個人事業主が創業時にまず検討すべきなのは「小規模事業者持続化補助金<創業型>」(補助上限200万円・特例込みで最大250万円・補助率2/3)です。2026年度の第4回公募は2026年11月5日から申請受付が始まり、締切は12月15日17時。ただし申請には「特定創業支援等事業」の証明書が必須で、取得に時間がかかるため早めの準備が要ります。この記事では、個人事業主・フリーランスが使える主な制度を公式情報にもとづいて整理します。
この記事の情報は2026年7月17日時点のものです。公募スケジュール・金額・要件は変更される場合があります。申請前に必ず小規模事業者持続化補助金まとめサイト(公式)やミラサポplus(中小企業庁)など、各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
個人事業主が創業時に使える制度の一覧
| 制度名 | 上限額 | 補助率・助成率 | 主な対象 | 2026年度の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金<創業型> | 200万円(インボイス特例で最大250万円) | 2/3 | 創業後1年以内かつ特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者 | 第4回:2026年11月5日〜12月15日17時 |
| 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠> | 50万円(各特例併用で最大250万円) | 2/3(赤字事業者が賃金引上げ特例利用時は3/4) | 小規模事業者全般(創業型の要件を満たさない場合の選択肢) | 第20回:2026年11月5日〜12月15日17時 |
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | ツール・枠による | 枠による | ITツール・会計ソフト等を導入する中小企業・個人事業主 | 公募中(詳細は公式サイト) |
| 東京都 創業助成事業 | 400万円(下限100万円) | 2/3以内 | 都内で創業予定、または創業5年未満の中小企業者等(要件あり) | 令和8年度第1回は2026年4月16日で受付終了 |
| 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | —(融資) | 新たに事業を始める方、事業開始後おおむね7年以内の方 | 随時(補助金ではなく融資) |
最有力候補:小規模事業者持続化補助金<創業型>
創業後1年以内の小規模事業者を重点的に支援する制度です。一般型(通常枠の上限50万円)と比べて上限額が大幅に高く、個人事業主にとって最も有力な選択肢になります。
| 項目 | 内容(第4回公募) |
|---|---|
| 補助上限 | 200万円(インボイス特例該当で50万円上乗せ=最大250万円) |
| 補助率 | 2/3 |
| 対象者 | 小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下、宿泊業・娯楽業および製造業その他は20人以下)。個人事業主(商工業者)を含む |
| 申請要件 | 「特定創業支援等事業」による支援を受けた日と開業日(設立年月日)の両方が、公募締切から起算して過去1年以内であること |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 申請受付 | 2026年11月5日(木)〜2026年12月15日(火)17:00 |
| 様式4の発行締切 | 2026年12月4日(金)※締切後の発行依頼は理由を問わず不可 |
| 採択発表 | 2027年3月頃予定 |
| 申請方法 | 電子申請のみ(GビズIDプライムが必須)。郵送は一切不可 |
要件は第3回から変更されています。以前は「創業後3年以内・過去3か年」でしたが、現在は「創業後1年以内・過去1か年」に短縮されています。古い解説記事の情報に注意してください。
創業型の申請手順(7ステップ)
- 市区町村に「特定創業支援等事業」を相談する:認定市区町村が実施する創業セミナー等を受講し、支援を受けたことの証明書の発行を受けます。発行に時間がかかるため最優先で着手します。
- GビズIDプライムのアカウントを取得する:取得には数週間程度を要します。
- 経営計画書・補助事業計画書(様式2・3)を自分で作成する:事業者自身が検討した記載がないと、評価に関わらず不採択・交付決定取消となります。
- 商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する:第4回の発行受付締切は2026年12月4日(金)です。
- 電子申請システムから申請する:締切は2026年12月15日(火)17:00。開業届の写し(開業日の記載必須)などを添付します。
- 採択後、見積書等を提出し交付決定を受ける:交付決定日より前の発注・契約・支払いは補助対象外です。
- 事業を実施し、実績報告を提出して補助金を受け取る:第4回の補助事業実施期限は2028年3月31日(金)、実績報告書提出期限は2028年4月10日(月)です。
電子申請の入口となるGビズIDプライムの取得手順はjGrants(Jグランツ)の使い方完全ガイド|GビズIDプライムの取得方法で詳しく解説しています。
創業型の要件を満たせない場合は?
