がある市区町村のサイトで「墓地 返還 助成」等を検索して確認してください。工事契約後の申請は対象外とされるのが通例なので、契約前に問い合わせるのが安全です。

遺骨を取り出したら、ほとんど土になっていました。どうすればよいですか?

骨壺を使わず直接土に埋葬していた古いお墓では珍しくありません。実務上は周囲の土を少量取って遺骨に代わるものとして改葬先に納める扱いが一般的です。ただし申請済みの改葬許可証の枚数と実際の柱数が食い違う場合は、工事を進める前に市区町村の担当窓口に連絡してください。

手続きの詳細は自治体で確認を

改葬許可の様式や必要書類は市区町村ごとに異なります。本記事は公表時点の公的情報と公表相場をもとにした一般的な整理です。申請前にいま遺骨がある市区町村の公式サイトで最終確認してください。

相続とお葬式の手続き全体は 相続・お葬式ガイド

出典・確認先(2026年7月31日時点)

本記事は編集部が公的情報(法令・行政資料)をもとに整理したものです。専門家の監修は受けていません。費用は民間事業者が公表する相場情報にもとづく目安であり、実際の金額・手続きは墓地の管理者および市区町村の指示に従ってください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

目次