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エンディングノートの書き方【2026年版】法的効力はないが家族が困らない8項目|遺言書との使い分けと法務局の保管制度3,900円

ノートとペンの静物。エンディングノートの書き方と遺言書との使い分けを示すアイキャッチ

エンディングノートは「書いておくと安心」と言われますが、書き方を間違えると家族の手間はまったく減りません。最大の理由は、エンディングノートに法的効力がないこと。財産の分け方をノートに書いても、そのとおりに実行される保証はありません。この記事ではノートに書くべきこと/遺言書に書くべきことを切り分けたうえで、家族が実際に詰まる項目から順に整理します。2026年7月29日時点の公的情報にもとづく編集部の整理です。

まず結論:3分でわかる使い分け
何を書くか財産の分け方は遺言書、財産のありかと連絡先はノート。この線引きがすべてです
いつまでに期限はありません。ただし判断能力があるうちにしか書けません。認知症が進むと遺言も作れなくなります
いくらノートは市販品で数百円〜2,000円程度。手持ちのノート1冊でも構いません。遺言書を法務局に預けるなら保管申請1件3,900円
最優先の1項目スマホのパスコードと、契約している金融機関・サブスクの一覧。ここが空白だと家族は動けません
目次

エンディングノートと遺言書は、役割がまったく違う

両者の決定的な違いは法的拘束力の有無です。遺言書に書いた内容は死後に法的な効力をもって実行されますが、エンディングノートに書いた内容は実行されるとは限りません。逆にいえば、ノートは形式の縛りがなく、何をどう書いても自由です。この長所と短所は表裏一体で、使い分けができていないノートは「家族が読んで悲しむだけの手紙」になってしまいます。

項目エンディングノート遺言書
法的効力なしあり
形式のルール自由。パソコン入力でも可厳格。自筆証書遺言は原則として全文自筆・日付・署名・押印が必要
向いている内容財産のありか、連絡先、医療・介護の希望、葬儀の希望、デジタル情報、家族へのメッセージ誰に何を相続させるか、遺言執行者の指定
保管家族が見つけられる場所に。ありかを1人以上に伝えておく自宅保管のほか、法務局の自筆証書遺言書保管制度が利用できます

書く順番のタイムライン:上から埋めれば失速しません

エンディングノートが挫折する最大の原因は、最初のページが「自分史」や「生い立ち」になっていることです。家族が困る順に並べ替えると、最初の30分で最も価値の高い部分が埋まります。

今日/30分でここまで(最重要)
①スマホ・パソコンのパスコード ②取引のある金融機関と支店名(残高は不要) ③保険会社と証券番号 ④緊急時に連絡してほしい人の名前と電話番号。この4つが埋まっているだけで家族の負担は大きく下がります。
1週間以内/お金の出入りを止められるようにする
⑤クレジットカードの一覧 ⑥毎月の引き落とし(家賃・光熱費・通信費) ⑦サブスクの契約先。放置すると亡くなったあとも課金が続きます。
1か月以内/医療・介護の希望
⑧持病・かかりつけ医・服用中の薬、延命治療や告知についての考え方。ここは家族が決めきれずに苦しむ典型的な場面です。
3か月以内/葬儀・お墓の希望
葬儀の規模、呼んでほしい人、菩提寺の有無、そして遺影に使ってほしい写真の保管場所。指定がないと家族はアルバムを探し回ることになります。
半年以内/財産の分け方は遺言書へ移す
分け方に希望があるなら、ノートではなく遺言書に。自筆証書遺言なら法務局の保管制度(保管申請1件3,900円)が使えます。
毎年1回/棚卸しして更新する
口座・カード・サブスクは増減します。誕生日など決まった日に見直す運用にすると続きます。

知らないと困る4つのポイント

ここを外すと、ノートを書いた意味がなくなります
  1. 財産の分け方をノートに書いても実行されません。「家は長男に」と書いても法的効力はなく、原則として相続人全員での遺産分割協議が必要です。希望を通したいなら遺言書にしてください。
  2. パスワードそのものの書き込みは慎重に。ノートは金庫ではありません。暗証番号やネットバンキングのパスワードを平文で書くのは危険です。「どこに口座があるか」「どのサービスを契約しているか」というありかの情報までにとどめ、パスワード類は別に管理するのが現実的です。
  3. ノートの存在を誰も知らなければゼロと同じ。書いたら必ず1人以上に置き場所を伝えます。金庫にしまって暗証番号を誰も知らない、が最悪のパターンです。
  4. サブスクは自動では止まりません。解約手続きをしない限り課金は続きます。契約先の一覧がないと、家族はカード明細から逆算する作業を強いられます。

あなたの場合はどう書くか(パターン別)

あなたの状況優先して書くこと
配偶者がいる/子もいる財産のありかと日常の支払い一覧。分け方でもめる余地が小さいぶん、手続きを止めないための情報が最優先です
子がいない・きょうだいが相続人になる分け方の希望があるなら遺言書が必須級。ノートには、きょうだいや甥姪の連絡先を必ず書いておきます
おひとりさま誰が発見し、誰が葬儀を出すのかまで想定を。賃貸なら管理会社、持ち家なら鍵の所在、そして死後事務を頼める相手の有無を書きます
親に書いてもらいたい(子の立場)「終活して」と切り出すと反発されがち。入院したときに困るから連絡先だけ教えてという入り口が現実的です
ネット取引・暗号資産がある証券会社・取引所の名前は必ず。ネット完結の口座は郵便物が届かず、家族が存在に気づけません