「特定創業支援等事業の支援を受けていない」「開業から1年以上経っている」場合、創業型は申請できません。その場合の選択肢は次のとおりです。
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>:通常の補助上限は50万円・補助率2/3ですが、インボイス特例(+50万円)や賃金引上げ特例(+150万円)の併用で最大250万円まで拡大します。詳しくは小規模事業者持続化補助金2026【第20回】の解説記事をご覧ください。創業型との重複申請はできません。
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):会計ソフトやITツールの導入が対象です。会計ソフトは補助金で導入できる|デジタル化・AI導入補助金2026の使い方で解説しています。
- 自治体独自の助成金:東京都の創業助成事業(上限400万円・下限100万円・助成率2/3以内)のように、都道府県・市区町村が独自の制度を持っています。お住まいの自治体の制度を必ず確認してください。
- 融資という選択肢:日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。補助金は後払いのため、つなぎ資金として併用を検討する価値があります。
申請前に知っておきたい注意点
- 補助金は後払い・自己負担が必要です。交付決定通知書に記載の交付決定日より前に行った発注・契約・支払いは、すべて補助対象外になります。
- 審査があり、不採択になることがあります。また審査の結果、申請額から減額または全額対象外となる場合もあります。
- 計画は自分で作成する必要があります。第三者の支援を受けた場合は、支援料金の支払いの有無にかかわらず、相手方と金額を様式2に記載する義務があります。記載がない場合は虚偽の報告として不採択・交付決定取消となります。
- 高額なアドバイス料金を請求する業者に注意してください。公募要領でも明確に注意喚起されています。無料で相談できる商工会・商工会議所の窓口をまず活用しましょう。
- パソコン・タブレット・事務用プリンタ等は対象外です。汎用性が高く目的外使用になりうるものは補助対象になりません。自動車・キッチンカーも対象外です。
- 補助金は課税対象です。補助金の額の確定を受けた事業年度の収益として計上し、法人税・所得税の課税対象となります。
- 「創業補助金」という名前の国の制度は現在ありません。創業者向けの支援は、持続化補助金<創業型>や自治体の助成事業といった形で提供されています。この名称で高額なサービスを勧める業者には注意してください。
よくある質問
個人事業主でも補助金は使えますか?
使えます。小規模事業者持続化補助金は個人事業主(商工業者であること)が補助対象者として明記されており、<創業型><一般型 通常枠>のいずれも申請できます。ただし医師・歯科医師・助産師、系統出荷による収入のみの個人農業者などは対象外です。
創業前・開業前でも申請できますか?
制度によります。小規模事業者持続化補助金<創業型>では、店舗のオープン準備中など、まだ事業活動を開始していない事業者も補助対象になり得ます。ただし補助事業終了までに商品・サービスの提供を開始することが必要で、開業届上の開業日が申請日より後の場合は対象外です。東京都の創業助成事業は「都内で創業を予定している方」も対象です。
創業型と一般型はどちらに申請すべきですか?
両方への重複申請はできません。創業型は補助上限200万円・補助率2/3と条件が有利ですが、「特定創業支援等事業による支援を受けた日」と「開業日」の両方が公募締切から過去1年以内という要件があります。この要件を満たせない場合は一般型 通常枠を検討することになります。
特定創業支援等事業とは何ですか?
産業競争力強化法にもとづき、国から認定を受けた「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」が実施する創業者向けの支援(創業セミナーや個別相談など)です。修了すると認定市区町村から証明書が発行され、これが持続化補助金<創業型>の申請に必須の書類となります。発行までに時間がかかるため、市区役所・町村役場へ早めに相談してください。
補助金はいつもらえますか?
補助金は後払いです。交付決定後に自分で経費を支払い、事業終了後に実績報告を提出し、補助額の確定を経てから入金されます。したがって初期費用は自己資金や融資で一度立て替える必要があります。
補助金に税金はかかりますか?
かかります。小規模事業者持続化補助金の公募要領では、補助金は補助金の額の確定を受けた事業年度の収益として計上するものであり、法人税・所得税の課税対象になると明記されています。
出典
- 小規模事業者持続化補助金<創業型> 第4回公募 公募要領(第8版・2026年5月27日)
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<創業型>(第3回)の公募要領を公開しました」
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>事務局 公式サイト
- 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)の公募要領を公開しました」
- 東京都創業NET「創業助成金(東京都中小企業振興公社)」
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
制度全体の違いや探し方は補助金・助成金 完全ガイド【2026年版】にまとめています。