現場でつまずくポイントと回避法

ここからは、書式の説明には出てこない実務の話です。制度に関わる部分は公的機関の情報で裏取りし、経験として語られている内容はそう位置づけて紹介します。

ネット完結の口座は、家族が存在すら知らない

紙の通帳や郵送物がある口座は、遺品整理の過程で見つかります。しかしネット銀行・ネット証券は手がかりが画面の中にしかありません。デジタル終活の解説でも、サービス名・IDを整理しておくことが繰り返し推奨されています。金額を書く必要はありません。「どこにあるか」だけで家族は照会に進めます。

スマホのロックが解けないと、連絡すら取れない

亡くなった直後にまず必要になるのは、友人・仕事関係への連絡です。連絡先がスマホの中だけにあり、パスコードが分からず訃報を伝えられなかった——という話は体験談で多く語られます。パスコードは家族が最初に見る場所(ノートの1ページ目)に置く価値があります。

遺影の写真がなく、免許証の写真を引き伸ばすことになる

葬儀の準備で家族が最も慌てるもののひとつが遺影です。近年はスマホの中にしか写真がなく、しかもロックが解けないという二重の問題が起きています。気に入った写真を1枚プリントし、ノートに挟んでおくのが最も確実です。

「書いたけど場所を伝えていない」が想像以上に多い

ノートも遺言書も、見つからなければ存在しないのと同じです。自筆証書遺言については、法務局が保管する制度を使えば紛失・隠匿のリスクを避けられます。ノート自体は制度の対象外なので、置き場所を口頭で共有するしかありません。年始や誕生日に「あの引き出しにあるからね」と一言伝えておくだけで十分です。

法務局の自筆証書遺言書保管制度:かかる費用
遺言書の保管の申請(遺言者・1件) 3,900円 遺言書の閲覧(原本・1回) 1,700円 遺言書情報証明書の交付(1通) 1,400円 保管の申請の撤回および変更の届出には手数料がかかりません(法務省)

どこまでやるか:編集部の価値判断

終活サービスの多くは「早めに、しっかり、専門家と一緒に」を勧めます。それが有効な場面はありますが、全員に必要とは限りません。判断材料として3つの立ち位置を示します。

タイプやること費用の目安
堅実に済ませたい手持ちのノートに「連絡先・金融機関・保険・スマホのパスコード」だけ書き、置き場所を家族に伝える実質0円。所要30分
標準市販のエンディングノートで全項目を埋め、財産の分け方は自筆証書遺言にして法務局に預けるノート数百円〜2,000円程度+保管申請3,900円
こだわりたい公正証書遺言を作成し、必要に応じて家族信託や死後事務委任契約も検討する公証役場の手数料と専門家報酬が別途必要。財産額で変動します

編集部の見方を書きます。「完璧なノートを作ろうとして1ページも書かない」のが最も損です。家族が本当に困るのは、あなたの人生の記録がないことではなく、契約や連絡先が分からないことです。最初の30分で連絡先と金融機関だけ書けば、それだけで実務上の価値の大半は確保できます。凝った終活は、その後で構いません。

よくある質問

エンディングノートに法的効力はありますか?

ありません。書いた内容は実行される保証がなく、財産の分け方など法的に実現したい希望は遺言書に書く必要があります。

エンディングノートと遺言書、どちらを先に書くべきですか?

多くの人はノートからで構いません。財産のありかや連絡先は今日から書けます。ただし分け方に強い希望がある場合や、子がいない場合は遺言書の優先度が上がります。

エンディングノートに銀行の暗証番号を書いてもよいですか?

おすすめしません。ノートは金庫ではなく、盗難や紛失のリスクがあります。金融機関名や支店名などの「ありか」までにとどめ、暗証番号やパスワードは別に管理してください。

自筆証書遺言を法務局に預けるといくらかかりますか?

保管の申請は1件につき3,900円です。相続開始後の遺言書情報証明書の交付請求は1通1,400円、原本の閲覧請求は1回1,700円。保管の申請の撤回や変更の届出に手数料はかかりません。

市販のエンディングノートを買わないとだめですか?

必要ありません。形式は自由なので手持ちのノートでも作れます。市販品は項目が用意されているぶん、書き漏らしを防げるという利点があります。

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出典・確認先(2026年7月29日時点)

本記事は編集部が上記の公的機関の公開情報をもとに整理したものです。専門家の監修は受けていません。相続や遺言の取り扱いは個々の家族関係・財産構成によって結論が変わります。具体的な判断が必要な場合は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

みんなのミカタナビ編集部です。運営者・たくの編集方針のもと、相続・出産・退職・補助金など「知らないと損する手続きとお金」を、公的機関の一次情報と体験談の取材をもとに時系列で整理しています。数値・期限は必ず公式情報で裏取りし、出典を明記します。

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